『勝ったら賞金10億』ゲーム依存者がデスゲームに参加した結果。
嘘か真か
「...代償を払ったのか」
俺は独り言のように呟く。
「泣いてたわね、あの人。どういうことかしら」
望月は血まみれになった死体を見ながら言う。
「さぁ。直前になって怖くなったんじゃないかな?」
神崎は溜め息混じりで答える。まるで死んだあのGMを嘲笑っているように。
  「...それでは」
もう一人のピエロの仮面を被った女性が口を開く。
「これからフリー時間となります。長机にある物は全て自由におつかい下さい。では、フリー時間スタートとなります」
___ついに始まったか。さっきより何倍もマシなゲームができるだろう、きっと。
「三浦君はどうするの?...と言っても、誰かから誘われるのを待つわよね、きっと」
「エスパーか何かか?」
「少し考えれば分かるわよ。見た感じ三浦君、面倒事が嫌なタイプでしょう」
「すげぇ、全部当たってる...」 
こいつには全てお見通しってことか...。望月には気を付けたほうが良さそうだ。
「七海さんと凛君はどうする?誰かに誘われるのを待つ感じかな?」
神崎がニコニコと満面の笑みで聞いてくる 。この状況でこんなにニコニコと出来る奴中々居ないだろう。
「そうね...三浦君はそのつもりでしょうけど。他の人達も動くきがないみたいね」
...確かに、皆だれかが動くのを待ってるみたいだな。これじゃあゲームどころの話じゃないぞ。
「...仕方ないわね。三浦君、私とゲームをしない?神崎君もやりたければ」
「望月...良いのか?正直、自殺行為じゃないか?」
「七海さん...俺ついでみたいな感じだったけど...」
「自殺行為?それは皆同じよ。それに、三浦君にとって嬉しいことでしょ」
「そうだけど…」
もしかして望月、俺の為に...?
「ゲームを楽しみたいどっかの狂った奴の為じゃないわよ。人数を減らしたいだけ」
「ですよね」
「無視...?」
「確か最大5人までよね。丁度良いわ。カードを持ってくるから少し待っててちょうだい。その間に二人集めておいて」
そう言うと、望月は俺達の返事も待たずに行ってしまった。
「凛君...どうする?」
「俺に聞くなよ...適当にそこら辺に居るおっさん誘ってくれば良いだろ。神崎、お前得意そうだしそういうの…」
「それ凛君がやりたくないだけだよね!?押し付けって言うんだよそれ?」
「年中ニートの駄目人間の俺にあんなおっさんとの会話が務まるかよ...。苦手なんだよ...その...会話っていうの」
「なにいきなりネガティブになってるの。...そのわりには七海さんとは会話してるけど...」
こんな茶番やってる場合じゃないんだ。早く神崎に交渉をやってもらわないと...。
「良いからとりあえず神崎行ってこい。ほら、さっきの謎の女居ただろ。女落とすの得意そうだし。行ってこい」
「はぁ!?サラッととんでもない事言ったね!根に持つからな!!」
「そんな事どうでも良い!早く行かないと撃つぞ!」
「理不尽すぎない!?」
「この短時間でこんなに仲良くなれるなんて。尊敬するわ」
『あっ...』
後ろを振り返るとそこには真顔でこちらをじっと見ている望月が居た。
「で、人数は集められたのかしら」
「七海さん、ごめんね!今から集めるところだよ。ほら、凛君、行くよ!」
「は!?え、ちょ、待っ...」
「そう。じゃあ行ってらっしゃい」
望月が俺の台詞に被せてくる。
あとで覚えてろよこの野郎...。
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俺達はあの後色々ありながらも何とか二人集めることに成功した。
  一人はあのトランプという答えを言いふらした謎の女。名前は天月 亜美。人柄が良く、とても可愛らしい。
  もう一人はそこら辺にいるおっさんを捕まえた。名前は寺野 剛。いかにも金がなく、ギャンブルとかに明け暮れてそうな人だ。
「5人集まったわね。もうゲームの事はGMに言ってあるわ。それじゃあ、よろしく」
「はい。今回、この"嘘か真か"の進行役を勤めさせていただきます。GMとお呼び下さい」
GMは進行役なのか。不正とかを防ぐために...ってことか。
「それではまず最初に、嘘か真かの説明をさせて頂きます」
____ついに。ついに始まった。
楽しいデスゲームが...。
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