HERO KILLER

ノベルバユーザー316750

ロリキャラはもういい

とりあえず宮島にねぎらいの言葉を残した清水は、約束があるため彼女がいる部屋の扉を叩いた。
「白川、来たぞ」
「はいは~い、入ってどうぞ~」
何かと気が抜けた声を聞きながら扉を開ける。するとそこには数多くの液晶画面とその中心にいる見た目小学三年生のポテチを食べてる少女がいた。彼女の名は白川聖楽。この部隊を率いるリーダーで、清水達に指令を送っている。その上、武器などの調節や改造なども行っている、お母さん的存在である。
「いや~今回もお疲れ~、しーくん。どうだった、今回は」
「別に、本気出す相手ではなかった。後俺の名はきよみずだ」
「ハハハ~。相変わらずだね、君は」
「そんなことより早く頼んだもん早く出せ。出来てんだろ」
「はいはい。ちょっと待ってて~」
「おい、その前にちゃんと手を洗え」
そんな彼の忠告を聞いたのか聞いてないのか分からないが白川は山積みの机の上を荒らし、一枚の紙を取り出した。
「はいこれ。今日しーくんが言った世界でのエネルギー分析表」
「おい、だから手を洗えって言っただろうが───」
白川が触れた所を避けながらその紙を見る。すると彼はあることに気付いた。
「・・・なあ、これって───」
「そう、通常ならもし転移者がいたらそのエネルギー数値は極端に上がる。ましてや、二人いるとならね。でも、これだと最初から最後ギリギリまで一人の数値になっている。おかしいと思わない?」
「まあな、それよりもどうしてお前は二人いると気付いたんだ?」
「企業秘密  」
「そうですか・・・」
「あと、気になって測定器の点検もしたけど何も変化もない。と言うことは───」
「誰かが外から妨害しているってことか?」
「そゆこと。測定器を妨害できる機械を持っているか、もしくはそういう『奇跡』を持っているかの二つだろうけど」
彼らがいる世界では一人一人に『奇跡』と呼ばれている能力がある。例えば相手の命を吸ってパワーアップする能力や触れた物を爆弾に変える能力等がある。しかし、その能力は悪用されては困るため法律で自動車のように免許を持ってないと使えないようになっている。
「能力だったならかなり面倒くさいな。探すのに時間がかかる」
「そうね、とりあえずデータなどの書類は上に出しておいたからきっと動くはずよ」
「そうか、助かる」
「どういたしまして」
そう言って出口に歩き出す清水。
「ん?もう行っちゃうの?ポテチ上げるけど」
「これ以上ここにいると宮島が何をするか分かんないからな。遠慮しとくよ」
「まぁそうだね~。明日しーくんの机にラムネ味のポテチ上げるから」
「・・・なんだよそれ、絶対不味いやつじゃん」
「全く、ノリの悪い奴め」
「はいはいすいませんでした。それじゃあじゃあな」
「バイバ~イ」
軽く手を振りながら扉を閉める清水。するとその部屋の中には誰もいなくなった。

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