進め!非常識ガールズ!

ルルザムート

第1話 非常識な冒険の幕開け part1

この物語は!どこにでもいるとは言い難い2人の女子高生のはちゃめちゃな冒険を描いた物語なのである!


2012年   9月21日 11時30分
東京 桜丘高等学校 2階 2年生の教室
(アメリカ時間 9月20日 22時30分)


遥「あ"あ"、あ"あ"あ"…」
中央列、1番後ろの席であたし…影月   遥(えいづき はるか)は声になりそうでなっている声を上げていた

眠い…眠いよぉ…
週に3回やってくるこの拷問の時間(日本史の授業)にヤツは現れる…そう、睡魔だ

遥「あ"…あ"あ"…」
つまらない授業ほど眠くなるものはない。欠片も興味のない歴史を45分間喋り続けられたら…

狐坂先生「…して…A氏か…を…という…じゃ」
遥「……あ"…」

担任兼、日本史の女先生である狐坂   神奈(こざか かんな)先生の言ってることが聞き取れなくなってきた…(まあ聞く気は最初から無いけど)こうなるともう睡魔には逆らえない

遥「zzz…」
はるかの手元(?)には戦える気力がない!

はるかは目の前が真っ暗になった!

ああ、眠りにおちていくというのはなんて気持ちのいい…このまま永遠に眠っていたい…

遥「あぐおっ!?」
だがその願いはスパーン!という音と共に打ち砕かれた

狐坂「目が覚めたか?影月」
遥「は、はひ…」
基本日本史の時間はコレのループである。
ねえ、日本史じゃなくても共感できる人いない?1人ぐらいいるよね?ね?

狐坂「もう寝るでないぞ」
遥「ふぇーい…」
こうやって起こしてもらった直後は大丈夫なのだが…

遥「zzz」スピィ
1度決壊した対睡魔の防衛砦が簡単に直るわけもなく、気がつく時はいつも…

ゴスッ!
遥「ギャッ!」
狐坂先生に出席簿の角で叩かれて起こされることになる。これがめちゃくちゃ痛い、が睡魔はその痛みをさらに上回る

ああ…今日はあと何回叩かれるんだろうか…?
遥「あうー…」
叩かれない方法…叩かれても痛くない方法…先生に気付かれず眠る方法…あ!『眠くならない方法は考えないのか?』って思ったでしょ?考えないよ、だって眠くなるから

起きてるか眠ってるかも分からなくなった頃、とうとう拷問終了のチャイムが鳴り響いた
や、やっと終わった…
今日の日直当番が号令をかけ、狐坂先生は教室を出て行った…と思いきや

狐坂「ああそうそう、急遽時間割の変更があっての、5時限目が数学から日本史へ変わったぞい」
危うく忘れるところじゃったわい、と言いながら狐坂先生は今度こそ教室の外へ出て行った

遥「」グッタリ
し…死んだ…
?「ハルちゃん、大丈夫?」
遥「んあ…」

グッタリしていた顔を上げると心配そうにあたしの顔を横から覗き込むあたしの大親友、井上   桜(いのうえ さくら)ちゃん

遥「さ、桜ちゃん…あたしは、もう…おしまいだよ…」バタッ
桜「わわわ!しっかりして!」
椅子から崩れ落ちそうになったあたしの体を支えてくれる桜ちゃん

桜「と、とりあえずお昼ご飯食べようよ!今日は狐坂先生とご飯食べる約束だし!」
遥「うん、そうだね…」

今日は狐坂先生とお昼を一緒に食べる約束をしていたんだった。いや、忘れてたわけじゃないよ、今思い出しただけ!

桜「はい、ハルちゃんのお弁当」
遥「いつもありがとう!わぁ、美味しそう!」
あまり関係ないけど学校でのあたしのお昼ご飯は桜ちゃんが作ってくれている、それも店で売っていてもおかしくないレベルの味で

桜「まだ食べちゃダメだよ、狐坂先生と一緒に屋上で食べよう」
遥「うん、屋上は…うん?」

教室を出てすぐ近くの階段に狐坂先生の後ろ姿が見える
っていうかいつ見ても長い金髪だなぁ…腰まであるし邪魔じゃないのかな?
桜「あ、もう狐坂先生鍵持ってきたんだ、私達も…ハルちゃん?」

遥「…ふふふ」
桜「…?」
無防備な先生の後ろ姿を見てあたしは面白いことを考えた

遥「脅かそう!」
桜「ええ…」
こうしてあたしと桜ちゃんは気づかれないように狐坂先生の後をつけた、これでも気配を消すのは得意だ

遥「どんな風に驚かそう…」
桜「ねえ、もしかして日本史の授業の腹いせ?」
遥「うん!」
桜「…隠す気ないんだ」呆

桜ちゃんの手を引き、狐坂先生の後ろにくっつく
よし、バレてない

狐坂「よし」
扉を開け屋上へ入る狐坂先生、それにあたし達も続く

やった…ん!?
遥「っ!」
入った直後、振り向こうとしている狐坂先生が目に入ったあたしは桜ちゃんを抱えて物陰にダイブした!

