ディフェレアル(仮)
始動《キャラメイク》-05
結局その後、拠点に戻ってきて、拠点南東側にある修練所のようなところに来た。鉄剣、木刀など量産性の訓練用の剣が立ててある。壁には盾や防具がかかっている。
「魔法の訓練は一旦置いておきます。置いておいて、剣術とかの近接戦闘の訓練をします。」
とリドウィンが言った。魔法を発動できなかったからだろうが、そりゃ中級魔法をいきなり発動できるなんてあり得ない。やらせるリドウィンが悪い。
「え、ちょっと心の中でそんなチート性能期待してたんじゃないの?」
・・・・・・ちょっとあったかも。うん。それは認める。
「ほらー、チート性能期待してたんじゃーん」
——いやそれはそれとして!えっと、剣の訓練をするんだよな?
「話逸らしたね?・・・・・・まぁいいや、そうだよ。剣の振り方、技、技同士のコンボ、護身とかだね」
「やっと本格的なファンタジーになってきたな」
「うん、まあ、ファンタジーというか戦争が起きてるからしょうがないよ。」
「いや俺は思うんだけどさ、なんでこんなに発展してるのに銃とかミサイルとか使わないのかっていうのが不思議なんだけど。」
これが今一番の不思議。俺が現実で生きていた——寝たときには日本はすでにミサイル迎撃システムなんて当然できてるし、近隣国がミサイルを撃ったりしたのも分かる。母艦も高性能なものができている。それなのになぜこの世界では魔法や剣などといった定番のファンタジー世界の戦闘方法をするのか。効率が悪すぎる。
「それってさあ、」
リドウィンが俺の疑問に簡単に、しかし深く答えた。
「燃料とかの資源が必要——だよね?」
——そう。俺の現実でも、有限資源は深刻な問題となりつつあった。いくら技術が発展したとはいえ、ミサイルの発射にも、自動車のエンジンにも石油とかの資源を使う。だが待って欲しい。その問題の解決のために水素や電気が使用されていたはずだ。こんなに発展している世界でなぜそのアイデアが出てこない?それに、俺の家の周りの景色は同じだった。つまり、——この国の様子が俺が異世界に来る前の現実と同じと考えるなら——俺が眠ったその時くらいにロスキンド共がでてきて、この拠点周辺で人々は技術を発達させてきた、そう考えるのが妥当だろう。ということは水素などの技術はすでにあった。それなのにそれを使えない事情があった。恐らくそういうことだろう。
俺は目でリドウィンに問いかける。
「さ、訓練始めよ。」
——え?
「ん?なんかしときたいことある?」
——反応が無かった・・・・・・?今の『——え?』はリドウィンに伝える気は無かったが衝撃と動揺で伝わってしまったのだろう。
リドウィンの心を読み取る能力は、伝えようと意識すれば伝わる。伝える気を一切持っていないとリドウィンは反応しない。また、動揺したりしているときは読み取られる。そういう能力だと気づいたのは少し前だ。
でもさっきは違った。ちゃんと伝えようとした。
え、なに?文字数制限でもあるの?
「ん?どした?大丈夫?」
リドウィンが心配そうに聞いてくる。
「あ、ああ、大丈夫だ・・・・・・」
「そう?じゃ、訓練始めるよー」
——考えるのがめんどくさくなってきた。とりあえず訓練しよう。
「まずは木刀持ってみようかー。」
「おいちょっとまて」
「え?どしたの?」
「いやいや、木刀を振り回せるわけないだろ」
そういうと、リドウィンが驚いた顔をしてこちらを見てきた。そして俺に言い放った。
「え、木刀振る体力も無いほど貧弱なの?」
「逆にあると思ったのか!?」
なんてことを言ってくるんだこいつは。どうかしてるぞこいつ。
「だって普通だから・・・・・・」
「うん。じゃあ俺ができるとでも思った?」
せめてもの仕返しとにこやかな笑顔で言ってみる。
「いや、思わないけど」
・・・・・・かなりのカウンターを喰らってしまった。でもこいつやろうとしてカウンターしてる感じとかないよな。マジの天然か。
「——なんか言いたそうだね」
リドウィンのこういう探知能力は常識を越えている。
「いや、なんでもない。」
「ふーん・・・・・・まぁいいや、じゃあとりあえず持ってみるだけ持ってみようか。」
ポーカーフェイスを発動してやりすごす。でも結局木刀を持つことからは逃げられなかった。
木刀を握ったが、思ってたより全然重く、落としそうになった。やっぱり外で運動してないからかな・・・・・・?
いや、ここでそんなことを考えたら負けだ。なぜ運動なんてする必要があるんだ。家で仕事してゲームしてアニメ見てれば俺の得しかない、誰も損しない、むしろ電力会社は万々歳!
