理想の社会を異世界で!
2話 転生準備
目が覚めると俺は知らない場所にいた。そこは真っ白な空間で、静けさだけが支配していた。
「いったいここは?俺は何をして......そうか、泉や朱里に裏切られて俺は......。」
また涙が出てきた。裏切られた悲しさと、どうしようもない悔しさからだ。
「お目覚めですか?」
すごく綺麗な声だった。透き通っているかのような美声。その声に引っ張られるように振り向くと、そこには朱里なんかよりも綺麗な、いや美しい存在が佇んでいた。
「あ、あなたはいったい?」
急にそんな美人が近くにいたら驚くだろう。もちろん俺も驚いた。そして、当然かのように相手に質問したところで気づく。
「ハッ!失礼しました。相手に名前を尋ねるときは自分からですよね。私は朝川信次と申します。」
「あら、これはご丁寧に。私はここで女神をしております。カティアと申します。」
えっ?今女神って?たしかに神々しく感じるけれども、また人のことを騙すような人物かもしれない。でもこんな清廉潔白そうな人がそんなことを考えるとは思えない。いやしかし、美人ほど要注意なのも間違いない。
「ふふっ、かなり迷っておられますね。私は本当に女神ですよ。騙してなんていません。」
そういうと自称女神様は少しだけ不機嫌になった。
「す、すみません。今まで女神様に会うようなことはなかったもので...。」
「当然です。死んだものでも一部の者しかここには来れませんから。」
今聞き捨てならないことが聞こえた。えっ?死んだ?たしかにこんなところに来た覚えはないけど、えっ?なんで?いつ死んだ?
「わかりやすく動揺しておられますね。あなたは彼女と同僚に裏切られた後、虚無感いっぱいでふらふらと歩いていました。そして、赤信号に気づかずに歩き続け、トラックに轢かれて死んだというわけです。」
慈愛に満ちた表情で無慈悲なことを話す女神様に、本当の女神様なんだと確信する。だってそうだろ?死んだ原因とかなら作れるだろうが、その前に起こったことまで知ってるんだ。疑う余地がない。
「そうですか。死んだんですね。俺はこれからどうなるんでしょうか?天国に行けますか?それとも信号無視して死んだやつはやはり地獄でしょうか?」
「いいえ、あなたには異世界に転生していただきます。私を含め、神々はあなたのことを不憫に思っています。次の人生ではどうか幸せになってください。そこで、あなたにはいくつかの能力を授けたいと考えています。何か希望はありますか?」
いきなりそんなことを言われても、すぐには浮かぶはずもない。それに異世界転生ってラノベでよくあるあの異世界転生だよな?
「あの、少し時間を頂いてもよろしいですか?すぐには決められなくて...。」
「ええ、もちろんです。これからのあなたの人生を左右するものですから慎重に考えてください。」
これはとんでもないことになった。異世界転生ものではここで創造系の能力をもらったり、人から技能を奪ったりする系統のものをもらってたっけな。しかし、そういう主人公達は悉く面倒事に巻き込まれていた。そして、自分の死因。これを考えると、ほしい能力は...。あれしかないな。
「女神様、私は誰にも害されることのないような身体能力が欲しいです。我が儘を承知でお願いします。いくつかの身体能力がほしいです。」
「身体能力ですか?人括りに身体能力と言っても色々ありますが、肉体的な強度の問題でしょうか?」
「もちろん、それも欲しいところではあります。しかし、私はもう人に騙されたくないんです。ですので、相手の情報が読み取れる眼、考えが聴ける耳、善悪をかぎ分ける鼻が欲しいと思います。どうか頂けないでしょうか?」
俺は本当に欲しいと思うものを願った。もう人に騙されるのは懲り懲りだ。そういう能力に偏るのも無理はないだろう。
「なるほど、そういうことでしたか。それではそれらの能力に先ほどの肉体強度も加えてお付けしましょう。他にも後1つくらいならお付けできますが、どう致しましょうか?」
「これ以上欲を書くわけには参りません。これだけで十分です。ありがとうございます。」
「そうですか。ずいぶんと謙虚なのですね。わかりました。これは私からのサービスです。存分に第2の人生をお楽しみくださいね。ではいってらっしゃい。」
眩いほどの光が溢れ、視界が白一色に染まっていく、本当に転生するんだな。行くぜ!異世界!
