劣戦火に寄るエルケレス
第七話『出立』
ヒゴと言う村は現在、シエルダ達のいるセイレルから南西へ進んだ先にあると言うが、馬の足ならば3日と、思っていたよりも時間は掛からないそうだ。
店の丸机の上にキリカは、少し汚れ、インクで描かれた地図を広げた。
「この地図だと俺のいた村は何処なんだ?」
キリカはセイレルに指を置き、そこから南東の方角へ指を滑らせ緩やかな丘があるであろう場所で指を止める。
「この辺りですね、ここにシエルダさんのいた村がありますよ、印を付けておきましょう」
革のポーチから羽ペンとインクをとり出し、ペンの先をインクに浸けた後、先程指を指していた場所に、指先ほどのばつ印を付けた。どれ程の大きな国があるのだろう、地図だとその大きさがあまり伝わってこない。
「この地図は何処で買ったんだ?」
「この地図は自分で描きました、でも元となった地図もありますよ」
「元になった?」
地図がもう一枚あるならば、それを持ってくれば良いと言うのに、何故態々もう1つ描いたのか、そう言う疑問が真っ先に頭をよぎる。
「何故もう1つ地図を描いたんだ?」
「その地図が持ち出せる物でも無かったからでして、あ、本当は写すのもダメとかそう言う物じゃ無いですよ」
詳しくは教えられないのか、簡単にしか教えてはくれず、それでも詳しく聞くのは失礼な事なのだ、と言うことは知っているので深くは聞かなかった。
「食べ終わったら早速向かおう」
6つに切り分けられたパイを食べ終えると立ち上る。
「行こう」
ポーチから硬貨の入った袋をキリカがとり出し、机に12枚の銅貨を置いた。シエルダは一足先に店の外へと出て行く。
ヒゴに行けば少しは判る、何が起きてるのか、判る筈なんだ。
「行きましょうか」
そうして出てきたキリカは馬の手綱を引きながら道へ出る、鞍に跨がり、その後ろにシエルダが乗る。走り出すとシエルダの体は大きく揺れた、この揺れには何度乗っても馴れない。
セイレルの外が見えてくるまでは早かった、草原が拡がり、緑溢れる草花を風が吹き抜ける。馬は前足を交互に踏み出し、地面を蹴り、駆けた。
店の丸机の上にキリカは、少し汚れ、インクで描かれた地図を広げた。
「この地図だと俺のいた村は何処なんだ?」
キリカはセイレルに指を置き、そこから南東の方角へ指を滑らせ緩やかな丘があるであろう場所で指を止める。
「この辺りですね、ここにシエルダさんのいた村がありますよ、印を付けておきましょう」
革のポーチから羽ペンとインクをとり出し、ペンの先をインクに浸けた後、先程指を指していた場所に、指先ほどのばつ印を付けた。どれ程の大きな国があるのだろう、地図だとその大きさがあまり伝わってこない。
「この地図は何処で買ったんだ?」
「この地図は自分で描きました、でも元となった地図もありますよ」
「元になった?」
地図がもう一枚あるならば、それを持ってくれば良いと言うのに、何故態々もう1つ描いたのか、そう言う疑問が真っ先に頭をよぎる。
「何故もう1つ地図を描いたんだ?」
「その地図が持ち出せる物でも無かったからでして、あ、本当は写すのもダメとかそう言う物じゃ無いですよ」
詳しくは教えられないのか、簡単にしか教えてはくれず、それでも詳しく聞くのは失礼な事なのだ、と言うことは知っているので深くは聞かなかった。
「食べ終わったら早速向かおう」
6つに切り分けられたパイを食べ終えると立ち上る。
「行こう」
ポーチから硬貨の入った袋をキリカがとり出し、机に12枚の銅貨を置いた。シエルダは一足先に店の外へと出て行く。
ヒゴに行けば少しは判る、何が起きてるのか、判る筈なんだ。
「行きましょうか」
そうして出てきたキリカは馬の手綱を引きながら道へ出る、鞍に跨がり、その後ろにシエルダが乗る。走り出すとシエルダの体は大きく揺れた、この揺れには何度乗っても馴れない。
セイレルの外が見えてくるまでは早かった、草原が拡がり、緑溢れる草花を風が吹き抜ける。馬は前足を交互に踏み出し、地面を蹴り、駆けた。
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