進め!非常識ガールズ!

ルルザムート

第1話 非常識な冒険の幕開け part2

屋上と2階の間の階段…


遥「追いかけよう!」

桜「え…?ええーっ!?」
…なんとなく予想はしてたけど!

桜「な、なんで?」
遥「え?だって気になるじゃん、桜ちゃんは気にならないの?」
桜「確かに気になるけど…」
遥「じゃあ行こうよ!『2人』で!」
桜「!」

2人…で
桜「…うん、行こう!2人で行こう!」
遥「そうこなくっちゃ!じゃあ早速狐坂先生がどこに行ったか調べて!」
桜「うん!」


2人で…『2人で』か〜
桜「ふふふふ…」
狐坂先生は何も聞かないでくれって言ってたけどついてくるなとは言ってなかったし…仕方ないよねぇ

今のルンルン気分が顔に出ないよう気をつけつつ護衛隊長兼、相談係の白沢さんに狐坂先生の現在地を探すようメールを送る

言い忘れていたが私の家は大がつくお金持ちだ、だから学校と同じくらいの大きさの家があるし、この学校も私の父さんが建てたもものだ、だからある程度は…ワガママがきく

遥「『今は何も聞かないでくれ』…冒険の匂いが濃厚だねー!」
桜「そうだねぇ」
ハルちゃんが期待するような冒険は無いと思うけど…楽しそうだからいいか


3分も経たずに白沢さんからメールが返ってきた
流石、仕事が早いね…ええと

メール「羽田空港にて狐坂神奈さんと思われる人物を発見、狐坂さんにそっくりな小学生くらいの女児を連れてアメリカ東部行きの飛行機に乗り込んだそうです」
桜「…アメリカ東部ね」
嫌な思い出が一瞬脳裏によぎるがその事を考える前にps追伸が目に入る

メール ps「お嬢、もしかしてまた影月さんに振り回されてます?いえ、お嬢が好きで振り回されているのは知っていますが…今回ばかりは勝手が違います、外国ということもさることながら『アメリカ東部』です、まさか…行きませんよね?」

桜「白沢さん…」
ps追伸の方が長文って…
相変わらず心配性ね、とメールを打つ

遥「?」
桜「…」
今度は30秒でメールが返ってきた

メール「1ヶ月前のような事があれば心配にもなりますよ!本当に行くんですか!?」
桜「…」
うん、とだけ返してハルちゃんの方へ向き直る

遥「!もしかして…」
桜「うん、狐坂先生は羽田空港でアメリカ東部行きの飛行機に乗ったんだって…行く?」
遥「もちろん!あー、アメリカって行った事ないからワクワクするよ!」

…よし
思い出しそうな素振りは無い…うん大丈夫、何も問題ない、せっかくハルちゃんの方から誘ってくれた2人きりの時間…無駄にできるわけがない

桜「とりあえず一旦家に帰って準備しよう、パスポートとか必要でしょ」
遥「ん、そうだね…じゃあ準備できたら桜ちゃんの家に行くよ」
桜「わかった、待ってるよ」

ハルちゃんを先に帰し、私は職員室に寄って屋上の鍵を返してから家へと帰った


2012年 9月21日 13時00分
桜の家 3階 桜の自室
(アメリカ時間 9月21日 0時00分)


桜「えーと…」
パスポートに財布、替えの服にハルちゃんのお守り…このアタッシュケースも持って行こう
桜「うん、準備完了」
白沢「お嬢!」

準備が終わったのとほぼ同時に白沢さんが部屋に入ってきた
桜「…ノックくらいしてよ」
白沢「す、すみません…しかしこれをみて下さい!」
桜「?」

そう言って白沢はスマホを取り出し、画面を私に向ける
白沢「数十分前に投稿されたものです」
何か文字が書かれて…っ!これは…

桜「『俺達ギャラクシー・ウルフルズを討伐しにきた政府御用達のクソ部隊を全滅させた、お前ら政府はそこまでして死人を増やしたいのか?ならやり方を考えた方がいいと言っておくぞ』…」
それは忘れもしない『あの』ギャング集団ギャラクシー・ウルフルズのリーダー、ガルシア・クラウンがネットに投稿した書き込みだった

白沢「お嬢!やはりアメリカ東部に行くのはやめましょう!戦闘直後ということは警戒心も強くなってるはずです!狐坂さんは俺たちが探します!ですからーーー」
桜「私とハルちゃんが行くの、何度も言わせないでーーー」