「うんそれは違う」
「・・・・・・なに、今の読まれてたか・・・・・・いや、人の価値観に口出しするな!これは俺の問題だ・・・・・・」
「いや・・・・・・誘った理由分かってるよね?」
リドウィンに突っ込まれてさらに正論という追撃をされてしまった。俺のHPはとっくにゼロだ。
「オーバーキルだ!マナー違反だ!」
「もう始めて良いかな?」
「はいごめんなさい、始めます」
リドウィン、強い(確信)。
「えっと、木刀は無理そうだからプラスチックの剣にするねー」
「プラスチックの剣・・・・・・おもちゃ・・・・・・」
「え?じゃあ鉄剣とか木刀がいいの?」
「・・・・・・プラ剣でやります」
プラ剣とかいう勝手な造語を作りつつ対応する。やっぱりしょうがないのか。
「じゃーまずは・・・・・・うん、とりあえず斬りかかってきてよ」
「ああ、俺のフォームとか立ち回りとかを見るのか・・・・・・」
「うん、まあそんなとこだね」
全く出来る気がしないのだが、とりあえず持ち合わせのなけなしの知識で斬りかかってみる。
剣を両手に握り、重心を落とし、左下に切っ先を向けて構える。そして一呼吸置いて、その修練所の石の床を一気に蹴り、リドウィンに向けて出せる最大速度で走り込み、リドウィンの10cm程手前から左下に構えている剣を右上に向かって斬り上げる。
パシッ!と音がして、その剣をリドウィンに止められた。
「うーん、フォームとしては微妙。空間把握能力はありそうな感じだね。斬り上げるタイミングは良かった。」
そんな評価をリドウィンにいただいて、俺は剣を片手でヒュンヒュンと振ってみる。やはりプラスチックの剣なので軽いが、鉄剣や木刀を握っている人々は片手で振るものなのか?それとも両手か?
リドウィンに目で問いかけると、
「うーん、人によるね。とにかく両手で叩き込む人もいるし、片手で持って左手、もとい右手を自由にしておく人はいるね。この世界はキミの世界のゲームとは違って両手剣とか片手剣の区別が特にないからね。——あ、片手で持ってる人にもうワンパターンあるの忘れてたよ。キミの世界で言う——《魔法戦士》だね。」
「ああ、そういえばあそこにいた赤い髪の人が魔法戦士だったか・・・・・・」
「赤い髪の人・・・・・・ああ、あの人か。へー、魔法戦士だったんだー。」
魔法戦士・・・・・・いいな・・・・・・。
「じゃあ、当面の目標は魔法戦士ってことで!」
「魔法の訓練は一旦置いておきます。置いておいて、剣術とかの近接戦闘の訓練をします。」
とリドウィンが言った。魔法を発動できなかったからだろうが、そりゃ中級魔法をいきなり発動できるなんてあり得ない。やらせるリドウィンが悪い。
「え、ちょっと心の中でそんなチート性能期待してたんじゃないの?」
・・・・・・ちょっとあったかも。うん。それは認める。
「ほらー、チート性能期待してたんじゃーん」
——いやそれはそれとして!えっと、剣の訓練をするんだよな?
「話逸らしたね?・・・・・・まぁいいや、そうだよ。剣の振り方、技、技同士のコンボ、護身とかだね」
「やっと本格的なファンタジーになってきたな」
「うん、まあ、ファンタジーというか戦争が起きてるからしょうがないよ。」
「いや俺は思うんだけどさ、なんでこんなに発展してるのに銃とかミサイルとか使わないのかっていうのが不思議なんだけど。」
これが今一番の不思議。俺が現実で生きていた——寝たときには日本はすでにミサイル迎撃システムなんて当然できてるし、近隣国がミサイルを撃ったりしたのも分かる。母艦も高性能なものができている。それなのになぜこの世界では魔法や剣などといった定番のファンタジー世界の戦闘方法をするのか。効率が悪すぎる。
「それってさあ、」
リドウィンが俺の疑問に簡単に、しかし深く答えた。
「燃料とかの資源が必要——だよね?」
——そう。俺の現実でも、有限資源は深刻な問題となりつつあった。いくら技術が発展したとはいえ、ミサイルの発射にも、自動車のエンジンにも石油とかの資源を使う。だが待って欲しい。その問題の解決のために水素や電気が使用されていたはずだ。こんなに発展している世界でなぜそのアイデアが出てこない?それに、俺の家の周りの景色は同じだった。つまり、——この国の様子が俺が異世界に来る前の現実と同じと考えるなら——俺が眠ったその時くらいにロスキンド共がでてきて、この拠点周辺で人々は技術を発達させてきた、そう考えるのが妥当だろう。ということは水素などの技術はすでにあった。それなのにそれを使えない事情があった。恐らくそういうことだろう。
俺は目でリドウィンに問いかける。
「さ、訓練始めよ。」
——え?
