ディフェレアル(仮)

結愛銘友

始動《キャラメイク》-02

「それじゃあ、」
 リドウィンが口を開く。


「《ファイア・サークル》の発動、やってみようか。」


 俺はげんなりした顔でリドウィンに確認をとる。


「あの・・・・・・これ、絶対中級魔法くらいに値しますよね?」
「うん、中級魔法だよー」


 笑顔でリドウィンが答える。


「うへぇ・・・・・・」


 俺はさらにげんなりする。
 そんな俺を横目にリドウィンが言う。


「まぁ別に失うものなんてないんだから、いいじゃん?」
「そうなんだけどさぁ・・・・・・・・・・・・あぁー、もう分かった!やるよ!」
「おっけー♪」


 リドウィンが俺の横に立つ。


「これは立ってやろっか」


 と言われたので、体育座りの姿勢を崩して立つ。


「では先ほどと同じように手で三角の形を作って下さい」


 三角を作る。


「そして目を閉じて、体の中の魔力の一部が熱を帯びるのをイメージしてください」


 俺の体の中で、熱を帯びていく魔力。それはだんだんと熱くなっていき、火を灯す。それはとても小さい焚き火ほどの炎の大きさになった。


「それを手の方へ移動」


 俺の手の辺りにその灯火が動いていく。


「そして魔方陣を展開するイメージを展開してください」
 ややこしいです。


 俺の手からさっきみたあの魔方陣を思い描く。俺の手から幾何学模様がだんだんと広がっていき、円周が広がり、直径が2mほどになってところでストップ。当然だが俺の身長を超えている。


「そして魔方陣を展開」


 このイメージを実体化させる!


 ドゥォプゥン!と音が鳴った。閉じられた瞼の裏にうつる紅い光ががほんのりと強くなる。


「成功ね。それじゃあその炎を円周に移動させてね」


 手から一気に炎のイメージを移動させる。魔方陣の円周で炎が踊っている。


「それじゃあ、今から言う詠唱を復唱してね。”炎よ、踊れ。その力の奔流を輪の形と成せ”」
「”炎よ、踊れ。その力の奔流を輪の形と成せ”」


「ーー【発動】!!」
「【発動】!!」


 ゴォォオ・・・・・・


 熱い。
 目を開けると、そこには縦に広がる炎の輪があった。


「成功だね!やっぱりキミ才能あるよ!」
 と、リドウィンは満面の笑みを浮かべている。


「そりゃどーも」


 そして、俺は次の一言で固まった。




「じゃあ、拠点の外にでてモンスターとの実戦エンカウントをしてみようか。」

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