白沢さんの言葉に被せて命令したが…その瞬間、白沢さんに頬を叩かれた
桜「っ…」
白沢「いい加減にしろよ!桜さんが良くても影月さんに危険が及ぶんだよ!記憶が戻ってるならともかく…もしウルフルズの誰かが影月さんを見つけたらどうなると思う!?今度こそ終わりだぞ!」
桜「っぐ…!分かってるわよ!!!」

感情に任せ、白沢さんに怒鳴る
桜「でも…2人きりの時間をハルちゃんが誘ってくれたのよ…?それを諦めろって言うの…?」
白沢「それは…」
桜「私には私から誘いに行く資格なんて無いの分かってるでしょ!?やっと来たその時間を諦めるなんてイヤよ!」

そう、諦め切れるハズが無い
桜「…全部分かってくれるとは思ってないわよ…でも分かるでしょ!あなたなら、少なくともこの気持ちは…!」
白沢「…」

白沢は少し黙り込んでいたが…やがて口を開いた
白沢「…俺も一緒に行く、2人の時間に水を指すようなことは絶対にしない、護衛隊長としてではなく友人として放っておけないぞ…」

白沢さんの真剣な表情に私は折れざるおえなかった
桜「分かったわよ…一緒に来て」
そういうと白沢は心の底から安堵したように息をつき、普段の表情へと戻った

白沢「ありがとな…いやありがとうございます、音速旅客機コンコルドの準備が出来ているので空港へ向かいましょう、影月さんも1階のエントランスで待っています」
桜「ええ…ありがと」

荷物を持ち、白沢さんと一緒にハルちゃんの待つ1階へ向かう

白沢「…先程は無礼を働き申し訳ありませんでした…クビ、でしょうか?」
桜「まさか、するわけないでしょ…あなたみたいな人を…」

私がそう言うと白沢さんはへへっと笑い、私のアタッシュケースを持ってくれた
白沢「…良かった」
桜「…自分で持つわよ」
白沢さんの手からアタッシュケースを取り返し、足早に1階へ向かった

遥「あっ、桜ちゃん!ごめん、待ったー?」
桜「う?うん、今降りてきたところだよー」
それは後から来た人が言う言葉だよハルちゃん…ふふ♪

ハルちゃんの顔を見て癒されつつ、私はハルちゃんを連れて玄関から外へ出て、白沢さんが手配したであろう車の後部座席に乗る
…なんだかハルちゃん、荷物が異様に少ないな…遠足に使うリュック1つって

運転手「あの、お荷物は…」
遥「あ、いいよ別に、自分で持つから」
桜「私も大丈夫」

アタッシュケースを持ち直して座席に座り直す
桜「ふー…」

手元のアタッシュケースとハルちゃんの顔を交互に見る
遥「〜♪」
桜「…」
私が守るんだ…どんなことがあろうとハルちゃんを…


第2話 part1へ続く



↓プロフィール…の前に
作者のルルザムートですここまで読んでくださりありがとうございます、物語の投稿ですが1つのシナリオを一気に投稿するのではなく他のシナリオ『ブラッド・トリガーライフ』や『王子の僕には変態の姉がいる』と並行して投稿して行きます
4つのシナリオそれぞれの第1話の投稿が終わり次第、第2話の投稿を始めるという形です。4つのシナリオ全てを投稿し終わった後、4つのシナリオの裏…真相編を投稿して行きたいと考えております
長文失礼いたしました、それではプロフィールに参ります


↓プロフィール

井上   桜(いのうえ さくら)
性別 女
年齢 17歳
身長 151㎝
体重 45㎏
血液型 A
髪の色 茶
目の色 黒
胸 C
武器 ???
好きなもの 影月 遥
嫌いなもの 自分、ギャング

豪邸で暮らす内気な高校2年生のお嬢様
自分を親友と呼んでくれる影月 遥に密かに恋心を抱いている
井上グループというかなり大きな組織のトップである井上 健の1人娘
学校での成績は体育を除いて全てトップ(体育の成績は2位)でいずれは井上グループ会長の座を継ぐと周りに言ってはいるが腹の底では遥さえ居れば正直どうでもいいと思っている
悩みがあると護衛隊長兼、世話係の白沢 圭一(しらさわ けいいち)によく相談をしている
キレると周りが見えなくなるらしいがそもそも本気でキレたのを見たことがあるのは白沢ただ1人なので真意は不明
1ヶ月前に遥にしてしまった『あること』に囚われ自己嫌悪になる時がある

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