東方消想録

如月大河

地霊殿の絆 中編

昼食の後、俺はさとりさんと一対一の会話をすることにした。なぜだかそうするべきだと思った。
「さとりさん?居ますか?」
俺はさとりさんの部屋、と言うよりは執務室の前に来て、ドアをノックした。だがドアの向こうからは返事は返って来ない。どうやら居ない様だ。仕方ない。また今度出直そう。と俺が魔理沙たちと帰ろうとする。
「・・・・・・部屋は空いています。どうぞ。」
突然、後ろからさとりさんに声を掛けられた。心を読んだみたいで俺を部屋に案内する。何回されても馴れない。

「・・・・・・で、私と話がしたいのですよね。」
「・・・・・・はい。もっとさとりさんの事を知っておいた方が良いと思って。」
早めに幻想郷の人たちの事を知っておいた方が良いと思っている。何か自分の記憶を思い出せるかもしれないからだ。
「・・・・・・わかりました。嘘はついていない様なので。何が聞きたいのですか?」
「まず、地霊殿の住民の事です。何か動物?が人になった様な・・・。彼女たちは何ですか?」
「彼女たちは私のペットです。可愛い子たちです。」
「ペ、ペット?」
何とも悪趣味な。人間をペットに・・・。あれ?人間だっけ?
「・・・・・・この質問は終わりましょう。1つだけ、私からお願いがあります。私たちと弾幕勝負をして欲しいのです。」
「えっ!は?」
俺はそのお願いに驚いた。普通ならこうなるはずだ。だって俺は弾幕なんて出せない。そんな俺にこんな事を頼むのは、どう考えてもおかしい。
「私は貴方が能力を持っていると考えています。それを見てみたいです。」
「の、能力?」
大河からも同じような事を言われたが、・・・・・・いやでも、それだったら何かしら気付くはずだ。
「貴方の疑問は最もです。ですが見えなくとも力は働いている事もあります。」
確かにそうだ。力は必ずしも見える訳ではない。まだ自分が力に気付いていないだけかもしれない。それはそうとさとりさんはどうやって俺の力を見るのだろう。見えなくては見る事も出来ないはずだ。
「その点は大丈夫です。力が見えなくとも、何かしらは変化するはずです。それにもう1つ、別の仮説ですが、まだ完全に能力が開花していない可能性もあります。」
成る程。それなら今まで能力に気付かなかったのも説明がつく。
「そう言うことです。付き合って貰えますね?」
「まあ、それだったら。」
「決まりですね。じゃあ弾幕勝負は私とこいし、お空とお燐で行きます。」
「え、ちょ、待ってください。一対四は酷くないですか。」
「誰が一人と言いましたか。あの三人と組んでください。」
三人・・・・・・。魔理沙に大河、妖夢さんか。あの二人なら大丈夫だな。・・・・・・魔理沙は、うん。まあ。
「準備が出来ましたら呼びますので、もう少し待っていてください。」
「わかりました。また後で。」



  

コメント

  • 如月大河

    ども。お久しぶりです。大河です。皆さんGWは楽しめましたか?僕は例大祭に行ってきました!凄い人でしたね!楽しめました!これから更新して行くので気長にお待ちください!

    0
コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品