異世界転移した代償に生殖器を失った俺がツンデレ女と旅に出る。

I.G

二十五話 モンスター討伐2

村の雰囲気は落ち着いているよう
だった。
それはとてもモンスターに襲われてい
る状況とは思えないほどに。
ただある店を除いて。
その店には肉や野菜、魚、主にこの
村周辺で採れた食材を売っていた。
しかし、その売られている食材は
とても少なく、木材で頑丈に作られた
壁や柱のいたるところにまるで石でも
投げられたかのように多くの傷が
付いている。
とても営業できているようには思えな
い。
零次はその店に恐らくモンスターが
襲ってきたのだろうと推測し、
話を聞くことにした。


「すみません。少し話を伺いたいんで
すが……」


「え? ああ、あんたがこの村に来た
冒険者かい? あんた達があのモンス
ターを倒してくれるだろ?」


今にも壊れそうな店の中から顔を
出したのは四十歳くらいの女性だった。


「はい。そこでそのモンスターにいろ
いろ知りたくて今聞き込みをしてるん
ですが、何かそのモンスターの特徴と
か知りませんか? 名前だけでもいいん
ですけど。」


「名前はナノモンキーって言ってたっ
けね。茶色い毛で大きさは人間と同じ
くらいかね……いや、もう少し大きい
か。普段は大人しい動物だよ。
見かける事もほとんど無いし、見かけ
ても直ぐに逃げちゃうんだ。」


「大人しいモンスターなんですか?
そのナノモンキーというのは。
じゃあどうしてこの村を襲うんです?」


「そんなのあたしが知りたいよ!
あいつらのせいで私の店はこの有
様さ。これじゃあ、商売もろくにでき
やしない。」


怒り口調になる店主に零次は驚に体が
ビクッと反応する。


「そ、それでどうしてこの店だけ
こんなに被害がでているんですか?」


「そんなの食料目当てだからに
決まってるよ。この村にはあと
二件食材を売る店があるけど、
みーんなうちみたいに襲われて
こんな状態だよ。
もっとそのモンスターを知りたいんだ
ったそっちにも聞きに行ってみれば
いいさ。」


情報が多ければ多いほどそれを解決
するための方法を模索する材料も
増える。何事も準備は怠ってはならな
い。ならば、そちらに行って聞き込みを
するのは妥当な判断かと、
零次は店主にお礼を言って店をあとに
した。
その去り際に
いち早くそのモンスターを倒してくれと
店主にお願いされた。




聞き込みをを終え、零次が手に入れた
情報は主に以下の通りだった。

モンスターの名前はナノモンキー。
茶色い毛で覆われ、人間よりも大きい
巨体で群れをなす。
主におとなしく、かつ臆病な動物で
人と出くわすと直ぐに逃げてしまう。
だが、大木のような太い腕は自分の
体と同じ大きさの石を持ち上げるほど
強力。
岩で覆われた鉱山などに住み着く。
そして知り得た情報の中で最も危険視
すべきだったのは
群れのボスは魔法を使うということ
だった。
通常この世界で魔法を人間のみであるが
稀にそれらを使いこなせるモンスターが
いるという。
その一つがナノモンキーだった。
そのボスがどんな魔法を使うのは
はっきりしなかったが、重要視すべき
だろうと、村で手に入れた紙とペンで
記していく。


「そういえば、レビィさんに何も言わ
ずに出ちゃったし、そろそろ戻るか。」


零次はペンと紙をマントの間にはさみ、
マルナの家に走って行った。

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