視える君と浮かぶ僕

ノベルバユーザー318316

第1話 浮遊霊の僕

 「一ノ瀬 カナです。これからよろしくお願いします。」  
  明成学園2年3組、5月のゴールデンウィーク明け、彼女は転校してきた。
  
 初めまして皆さん僕は円堂 みなと。
訳あって明成学園にとどまっている幽霊歴15年の浮遊霊です。浮遊霊といっても、僕は自分が死んでいることは知っているし、ここにいる誰かに取り憑こうとは思っていない、安全、安心の浮遊霊です。

 そう、僕は幽霊で、普通の人なら見えるはずがないのです。

 1番後ろの席になった彼女、僕はほんの少しの興味で近づいてみた、彼女の髪は綺麗な白髪、どこかの国のハーフだろうか、転校初日に告白されるなぁこれは、と、まじまじに思っていたら、彼女とバッチリ目が合ってしまった。同時に朝のホームルーム終了のチャイムが鳴った。

そして、これが僕の穏やかな幽霊ライフの終わりを知らせるチャイムだった。





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