ディフェレアル(仮)

結愛銘友

始動前《ローディング》-03

 なんという怖い名前が由来の世界なのだろうか。なんでそんな名前を付けたんだ。もっと可愛い系とかかっこいいのだってあるだろ。例えば・・・・・・アルフヘイムとか・・・・・・ノルンガルドとか・・・・・・
 やばい。アルフヘイムはともかくネーミングセンスがどこかへ行ってしまった。俺はどうすればいいのだろうか。もうこのまま俺は一生を終えて・・・・・・あぁ、なんと儚き人生・・・・・・


「大袈裟すぎだよ、キミ」


 あー・・・・・・やっぱり?大袈裟ですよね、やっぱり


「分かってるなら言わなくて良くない・・・・・・?」
「まぁまぁ、いいじゃん、俺たまにこんな変なテンションになるから。」


 とくにしばらく部屋に籠もってるとね。


「あ、そうそう、キミなんで部屋に引きこもってたの?何してたの?まさか・・・・・・今は存在しないはずの・・・・・・ニ、ニート?」
「違ぇわ!仕事だよ。・・・・・・ところでさ、訊いていいか?ずっと気になってたことなんだが」
「なにー?」
「・・・・・・この世界にどうして俺がいるのか、理由分かったりする?」


 ここ数十年新生児が生まれてない。ニートがもう存在しない。だがここは東京。じゃあ俺はなんなんだ?


「・・・・・・考えられる可能性は二つ。」
「・・・・・・・・・・・・」
「一つ目。キミがなんらかの理由で昏睡状態に陥っていた。そして今日目覚めた。」
「・・・・・・・・・・・・」
「そしてもう一つ。・・・・・・時空転移タイムリープした。」
「・・・・・・時空転移タイムリープ


 時空転移タイムリープ。昔からいろいろな作品で取り扱われてきた超常現象の一つ。時空を越え、別の時間にワープするという現象。それは自分以外の誰かが作為的にやった場合、自分で過去を変えようとしてやる場合、偶然なってしまう場合・・・・・・時空転移タイムリープには様々な方法でなる。
 だが今回は、俺はやってない。偶然でもないだろう。となると誰かが作為的にやった方法しか考えられない。しかし、未来へのタイムリープなんて珍しいな・・・・・・王道のものは大体過去に戻るよな。まぁこの際そんなことはどうでもいい。なんで時空転移タイムリープしたか、それが重要なんだ。


「私が必ず理由を見つけてあげるから・・・・・・ね、元気出して。はい。」
「お、おう」


 そういって彼女は俺に一冊の本を渡してきた。赤色で厚めの本だ。表紙には英語で「The World of Majic 」と描いてある。


「魔法の・・・・・・世界?」
「そう。この世界における《魔法》の概念を示している本。これを読めばキミも魔法の覚え方が分かるし、魔法を操れる様になる。ちなみに、魔法とは描いてあるけどそれ大体の戦闘の事が全部書かれてるから。剣も扱えるし、光学銃とかも使える様になるよ。」
「・・・・・・つまり、お前は俺を戦わせたいのか?なにと?」
「・・・・・・今、この世界では、戦争が起きている。」


 マジかよ。


「私は異世界人でも地球人には優しいの。ていうか、テラグレインの皆は優しいの。なんだけどね、別の異世界人・・・・・・《ロスキンド》がすごい対抗的なの。ロスキンド・・・・・・《Los Kind》。種を失った異世界の人々。その人達は自分達以外の《種》を知らないから、自分達以外は認められない、って感じですっごく対抗してきてるの。」


 ロスキンド・・・・・・また新しいのが出てきたな・・・・・・

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