「いったいここは?俺は何をして......そうか、泉や朱里に裏切られて俺は......。」
また涙が出てきた。裏切られた悲しさと、どうしようもない悔しさからだ。
「お目覚めですか?」
すごく綺麗な声だった。透き通っているかのような美声。その声に引っ張られるように振り向くと、そこには朱里なんかよりも綺麗な、いや美しい存在が佇んでいた。
「あ、あなたはいったい?」
急にそんな美人が近くにいたら驚くだろう。もちろん俺も驚いた。そして、当然かのように相手に質問したところで気づく。
「ハッ!失礼しました。相手に名前を尋ねるときは自分からですよね。私は朝川信次と申します。」
「あら、これはご丁寧に。私はここで女神をしております。カティアと申します。」
えっ?今女神って?たしかに神々しく感じるけれども、また人のことを騙すような人物かもしれない。でもこんな清廉潔白そうな人がそんなことを考えるとは思えない。いやしかし、美人ほど要注意なのも間違いない。
「ふふっ、かなり迷っておられますね。私は本当に女神ですよ。騙してなんていません。」
そういうと自称女神様は少しだけ不機嫌になった。
「す、すみません。今まで女神様に会うようなことはなかったもので...。」
「当然です。死んだものでも一部の者しかここには来れませんから。」
今聞き捨てならないことが聞こえた。えっ?死んだ?たしかにこんなところに来た覚えはないけど、えっ?なんで?いつ死んだ?
「わかりやすく動揺しておられますね。あなたは彼女と同僚に裏切られた後、虚無感いっぱいでふらふらと歩いていました。そして、赤信号に気づかずに歩き続け、トラックに轢かれて死んだというわけです。」
慈愛に満ちた表情で無慈悲なことを話す女神様に、本当の女神様なんだと確信する。だってそうだろ?死んだ原因とかなら作れるだろうが、その前に起こったことまで知ってるんだ。疑う余地がない。
「そうですか。死んだんですね。俺はこれからどうなるんでしょうか?天国に行けますか?それとも信号無視して死んだやつはやはり地獄でしょうか?」
「いいえ、あなたには異世界に転生していただきます。私を含め、神々はあなたのことを不憫に思っています。次の人生ではどうか幸せになってください。そこで、あなたにはいくつかの能力を授けたいと考えています。何か希望はありますか?」
いきなりそんなことを言われても、すぐには浮かぶはずもない。それに異世界転生ってラノベでよくあるあの異世界転生だよな?
「あの、少し時間を頂いてもよろしいですか?すぐには決められなくて...。」
「ええ、もちろんです。これからのあなたの人生を左右するものですから慎重に考えてください。」
これはとんでもないことになった。異世界転生ものではここで創造系の能力をもらったり、人から技能を奪ったりする系統のものをもらってたっけな。しかし、そういう主人公達は悉く面倒事に巻き込まれていた。そして、自分の死因。これを考えると、ほしい能力は...。あれしかないな。
「女神様、私は誰にも害されることのないような身体能力が欲しいです。我が儘を承知でお願いします。いくつかの身体能力がほしいです。」
「身体能力ですか?人括りに身体能力と言っても色々ありますが、肉体的な強度の問題でしょうか?」
「もちろん、それも欲しいところではあります。しかし、私はもう人に騙されたくないんです。ですので、相手の情報が読み取れる眼、考えが聴ける耳、善悪をかぎ分ける鼻が欲しいと思います。どうか頂けないでしょうか?」
俺は本当に欲しいと思うものを願った。もう人に騙されるのは懲り懲りだ。そういう能力に偏るのも無理はないだろう。
「なるほど、そういうことでしたか。それではそれらの能力に先ほどの肉体強度も加えてお付けしましょう。他にも後1つくらいならお付けできますが、どう致しましょうか?」
「これ以上欲を書くわけには参りません。これだけで十分です。ありがとうございます。」
「そうですか。ずいぶんと謙虚なのですね。わかりました。これは私からのサービスです。存分に第2の人生をお楽しみくださいね。ではいってらっしゃい。」
眩いほどの光が溢れ、視界が白一色に染まっていく、本当に転生するんだな。行くぜ!異世界!
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