異世界転移した代償に生殖器を失った俺がツンデレ女と旅に出る。

I.G

十一話 バトル


レビィの問答無用の命令に零次はアンナ
をもう一度確認すると、おとなしく
レビィのそばに歩み寄っていった。


「ひどいよー。二人して、まるで私を
悪者みたいな目で見てんなんて。」


「いいから早く消えて!
どうせ私が何かを聞いたって答えてくれ
ないんでしょ?」


「まぁ…。仕方がないと言うか何と
言いますか。でも今回はレビィに危害を
加えるために来たわけじゃないんだ。」


「なら何の為にわざわざ私の前に現れた
のよ。」


「それには回答できないよ。」


その返答にレビィの堪忍袋の緒が切れ
た。


「ならさっさとここからっ」


立ち去れ! そう操作魔法を使おうとし
たレビィの言葉が止まった。


「それじゃレビィに操作魔法で動きを
封じられても困るから、私も行動に移
ろっかな。」


ガタガタッと周りの本棚が揺れ始め、
本棚から揺れ落ちた本が何冊もバサバサ
と床に落ち始める。


「えっ!? じ、地震!?」


この現象が未だ自然現象だと思っている
零次とは対象にレビィはアンナが魔法を
発動させたのだと理解した。


「ここじゃやりにくいよね。外に行こう
か。零次君?」


え? 俺? 今俺に言ったの?


「浮遊魔法よ我に力を!」


今のは詠唱? ってことはアンナさんが
本棚を揺らしてるのか!?


ようやくこれが魔法だと認識できたにも
関わらず零次の体に異変が起きた。


「うあ!!! か、体が空に、浮いて
る!?」


体重50.1キロの体は軽々とは宙に浮き、
そのまま窓ガラスをぶち破って外に放り
投げ出された。


「零次っ!」


レビィが彼の名前を呼んだのはもうす
でにその後だった。


「お前っ! …っ待ちなさい!」


レビィはアンナを威嚇する。
しかしアンナはレビィには目もくれず、
すぐさま外に飛び出した。



「おい! 大丈夫か?」


周りがざわめいてる。そうだ、俺外に
飛ばされたんだ。いてっ、ガラスの破
片が刺さってる……。


「さぁ零次君。今から私は君を殺そうと
します。君はどうしますか?」
 

いつの間にか再び横にいるアンナを見て、
零次は飛びかける意識の中必死に言う。


「そ、そんなの…、生きようとするに
決まってるじゃないですか。あなたは
一体何者なんです!?
レビィさんのあんな表情見たことない!
彼女に何をしようとしてるんです
か!?」


「殺そうとしてる。」


言った。彼女は迷いなく。即答だった。


「は、はあ?殺す? 殺すって…。
ど、どうして!?
レビィさんがあなたに何を したって
言うんですか!?」


「さっきもレビィは言ったけど、私は何
も答えないよ。」


無茶苦茶だ。意味が分からない。どうか
してる。この人は…。


零次とアンナが言い合っているうちに、
レビィが到着した。レビィは零次の傷を
確認するとすぐに、治癒魔法を使った。


「レビィさん……。この人は一体…。」


「黙りなさい。いいの、貴方は何も
知らなくて。」


「で、でも…。」


レビィが零次に肩を貸し、起き上がらせ
る。そのやり取りをアンナは黙って見て
いた。


「治療は済んだ?
それじゃ続きいくから
どうにかして生きてみてね?」


微笑みながらそう言うとアンナは近くの
武器屋に並べてあった、大きめな剣を魔
法で浮かせようとする。


どうしてレビィさんは操作魔法を使わな
いんだ?
こんな敵、命令したらあっさり
倒せそうなのに。……そうか、この街で
戦闘系魔法は禁止なのか。しかも今周り 
に人が沢山いるから、こんな所で使える
わけがない。でもこのままじゃ俺も
レビィさんも一緒に死んでしまうかもし 
れない。ならもう


「浮遊魔法よ我に力を!
いくよ。気をつけてね?」


大きな剣が鉄砲弾のように飛んでくる。
イメージ、イメージだ。鉄の臭い。触り
心地。色。食料の動物もレビィさんが 
持ってたナイフを貸してもらって切った。
大丈夫。あと時触ってるんだ、失敗する
わけがない。


零次は剣を両手を前に出して防ぐような
体制をとり、魔法を使った。
結果は五分五分だった。零次は剣の七割
を消滅させた。しかし、残りの三割は
レビィの方に向かって飛んでいこうとし
た。


「ぐはっ…。」


その剣の破片を食らったのはレビィでは
なく零次だった。魔法を使い、失敗した
と感覚で理解した零次は瞬時にレビィの
盾になったのだった。


「零次!!」


倒れ込む零次をレビィは抱きかかえ、
すぐさま治癒魔法を使った。


「へ〜。なるほど、消滅魔法か。いい
もの
見つけたんだねレビィ?」


「……」


レビィからの返事はない。零次の治癒
をするのに必死だった。


「それじゃ私は目的も達成したことだし、
戻りますかね。」


アンナはぐっと体を伸ばすと謎の機械を
取り出した。


「……アンナさん…。」


微かな声がアンナの耳に届く。
え?と振り返ると今にも力尽きそうな
零次が自分に向かって何かを言っている
のに気がついた。


「何?」


「…どう…てレビィ…んを殺そうと…する
…んですか…?」


今にも消えてしまいそうなその声は確
かにアンナに届く。その時、アンナの体
が一瞬光るとアンナの体がみるみる薄く
なっていく。


「もう行かなきゃ。ひどい目に合わせちゃっ
てなんかごめんね?お詫びと言ったら
なんだけと一ついい事を教えてあげる。」


そして、アンナが消える瞬間彼女はこう
言ったのだった。




「君はその女に騙されてる」  と。

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