東方消想録

如月大河

白玉楼

「何で魔理沙まで付いて来るんだよ。」
俺は妖夢さんと共に白玉楼に行くことになって、今向かっている。何故か如月さんだけではなく、魔理沙まで付いて来た。いや。まだ如月さんだったら俺を案内する意味で妖夢さんを手伝っているんだから分かるのよ。だか、魔理沙が来る意味は本当に分からない。
「そんなの暇だからに決まってるだろ。」
「本当、珍しいですね。魔理沙さんがこんな事に興味を持つなんて。」
うん?待った。何かこのやり取り博麗神社で見たぞ。俺は若干のデジャヴを感じつつ、二人の会話を聞く。
「だってよぉ。最近なーんも面白い事が無いからつまんないんだぜ。」
「平和で良いじゃないですか。逆に異変だらけだったら大変ですよ。」
「妖夢の言う通りだ。その点、僕たちは幸せだ。この幻想郷に産まれたからね。」 
「・・・・・・俺もこの中に入れるのか?」
俺は不安なった。俺は外の人間だ。この少女たちの笑いの輪に入れるのか。
「何言っているんだよ。お前はもうこの中に入ってるだろ。」
「へっ?」
俺は魔理沙の意外な一言に驚いた。
「だってよ、お前は私達と話をした。その時点で私達の中に入ってるだろ。少なくとも私は、来斗も仲間だと思ってるぜ。」
その言葉は俺にとって自分が認められたと認識されている事を感じた。俺はそれがとても嬉かった。
「・・・・・・ありがとう。認められてるんだな。俺って。」
「それだけ信頼しているんだ。魔理沙も。勿論、僕もだ。・・・・・・裏切らないでね。」
「・・・・・・はい。」
「それと、僕に敬語は不要だよ。大河でいい。」
「は、はい。いや、分かった。大河。」
と、道中そんな会話をした。そのうちに白玉楼を通り過ぎていたことに気づいたのは、それから一時間後だった。

「あはは。災難だったわね。妖夢ちゃんたちも。」
「本当ですよ。私がもっとしっかりしていれば。」
俺たちはあの後、魔理沙が道に迷ってしまい、気づいてからさらに一時間掛かった。そして今、白玉楼に着いて幽々子さんに出迎えられて休んでいる。
「悪い。私が迷ったから・・・・・・。」
「誰にだってあることだ。気にするなって。」
落ち込んでいる魔理沙に、俺はそう励ました。
「そうだよ。僕だってもっとしっかりしていれば良かった。それにくよくよしているなんて魔理沙らしくない。」
「来斗、大河・・・・・・。そうだな。そうだよな。こんなの私らしくないな。」
どうやら元気になった様だ。良かった。
「じゃあ、私とお話しましょうか。私に話があって来たのでしょう?」
「あっ。はい。」
幽々子さんが話題を作って、俺はそれに乗った。
「さて、先ずは貴方の名前を聞かせて貰おうかしら?」
「はい。俺は来島来斗です。あの、此処って何なんですか?凄い気持ち悪いんですが。」
そう。此処は何がおかしい。少し前から妙な浮遊感がするのだ。それに、幽々子さんも何か変だ。人間ではない?そんな印象を持った。
「まあ、人間ならよくある事なんだけど、此処は霊界よ。貴方が気持ち悪いのは此処に住んでいる霊たちが貴方に取り付いているからよ。」
は?取り付いている?・・・・・・ははっ。笑えねぇ。
「・・・・・・それって、大丈夫ですか?下手したら俺死ぬんじゃ・・・・・・。」
「その点は大丈夫よ。ここに居る霊は悪い霊じゃないわ。ただじゃれ合っているだけよ。」
「な、なら良いですが。それと幽々子さんって何者何ですか?ただの人間では無さそうですし。」
「私?私も幽霊よ。元は人間だったけど。」
ゆ、幽霊・・・・・・。俺はなんて所に来てしまったんだ。そして俺たちは長時間に渡り雑談を繰り広げた。結局、俺たちは白玉楼に泊まる事になり、キノコ料理とは比べ物にならない、妖夢さんの料理を食べて、寝た。

コメント

  • 如月大河

    何か自分でこの作品を読んでみたんですが、凄いミスしてましたね。スミマセン。(あれ?前回言ったっけ?)後一話で、十話になります。いつも見てくれてありがとー!(*^^*)これからもよろしくお願いします!

    0
コメントを書く

「ファンタジー」の人気作品

書籍化作品