『勝ったら賞金10億』ゲーム依存者がデスゲームに参加した結果。

豚の人。

プロローグ


「はい、俺の勝ち。そんな初心者並みのイカサマで俺に勝てるとでも思ったのか?」

「う、嘘だ…イカサマに気付いてた…?ポーカーで俺に勝てる奴なんて…い、居るはずがないっ…」

「"ボトムディール"。1番上のカードを配っていると見せかけて、実は山札の1番下のカードを配ってたんだろ。山札の1番下にロイヤルストレートフラッシュを用意して置き、相手には山札の上からカードを、自分には、山札の下からカードを配る、だろ?」

「いつから気付いてやがった… 」

「最初からだよ。あんた、配り方をもう少し練習しといた方がいい。そんなんじゃすぐ気付かれる。…まぁ、その前に死ぬんだけどな」

俺は拳銃を手に取り、弾が六発入っているかを確認する。

「てめぇ…何者だ 」

「俺か?俺はただのゲーム依存者だよ」

「お願いだッ…どうか…命だけはっ」

銃声と微かな悲鳴が響く。目の前は言葉にすれば"血の海"。

  ゲームの世界でしか銃を扱った事がなかったから少し新鮮。
  
  それに、こういう死体も中々拝めるものではないだろう。バイオとかでは散々見たけどな。

三浦 凜みうら りん様、ポーカーでの勝利おめでとうございます。お見事でした」

「そりゃどうも」

髪を一つに束ねたメイド服姿の美人な女性が一礼をする。

「にしても、このデスゲームのルールを作った奴はいやらしい奴だな」

「……と、言いますと?」

俺はスマートフォンを取り出し、ある一つのアプリを開く。
  そこには、"デスゲームルール"と書かれている画面が開かれる。

「このルール、イカサマをしちゃいけないなんてどこにも書いてない。ただ、相手のイカサマを見抜いたら場合特殊勝利としか記載されてない…ほんと、いやらしいな」

「…ではなぜ、先程イカサマの事を黙っていたのですか?ボトムディールの事を言っていれば勝利でしたのに」

「決まってるだろ。そんな勝ち方をしてもお互い面白くないないからだよ」

俺はスマートフォンをポケットに突っ込み、溜め息混じりで答える。

「命が掛かっているのですよ?自分の命と面白さを天秤てんびんにかけるのですか?」

「デスゲームでもゲームはゲーム。違うか?」

「……面白い方ですね」

「誉め言葉として受け取っとく」



____さて、次はどんなゲームが出来るかな。

コメント

  • にせまんじゅう

    ポーカーはあんまし知らないけど主人公のクールさが好き!

    0
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