「ん?なんかしときたいことある?」
——反応が無かった・・・・・・?今の『——え?』はリドウィンに伝える気は無かったが衝撃と動揺で伝わってしまったのだろう。
リドウィンの心を読み取る能力は、伝えようと意識すれば伝わる。伝える気を一切持っていないとリドウィンは反応しない。また、動揺したりしているときは読み取られる。そういう能力だと気づいたのは少し前だ。
でもさっきは違った。ちゃんと伝えようとした。
え、なに?文字数制限でもあるの?
「ん?どした?大丈夫?」
リドウィンが心配そうに聞いてくる。
「あ、ああ、大丈夫だ・・・・・・」
「そう?じゃ、訓練始めるよー」
——考えるのがめんどくさくなってきた。とりあえず訓練しよう。
「まずは木刀持ってみようかー。」
「おいちょっとまて」
「え?どしたの?」
「いやいや、木刀を振り回せるわけないだろ」
そういうと、リドウィンが驚いた顔をしてこちらを見てきた。そして俺に言い放った。
「え、木刀振る体力も無いほど貧弱なの?」
「逆にあると思ったのか!?」
なんてことを言ってくるんだこいつは。どうかしてるぞこいつ。
「だって普通だから・・・・・・」
「うん。じゃあ俺ができるとでも思った?」
せめてもの仕返しとにこやかな笑顔で言ってみる。
「いや、思わないけど」
・・・・・・かなりのカウンターを喰らってしまった。でもこいつやろうとしてカウンターしてる感じとかないよな。マジの天然か。
「——なんか言いたそうだね」
リドウィンのこういう探知能力は常識を越えている。
「いや、なんでもない。」
「ふーん・・・・・・まぁいいや、じゃあとりあえず持ってみるだけ持ってみようか。」
ポーカーフェイスを発動してやりすごす。でも結局木刀を持つことからは逃げられなかった。
木刀を握ったが、思ってたより全然重く、落としそうになった。やっぱり外で運動してないからかな・・・・・・?
いや、ここでそんなことを考えたら負けだ。なぜ運動なんてする必要があるんだ。家で仕事してゲームしてアニメ見てれば俺の得しかない、誰も損しない、むしろ電力会社は万々歳!
「うんそれは違う」
「・・・・・・なに、今の読まれてたか・・・・・・いや、人の価値観に口出しするな!これは俺の問題だ・・・・・・」
「いや・・・・・・誘った理由分かってるよね?」
リドウィンに突っ込まれてさらに正論という追撃をされてしまった。俺のHPはとっくにゼロだ。
「オーバーキルだ!マナー違反だ!」
「もう始めて良いかな?」
「はいごめんなさい、始めます」
リドウィン、強い(確信)。
「えっと、木刀は無理そうだからプラスチックの剣にするねー」
「プラスチックの剣・・・・・・おもちゃ・・・・・・」
「え?じゃあ鉄剣とか木刀がいいの?」
「・・・・・・プラ剣でやります」
プラ剣とかいう勝手な造語を作りつつ対応する。やっぱりしょうがないのか。
「じゃーまずは・・・・・・うん、とりあえず斬りかかってきてよ」
「ああ、俺のフォームとか立ち回りとかを見るのか・・・・・・」
「うん、まあそんなとこだね」
全く出来る気がしないのだが、とりあえず持ち合わせのなけなしの知識で斬りかかってみる。
剣を両手に握り、重心を落とし、左下に切っ先を向けて構える。そして一呼吸置いて、その修練所の石の床を一気に蹴り、リドウィンに向けて出せる最大速度で走り込み、リドウィンの10cm程手前から左下に構えている剣を右上に向かって斬り上げる。
パシッ!と音がして、その剣をリドウィンに止められた。
「うーん、フォームとしては微妙。空間把握能力はありそうな感じだね。斬り上げるタイミングは良かった。」
そんな評価をリドウィンにいただいて、俺は剣を片手でヒュンヒュンと振ってみる。やはりプラスチックの剣なので軽いが、鉄剣や木刀を握っている人々は片手で振るものなのか?それとも両手か?
リドウィンに目で問いかけると、
「うーん、人によるね。とにかく両手で叩き込む人もいるし、片手で持って左手、もとい右手を自由にしておく人はいるね。この世界はキミの世界のゲームとは違って両手剣とか片手剣の区別が特にないからね。——あ、片手で持ってる人にもうワンパターンあるの忘れてたよ。キミの世界で言う——《魔法戦士》だね。」
「ああ、そういえばあそこにいた赤い髪の人が魔法戦士だったか・・・・・・」
「赤い髪の人・・・・・・ああ、あの人か。へー、魔法戦士だったんだー。」
魔法戦士・・・・・・いいな・・・・・・。
「じゃあ、当面の目標は魔法戦士ってことで!」
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