人間界最弱がある世界を救ったそうですよ

ノベルバユーザー315989

No.6 スキル覚醒

結局その日も見つからなかった。 
本当にあるのか、わからないものに、こんなにやる必要あるのか、なんて考える。 
日本にいた時からの悪い癖だ。 
それから、オリジナルスキルが見つからないまま、5日めが来た。 
「今日こそは絶対に見つけるぞ!」 
とは言っても同じ動きの繰り返し、そろそろ飽きてきた。 
リオナは待ち合わせ場所にまで姿を見せなくなったし。 
「くそ!いつになったら、見つかるんだ」 
そんな事を思い、そこら辺に生えていた、大木に八つ当たりをした。 
軽く蹴りをかました。
ドカーン! 
「え、うそだろ…」 
大木が倒れた。 
確かにこの5日間ずっと空気を相手にやっていたから、個体に当てたのは初めてだったな。 
これが俺のスキル。 
そのあとは、色々試した。 
あの5日間やって事が全て、化け物レベルになっている。 
ジャンプは軽く50mは飛べたし、足踏みだけで地面が割れた、走ってみると馬より速かった。 
一番驚いたのは剣を振った時だ、思いっきり振ると素振りで木が真っ二つになったのだ。 
「凄いスキルを手に入れた見たいだ、さっそくリオナに報告しにいこ!」 
俺は馬よりも速く走って会いに行った。

「リオナ!リオナ聞いてよ!俺のスキルなんか凄いよ!」
 
「どんなスキルか見せてみなさい」 
全てを見せた、ジャンプも剣も全てを。 
リオナは驚きを隠せていない。 
「なんかこの5日間やってたことだけがすごくなってるんだよ」 

「きっかけはないってことね、うーん」 
リオナはしばらく考えてこう言った。 
「竜舞のオリジナルスキルは多分成長系ね、でも5日間でこんなにすごくなるとはさすがだわ、竜舞のスキルは名付けて急成長ってところね」
日本語て、高速移動もそうだけどネーミングセンスねーよな。 
「俺のオリジナルスキルは、急成長か、ってことはやればやるほど成長するんだよな?」 

「ええ、そうね、でも一つデメリットもあるわ、成長に限度はないと思うでも、他のスキルは完成してる、でも急成長は貴方が何もしなければ強くはなれないって事よ」 
そーか、努力をして強くなれって事か。 
「でも竜舞!努力すれば最強になれるかもしれないわ!」 
リオナは最高に嬉しそうな顔をしてこっちを見てくる。 
最高に可愛い、眩しすぎる。 
「じゃー明日はダンジョンに行くわよ」 
待ちに待ったダンジョンに行けるって思うと嬉しくなった。 
「異世界っぽい事きたーーー!」 
この前と同じポーズをとってやっていた。 
「じゃーまた明日、いつもの場所で待ち合わせね、遅れたら承知しないわよ」 

「ああ、任せてくれ」 
リオナと別れた。 
明日のダンジョンが待ち遠しくて仕方ない。 
俺の勇者になる為の第一歩になるだろう。

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