理想の社会を異世界で!

ノベルバユーザー318599

4話 実験

さて、顔も洗ったので、朝食を取るために食堂に向かう。顔を洗ってから食堂に着くまでにおよそ5分掛かる。どんだけでかい家なんだ。着いたときにはもう自分以外の家族は着席していた。しかし、よく2歳の子供を放置してられるな。普通はまだ付きっきりじゃないのか?と思ったが、よくよく考えてみればいつもメイドさんやら執事さんやらがいたから大丈夫なのだと勝手に納得しておく。

「遅くなって申し訳ございません。それと、おはようございます。」

「そんなに時間も経ってないし、気にしなくていい。というかもう体調は大丈夫なのかい?」

こうやって心配してくれるのは実の父、マグナ・ジセル。現ジセル公爵家の当主その人だ。ジセル家は王都から離れたところに領地を持っており、王城勤務というよりは領主として、領地をまとめている。父の手腕は先代よりもいいようで、領民からも厚い支持を得ている。

「はい、ご心配お掛けしましたが、もう大丈夫です。」

「それならいいが、えらく丁寧な口調だな?いつの間に覚えたんだ?」

あんまり聞かれたくない質問だ。さて、なんと答えたものか...。

「まぁまぁ今はいいじゃありませんか。そろそろ食事にしましょう?」

ありがとう母上!ナイスな助け船にホッとして食事に移る。

「いただきます。」

「うん?レン、なんだその挨拶は?」

「えっ?あはは、まぁせっかく作ってくれてるから感謝の意味を込めてね。いただくよっていうのを丁寧に言ったんだ。」

これはやっちまった。反省だな。
さて、それはそうと、能力を試して見るか。
ここに来てからずっと無言の姉上に対して使ってみるか。そう思い、実の姉のユリス・ジセルに対して看破を使おうとしてみる。

ユリス・ジセル
6歳
公爵令嬢
レベル 1

体力 150
魔力 80

おぉ、本当に見ることが出来た。それに、視力を使って見てるというよりは、頭のなかに情報があり、それを並列思考で見ているというような感覚だ。少し慣れないせいか気持ち悪い。次に心聴を試してみるか。

《もう熱は大丈夫なんだ。よかったぁ。にしても、なんでこんな丁寧に喋ってるんだろう?それに「いただきます」って挨拶は1度もしたことないのに急にどうしたんだろう?》

結構ガッツリと考えてることがわかるんだな。まぁ心配してくれてるようで、こちらとしては嬉しい限りだ。今回はもう騙されたり裏切られたりは後免だからな。いい家族に出会えて本当によかった。ありがとう女神様。

最後の嗅分も試してみるか。
...........え?急にすごくいい匂いがする!
この香りは、シャンプーだ!結構甘い感じの俺の好きなやつだ。そりゃこんないい匂いしてる人が悪い人なわけないな!逆に悪い人ならどんな匂いがするのか、それはそれで少し気になるな。

しかし、試してみてわかったが、これらのアビリティはちゃんと鍛えないと、感覚に慣れずに気持ち悪くなってしまうな。嗅分は善悪の香り以外の匂いがシャットアウトできるからいいが、看破も心聴も普通に見たり、話したりしながら、並列に脳で見たり聴いたりしてるような感じこれはこの感覚を早々に鍛える必要があるな。



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