不幸な超能力者が異世界に来た場合、どうすればいいですか?

もか

1話 勉強が嫌なので旅行に行ってみた

「えっと……ここは…」



車で7時間半。

琴子ことこが両親に連れてこられたのは、温泉旅館だった。



「お、お母さん…?」

「ん?」

「私、温泉に行くなんて聞いてないけど…」

「言ってないもの。」

いや、言って!?





チェックインを済ませ、部屋に行く。

部屋は、いかにも【和】という感じがする。

そこで、一枚の紙が目に止まった。



「…癒し効果のある露天風呂……?」



琴子は極力『癒し』という言葉に弱い。

まだ10代という若さにも関わらず、肩がこりやすいからだ。

まぁ、せっかくの温泉だし?
これは、入るしかないよね〜?

舌なめずりをして、お母さんに「お風呂行ってくる」と言って露天風呂に直行する。

更衣室に入ると、荷物を入れるためのかごは全てからだった。

ラッキー!

思わずガッツポーズをして、体を洗い始める。



「…ん?」



露天風呂に入ろうとすると、壁に貼られてる張り紙に目が止まる。



「お風呂に浮いているものは、癒し効果のある花です…」



風呂の上を見てみると、確かに細かい花が散りばめられていた。

なるほど、これね。

そのまま風呂に入ると、一気に解放感を感じた。

そして、そのまま目を閉じた。

これが、新しい人生の始まりとも知らずに。


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