人間界最弱がある世界を救ったそうですよ

ノベルバユーザー315989

No.5 オリジナルスキル

「くぁああ、今日は起きれたな」 
朝日が眩しくて気持ちいい、日本にいた時はこんな気持ちになれなかったからな 。 
髪型を整え、着なれない防具と剣を持ってリオナとの待ち合わせ場所へ向かった。 
待ち合わせの場所にリオナはまだ来てない。 
「リオナ昨日相当疲れてたからな、しょうがないだろ」  
と一人つぶやき木陰に座った。 

〜30分後〜 
「すまない、待たせてしまった、本当にすまない」 
リオナが焦った顔でこっちを見つめる。
許せないわけがないだろ。 
「大丈夫だよ、リオナ昨日は相当疲れてたもんな、仕方ないよ」 
 
「竜舞は人が良すぎるんだ、そーゆとこがだめなんだ……でもありがと…」 
リオナの顔が赤くなっている。 
そんな顔をみて俺も赤くなっているだろう。
「さーて、初のモンスター退治でも行きますか?」 

「だめだ、まだ確かめることが沢山あるんだ」 
即答で却下された。 
「他に何を確かめるって言うんだよ」 
 
「オリジナルスキルだ」 
俺は嬉しくてにやけた。 
「異世界っぽいのきたーー!」 
両方の腕を高く上げ叫んだ。 
「オリジナルスキルとは、人が生まれながら持ったスキルの事だ、そして人それぞれ違うスキルを持つ、つまり十人十色だ、私の場合はあの時見せた高速移動だ」 
なんだよ、あの時見せた高速移動はスキルだったのか、ずるいなリオナは。 
「じゃー俺のオリジナルスキルはなんなんだ?」 

「それはわからん、だから今日は一日中自分で、オリジナルスキルを見つけてもらう」 

「無理言うなよ!当てずっぽで当たんのかよ!」 

「以外と当たるものよ、私の高速移動は小さい頃に、馬車を追いかけていたら、凄く動きが速くなったのよ」 
どんな遊びをしてやがんだ。 
「しょうがない、やってみるしかないみたいだな」 
リオナはにっこりした。 
「じゃー私は、帰るわね、明日までにはオリジナルスキルを見つける事、そして見事見つけられたら明日はダンジョンに連れて行ってあげるわ!頑張って勇者さーま」
リオナは颯爽に帰っていく。 
こんな時だけ、勇者様ってこの前はこいつ呼ばわりだったくせによ。 
リオナは絶対ドSだ。 
リオナめ絶対見つけてやるからな。 
俺は必死に動き続けた、ジャンプしたり、走ったり、足踏みしたり、剣を振ったり。 
そうしてるうちに、あたりはすっかり夜になっていた。 
なにも食べずに、一日中動き続けたからな。 
「あぁ〜もうだめ、動けない」 
そー言って腰を下ろした。 
そもそも俺にオリジナルスキルはあんのかよ、なんて考えたりもした。 
けど期待されるのは、初めてだったから頑張ろうって思えた。 
「今日は帰ろう」 
そして、宿屋に入り部屋へ戻った。 
リオナに明日なんて言い訳しようか、そう考えながら眠りについた。 
 
〜翌日〜 
今日は待ち合わせ場所にリオナはいた。 
「オリジナルスキルは発見できたんでしょうね?」  
昨日一晩中言い訳を考えたが見つからずに、本当の事を話す事に決めた。 
「ごめん、リオナ見つからなかった」 
リオナは、怒るそぶりも見せずに言った。 
「じゃ今日もオリジナルスキルを見つけるために頑張ってね、オリジナルスキルが見つかるまでは、ダンジョンには行かないから」 
俺は泣きそうになった。 
「そ、そんなぁ〜、んーやってみるよ」 
リオナはまた帰って行った。 
俺はまた昨日と同じ動作を繰り返し行なっている。 
昨日のデジャブを見ているかのようだった。

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