ディフェレアル(仮)

結愛銘友

始動前《ローディング》-05

 人類妖精合同総合拠点ーー拠点は、それはもう”要塞”というのがふさわしかった。総面積39㎢という巨大な敷地の周りをぐるっと囲む高さ50メートルはある巨大な石だか鉄だかよく分からない素材でできた巨大な石壁。その門をくぐると、目の前には500㎡ほどの芝生が生えた広場があった。門の大きさは相当なものだったので、ここから出陣をするときなどのために広くとっているのだろう。もっとも、今は人はあまりいないが・・・・・・。
 しかしそんなことは俺にとってはどうでもよく、右側に浮いているホログラムがとても気になる。青い縁取りで、スクリーンは水色で透明。「依頼」や「お知らせ」という文字が読める。ーーなんだこれ。掲示板か?ーー目で彼女に問いかけると、頷いていた。しかし、ホログラムがこんな掲示板に使われるとは・・・・・・どういうことだ・・・・・・?
 左奥には役場のようなものがある。近代的なデザインだ。もちろん役場だけでなく、広場から見える建物全てが近代的で、奥の方には高層の建物がいくつかみれる。
 因みにここは東京の東の方で、山を切り拓いて・・・・・・というわけでもないがそこらへんに作られている。建物がすごい近代的なのに壁がバリバリのファンタジー的なものなのかは不明である。


 役場に入ると、笑顔のお姉さんが受付にいた。


「こんにちは。本日はどのようなご用件でしょうか?」
「えーっと、食料が買える様な店ってここらへんにありますかー?」


 お姉さんの質問に、彼女が答えた(質問した)。
 そういえば名前聞いてないな。後で訊こう。


「この辺りでいいますと、小さな商店の《アルモネア》や、大型の商業施設《ツグレイス》、24時間営業のコンビニエンスストア、《プロート》などがございます。」
「んー・・・・・・近さってどんくらいですかね?」
「《アルモネア》、《ツグレイス》、《プロート》の順番に近いですね。」
「そうですか、ありがとうございます。」
「あ、ちょっと」
「?」


 二人の会話が終わり、後ろの方で待っていた俺に来ようとしたとき、お姉さんが呼び止めた。


「あの、《エオスタ》って知ってます?」
「・・・・・・いえ、知りません。なんですかそれ?」
「あ、いえ、なんだかとある方が大切にしてるものだとか言って探して欲しいと・・・・・・」
「へー、そうなんですか、じゃあ見つけたらお知らせしますね。」
「そ、そうですか、ありがとうございます。」


 捜し物みたいだ。気になるが、特に詮索はせず彼女がこちらに戻ってきて彼女が笑顔で言った。


「待たせてごめんねー、じゃ駅に行こうか」


 え?駅?

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