転生鍛冶師は剣を打つ

夜月空羽

第二十九話 新しい家

無事にエルフ達を助け、形だけの奴隷として一緒に都市に帰ってきた。そして俺の隣にはレギュレーンで買った奴隷である牛人キャトルのシュティアが寝息を立てながら寝ている。
同じベッドで……………。
………………………ふむ、立派なおっぱいだ。
薄着の上からでもよくわかるシュティアの立派な魔乳。大きさはもちろんのこと形もいい。まさに巨乳好きの浪漫が詰め込まれたおっぱいだ。
いや、そうじゃなくてどうしてシュティアが俺と同じベッドで寝てるんだ? 昨日俺は一人で寝たつもりなのだが寝惚けてここまで来たのか?
まぁ朝から目の保養ができていいけど………………。
「うぅん……………」
…………………ゴクリ。
動くおっぱいに思わず生唾を飲み込んでしまう。
ちょっとぐらいなら触ってもいいよね? うん、というよりもこんなお宝を前にして我慢なんて無理。それに俺のベッドに潜り込んできたシュティアが悪い。
シュティアを起こさない様にそっと手を伸ばしてその立派なおっぱいに触れる。
その瞬間、目を覚ましたシュティアと目が合った。
「………………………………」
「………………………………」
おっぱいに触れるギリギリのところで目を覚ましたシュティアと見つめ合いながら無言になるとシュティアは視線を下に向ける。
自分の胸に触れようとしているその瞬間を見て顔を赤くするシュティアはそっと目を閉じた。
「…………………すーすー」
そしてわざとらしく寝息を立てる。
これはあれか? 私は寝ていますから触っても気付きません、と露骨にアピールしているのか?
そう思った俺はシュティアのおっぱいに触れる。
おおっ! 柔らかい…………それに凄い弾力。指がおっぱいに沈むと思えば沈んだ指を跳ね返すような弾力。これが女性のおっぱい。生まれて初めてこの手で女性のおっぱいに触った。
凄い……………としか言えない。というか手が離れない。それどころか手が、指が無意識に動いてしまう! それは俺が童貞だからか!? それともこれが魔乳の魅了の力なのか!?
恐るべし魔乳!! 男の釘付けにし、魅了に魔のおっぱい!!
「ん…………」
シュティアの口から漏れる甘い声。それが俺の理性をガリガリと削り、獣の本能が解き放たれようとしている。朝の生理現象もあって俺の息子は既に臨戦態勢。
やばい。そろそろ手を離さないと俺の理性がやばい! だけど手が離れない! 
このままじゃ俺は朝からビースト化してしまう!!
どうやってシュティアのおっぱいから手を離そうか思考を働かせていると、シュティアの手が俺の息子に向かって伸びていく。
まさか!? アレか!? 奴隷としての朝のお勤め!? 主人の性欲を発散させようとしてくれるのか!? 獣人だからおっぱい揉まれて発情してしまったのか!?
朝のお勤めと同時に俺、童貞卒業!?
いやもしかしてシュティアは初めからそのつもりで俺のベッドに潜り込んできたのか!?
いやそりゃシュティアは奴隷で俺も下心ありありで買ったからそういうつもりで買われたと思われても仕方がないけどまさかシュティアからとは予想外もいいところだ。
俺の初めての相手はシュティア? ………………全然アリだな。
その魔乳を存分に堪能するのもやぶさかでは――――――
「朝からこれ以上の不埒な行いは流石に看破できませんが?」
ない。と思った時に声が聞こえて俺とシュティアは同時に勢いよく起き上がって声がする方を見るとセシリアが冷ややかな視線と共に呆れたように息を吐いていた。
「おはようございます。そろそろ朝食の時間なので起こしに参りましたが、このことはジャンヌさんに報告しても?」
「斬られますので勘弁してください」
「シュティアさんも何故主人と同じベッドに?」
「えっと、夜中に寝惚けて……………つい」
俺達の言い分に深い溜息を吐く。
「ともかくある程度は目を瞑りますが私がここで働く以上は不潔な真似は許しません。そのおつもりでお願いします」
「「はい」」
俺とシュティアは首を縦に振る。
「朝食の用意はできていますので早く着替えてください。それでは失礼します」
そう言って部屋から出ていくセシリア。俺とシュティアは顔を見合わせて頷く。
「この事はなかったということに」
「賛成。私も部屋に戻って着替えてくるね」
さっきのことは互いになかったことにしてシュティアも部屋から出ていく。俺は部屋の窓を開けてベランダに出ると朝の冷たい風と共に新しい風景を目に焼き付ける。
「今日も一日頑張りますか」
朝日を眺めて俺は着替えて部屋を出て、朝食を済ましてジャンヌと共に学院に向かう。
エルフ達を助けてから俺達は寮を出て学院近くにある貴族が住むような屋敷に住んでいる。
これも全部、リリス様のおかげです。
寮の部屋にエルフ達も入れて生活すると流石に窮屈なのでどこかの宿などに住む案を出したところ、リリスが父親、魔王に頼んでこの屋敷を買い取ってもらった。家具一式込みで。
リリス曰くエルフ達が目の届くところにいて貰った方がいいらしい。だから一緒に生活する方が都合がいいと話していたけど実際のところは俺にもわからん。
ともかく寮からこの屋敷に引っ越してこの屋敷の主人を俺としてエルフ達は給仕をすることになった。もっと自由にしてもいいって言ったけどエルフ達が一向に恩を返す為に働くと言って聞かなかった為にそうして貰った。
そして俺は少しだけリリスの魔法道具で魔王とリリスの弟達と話した。
魔王から。
『覚悟しておけ』
弟達から。
『覚えていろ』
怒気と殺意が込められた言葉だけを残して通信を切った。
俺、魔族領に赴く時は死を覚悟しないといけない。下手をすれば魔王と戦う破目になる。
万が一にそうならない為にも強くならないといけない。
スキルを使いこなせる身体ともっと強力な武器を打って魔族領に攻め込む覚悟で行こう。
そして魔王を倒して俺が新たな魔王になる。…………ことはしないけど可能ならリリスを俺の嫁に貰えるか直談判はしてみよう。
俺もいつかは嫁が欲しいし。
「呆けていると怪我をするわよ?」
「っと、悪い」
前回の悪魔の一件もあって鍛冶の時間を少し減らして騎士としての鍛錬に参加している俺はジャンヌに注意されつつも木剣で攻撃を防ぐ。
「ところで貴方は決めたの?」
「何を?」
「一週間後の試験。四人のパーティーを組んでの参加よ? メンバーは決めたの?」
「全然。何故か俺に声をかけてくる人少ないし」
「それは自業自得。今までの貴方がしてきた行いを思い出しなさい」
木剣を交えながらそんな話をする俺達。
「そういうジャンヌはどうなんだ? できれば俺と組んで欲しいけど」
「勿論そのつもりよ。貴方を一人にしておくと何をするかわからないもの」
「酷いな…………」
それじゃもう一人はテイクでも誘ってみるとするか。
「ほいっと」
「あ」
ジャンヌの木剣を弾いて模擬戦を終わらせる。
「俺の勝ち」
「う~~~~~~もう一度よ!!」
「はいはい」
負けず嫌いを発揮するジャンヌの我儘に俺は苦笑しながらも付き合う。
テイクを誘えたとしても後一人は誰にするか………………………。


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