あ、あっぶな!
どうやら狐坂先生は扉の鍵をかけたらしい
遥「ふいー」←小声
桜「は、は、ハルちゃ…ん」←小声、以下略
遥「ん?うわっ、桜ちゃん顔真っ赤だよ!大丈夫!?」
桜「い、いや、気のせい、だよ?」
遥「あ、そうなの」

気のせいならいいか、そう思いつつ寝転がる狐坂先生を見る
狐坂先生「♪」
…上機嫌だなぁ

カケラほども関係ないけど人1人抱えて無音ダイブってけっこー難しいんだよね…まあかなり練習したし…え?

『それ』を見た瞬間あたしと桜ちゃんは軽く思考停止状態になった、だってーーー
遥「…マジで?」
ピコピコと動くケモ耳と…モフモフとした9本の尻尾が狐坂先生に付いていたから
黄色くてモフモフしてる…狐?

桜「ねえ…狐坂先生のアレ…本物かな?」
遥「さ、さぁ…?」
結局、驚かせるという当初の目的をさっぱり忘れていたあたしは…

遥「あの…狐坂先生?」
狐坂「!!??」びっくぅ!!!
普通に声をかけるしか無かった

雷に撃たれたように9本全ての尻尾を逆立てながら狐坂先生はゆっくりとあたし達の方へ振り向いた

狐坂「…」
遥「…」
桜「…」
や、やばい、なんて言ったらいいのか…

頭が真っ白になりかけた時、沈黙していた狐坂先生が口を開いた
狐坂「…見られたからには、話さねばならんのう」

遥&桜「!」ドキッ
話さねば…ならん?
狐坂「…結論を言おう、儂はーーー妖怪じゃ」


2012年 9月21日 11時50分
桜丘高等学校 屋上
(アメリカ時間 9月20日 22時50分)


狐坂「ーーーという訳じゃ」
桜「…」
遥「わお」

狐坂先生は私達に色んなことを話してくれた、自分が妖狐だということや人間に危害を加えたりしないこと、教師として働いているのは単純に教師になりたかったこと…

桜「つまり狐坂先生は九尾の妖狐…ということでいいんですか?」
現実味の無い事実を再確認するため、私は狐坂先生の言ったことを復唱してみた

狐坂「そういうことじゃ…怖いか?」
桜「いえ、そんなことは」
遥「あたしも怖くないーーーむしろこっちの方がいいかな〜」

そう言いつつ狐坂先生の9本の尻尾を凝視するハルちゃん
ハルちゃんはモフモフが好きなのか…覚えておこう

狐坂「そうか、ありがとう…」
遥「それよりご飯にしようよ!お腹すいたし!」
早くご飯が食べたいと全身で表現しながら私の作ったお弁当を開けるハルちゃん

遥「おお、オムレツだ!美味しそー!」
いただきますも無しにがっつくハルちゃん
ふふ、今日の料理も成功ね!なんたって隠し味は私のーーー

狐坂「こりゃ!行儀が悪いぞ、影月!」
遥「ごめんなさーい」モグモグ…
狐坂先生ったら余計なことを言って…まあいいや、私も食べよう

狐坂「さて、儂も神楽かぐらの作った握り飯を…ん?」
桜「?」

狐坂「…すまんが急用じゃ、この握り飯は2人で食しておいてくれ」
桜「え、ええ!?いきなりどうしたんですか?」
まあ私としては狐坂先生が屋上からいなくなってくれるなら好都合だから別にいいんだけど…

狐坂「戻ってきたらちゃんと話す、じゃから今は何も聞かないでおくれ、頼む」
桜「…」
特に知りたい訳でも引き止めたい訳でもない私は狐坂先生が屋上から出ていくのをただ黙って見ているだけだった

遥「ぬはー!美味しかった!あれ?狐坂先生は?」
桜「…もう、ハルちゃんったら」

その後私は狐坂先生から貰った握り飯をハルちゃんとはんぶんこして食べ、2人で教室に戻る…その途中狐坂先生の事をハルちゃん説明したがーーー

遥「追いかけよう!」

桜「え?」
私は忘れていた、思い付いたら即行動のハルちゃんの性格を


第1話 part2へ続く



↓プロフィール

影月   遥(えいづき はるか)
性別 女
年齢 17歳
身長 155㎝
体重 42㎏
血液型 O rh
髪の色 黒
目の色 黒
胸 B
武器 身体能力
好きなもの 冒険、昼寝
嫌いなもの 勉強(主に日本史)

小さな一軒家で一人暮らしをしている太陽のように明るい高校二年の女子高生
現役アスリート選手を体力勝負で打ち負かした経験があり、学校中から満場一致でスポーツ選手になったほうがいいと言われている…その反面、頭を使う国語や数学等の勉強は中学生以下という得意不得意がハッキリしすぎているのが彼女である
見た目からは想像もつかない怪力の持ち主でもあり、人1人なら余裕で投げ飛ばせる
原因は不明だがひと月前…つまり夏休み中の記憶が無い、彼女の親友 井上   桜 は何か知っているようだが…

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