気分は下剋上 肖像写真

こうやまみか

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「パパ活って何なのだ?」
 自分の知っている単語ではない。就活ならばーー何しろ出身学部が特殊なので他学部ほど熾烈でもないし苦労した覚えもないが、取材を受けた後にインタビューが載ったビジネス誌とかは送られて来るし、興味のある記事のヘッドラインがあれば購入して読む習慣もあったので「就活中の大学生のここを見極めろ」的な記事は読んでいる。根が貧乏性だし、所謂いわゆる活字中毒なので――医学用語にそういうモノはないがーー手にした雑誌は全て読むのが習慣になっている。
 ただ、自分が知っている単語と世間の皆様の常識とは異なっていることもおぼろげながらに自覚していた。
「貴方には全然関係ない話ですが、高価なレストランなどに食事に連れて行ってもらったり自分では到底買えないプレゼントを貰ったりするのと引き換えにーーまあ、その女性がOKだったらホテルに行って『そういう行為』まですることまで含まれています」
 要するに新しい単語を使った「春を売る行為」かと思ってしまう。
「なるほど……そういうのが流行っているのか。それは知らなかった。
 しかし、高価な食事やブランド物のバックなどを貰ったとしても、お金稼ぎにはならないような気がするが……?」 
 素朴な疑問を祐樹に聞いてみた。関係がない世界の出来事でも知らない単語があれば気になってしまうのは自分だけかも知らないが。
 それにそういう活動をする女性達は自分がお気に入りのアイドルグループのイベントのためにしているわけで、豪華な食事よりも現金が目当てなハズなので。
 祐樹は淡々とした感じの表情を浮かべている。多分祐樹もそういうメンタリティは理解出来ない部類なのでまるっきり他人事ひとごとなのだろう。
「キャバクラというお店はご存知ですか?」
 キャバ嬢という職業がこの世に存在することはテレビドラマで観て知っている。そしてその人たちが働くのがキャバクラという場所なことも。
「一応は……。斎藤病院長などが御用達ごようたしのお店とは異なって、テーブル席にずっとホステスさんが付いてくれるのではなく、数十分で女性が変わるシステムのお店だろう?特別料金を支払って指名をしたら別らしいが……?」
 売れっ子になると一般的なサラリーマンとは桁違けたちがいのお金を稼ぐことがで出来るとかテレビで言っていたような気がする。
 しかし、彼女たちの「職業」とパパ活とやらがどうリンクするのだろう?

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