人間界最弱がある世界を救ったそうですよ

ノベルバユーザー315989

No.2 決闘

「それでは決まりだな、では始まりの合図は、このコインが落ちた時だ。それではいくぞ!」 

リオナはコインを宙高く舞い上げ、颯爽にこちらをにらみつけてくる。  
チャリーン、その瞬間目の前に居たはずのリオナがいない。 

「消えた、魔法を使うなんて卑怯だぞ!リオナ!」 

「魔法?そんな卑怯な真似するものか、私は高速で動いてるだけだ、それを勇者様が目で追えていないだけの話だろ」 

「そんなのありかよ、俺は目だけは良かったのに、そこも自信無くなっちまうじゃねーか」 

「目で追えなければ、勇者様であっても、一発も入れられないでしょーね」 
目には見えないが満面の笑みで笑っているのが、わかる。 
さてはリオナ、ドSだな。 
 ってか、この状況やばいくね、やばいよな。 
リオナの思うツボになってるぞ。 
どーする?残り五分だ.....。
いや待てよ、さっきよりリオナの動きが見えるような気がするぞ。  
俺の目が慣れたのか、リオナが疲れたのか、はたまたその両方だな。 
よし決めた、この作戦でいく。  

〜残り5秒〜 
カウントダウンがされていく。 
「5〜4〜3〜2〜い」 

「痛っ!!」 
なんとそこに倒れていたのはリオナだった。 
「勇者様どーやって、見えないはずの高速移動を見破ったのよ!」 

「残り五分で気づいたんだ、リオナの動きが少しづつ見えてきてるって事に、これは多分俺の目が慣れたのと、リオナの体力の消耗のおかげだと俺は思った。だから最後の1秒まで、ある程度リオナの動きを観察して、予測を立てて殴ったんだ。まぁーでもその時は、ほとんどリオナの動きは見えていたがな」 

「そ、そんな」  
リオナは唖然としていた。 
だかその顔も可愛いのは確かだ。 

「で?リオナ俺の何を試したかったの?」 
リオナはまたまた驚いた顔をした。 
「そこにも気づいてたのね、流石勇者様、勇者としての素質を見ていたのよ。勇者様貴方は見事合格です!」

「ほ、ほんとーか!?よかった…」 
自然と涙が出てきた。 
初めて認められたからだろう。 
「今日はゆっくり休むといい、勇者様」 

「ありがとう、でも勇者様じゃなくて竜舞って呼んでくれたら嬉しいな」 

「わ、わかった!面と向かって言われると恥ずかしいだろーが!とりあえず今日は休め、明日は王都に出かけるから早く起きるのだぞ!」 

「異世界来てまで早起きかよ、わかったまた明日な」 
俺はいつもと違う清々しい気持ちで、宿屋に帰る。 
「明日から、人生リスタートだ!」 
と叫んだ。

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