Satan・of・the・Brave

桜花 時雨

第31話 森の大魔女

 霧が立ち込める深い森、森人族が住むの言われている"深淵の森”だ。

森の一角に、深淵の森の中でも更に霧が深い場所がある。

そこに一人の少女が立っている。見る限りでもまだ3歳から4歳なのだが、手を胸あたりに突き出し鈍色の光を手に集めている。

そして次の瞬間鈍色の光は放たれ、放たれた先の地面は大きく爆散した。

そして少女は満足し、一瞬で消えた…








 深淵の森の中心部、エルフの街にてとある噂が流れた…

「この森の一角、"暗黒の淵”に大魔女が現て、魔法の実験をしているおり、見つかれば大魔法を放たれて死ぬ…」

といった噂だ。
その噂を耳にし、冷や汗を流している少女がいた。

そう、森の大魔女と噂名高い本人だ。
この少女の名前は、"ジェーラ・ランティス”だ。

まだ、5歳に満たないが全ての魔法を完璧に扱えており、空間移動という魔力を一般的な大人100人分使う大魔法を連発することもできる、いわゆるチート野郎だ。


噂を聞いて怯む少女だったが次の日には忘れ、また暗黒の淵で魔法を放ちまくっているのであった。





2年後

少女も5歳となり、ステータス検査を受ける日が来た。

「ママ…ステータス検査…行こう…」

「そうね!早く行って、ステータスをみましょう!たのしみね!」

「うん…」

なぜジェーラが喋るのに詰まっているのかと言うと、この2年間ジェーラは同年代の子と遊ぶのを忘れ魔法の放ちまくりに勤しんでいたら、会話が苦手になってしまったのである…

 2人とも支度を済まし、家を出て数分ほど歩くと教会が見えてきた。教会は見た目は質素であるが、どこか神々しさを感じさせるほどに綺麗だった。

  中に入ると純白の法衣を着た神父が立っており、ジェーラが教会に入ってきたのを確認して入口まで歩いてきた。

「こんにちは。ご予約していた、『ジェーラ・ランティス』様に間違えないでしょうか?」

 そう聞かれたため、ジェーラは首を振るのみで答え、母はしっかりと言葉で示した。すると神父は、手を神々の銅像が設置されたいる舞台の様な所に手を向けて案内した。

「ジェーラ様は私の真似をして頂いて、強く神々に祈ってください『恵まれます様に』と。」

 神父は、その言葉をジェーラにいい左膝を床につけ、手を合わせ頭上に大きく掲げた。ジェーラもそれを真似て強く願った。

 すると、時が止まった様に音がしなくなり、ジェーラ以外が動かなくなった。

 ジェーラが目を開くと、そこには木々の様な美しい緑の長髪、すらっとした体躯、純白で所々に金の刺繍が入った法衣を着ている女性がいた。

 これぞ正しく"神降臨”と言った光景だった。

 すると突然声をかけてきた。

貴方あなたがジェーラ・ランティスですか?
私の名前は『マギアカート』魔法の神です。」

 ジェーラは今の状況に追い付けず焦るしかなかった。

「焦る気持ちも分かりますが、時間もないので手短に話しますね。」

 ジェーラは、その言葉にすごい勢いで首を振ることしか出来なかった。

「貴方には私の力を受け取ってもらいます。
その力を使い、魔人族の『ライル・バーゼガン』という貴方と同じ歳の少年の手助けをしてもらいます。
 今はできることはありませんが、貴方は今まで通り魔法の訓練に励んでいてください。
それでは健闘を祈ります。」

 その言葉だけ、神と自分で名乗る『マギアカート』は去っていった。また去ると同時に、止まっていた時間は進み出した。

「ジェーラお疲れ様!今日は帰ろっか、ステータスは家でゆっくり見なさい!」

 母親の掛け声に少しだけ反応を見せて、母親の背中を走って追いかけた…




エルフの森の噂の"森の大魔女”が"憤怒の魔王”と出会うのはもう少し先の話である……






 おはこんばん! 作者の桜花 時雨です!
やはり短くなりました!前回が長すぎましたね。

 今回新キャラとして登場した『ジェーラ・ランティス』いかがだったでしょうか?初登場で少し、皆様の心に引っかかるキャラを目指したつもりでしたが…あまり表現出来ずと言った感じでした。

これからも小説の内容向上に向けて、コメントとかTwitterとかでも指摘とかしていただけると嬉しいです。

それではこれからも、サタブレをよろしくお願いします!

それではまた次回!

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