〜チートでハーレムなもふもふスローライフ〜

ひなた

5話:次はどこへ

ブータはそそくさと帰っていった。

「ひーちゃん…」

僕は怒られるのだと理解した。
しょうがない事だと。

「凄いわ!こんなにハキハキ話せるなんて!さすが私の自慢の次男よ!!」

僕はびっくりした。
怒られると思っていたのが、逆に褒められるなんて…。

「よくやったね、ヒイロ。」

兄さんも褒めてくれた。

「兄さん…。母さん…。
なぜ僕のことを怒らないのですか?
相手を陥れるようなことをしたのに…。」

僕がこう言うと…母さんは…

「何言ってるの?怒るわけないじゃないの。
さっきのトーン家はね、悪事や下劣なことを今までたくさんしてきた悪い貴族なのよ。
少し懲らしめてやりなさい、と国王からも言われてたからいい機会だったのよ。」

母さんは少し笑いながらそう言った。
けれど、悪巧みの笑いなどではなく、『大丈夫』と僕に安心感を与える笑いだった。
兄さんも同じく安心感を与える笑みをこぼしていた。

「あ、そうだわ!結局ステータス検査はどうするのかしら…。ひーちゃんがどっちも割ってしまったから…。」

母さんがふと思い出し、司祭さんにそう言った。

…。とても申し訳ない気持ちでいっぱいだ。

すると、司祭さんがこう言った。

「王都の大聖堂に国一番の占い水晶があります。そこに向かってください。その水晶は10こあるうちの1つの国宝なので、そこには特別な許可がないと入れないれません。ですから私が申請しておきます。」

僕は王都の横の都に住んでいるので、王都には馬車で30分程でつく。
30分も?!
と思うかもしれないが、この世界では隣の都に行くのに二時間から三時間ということもよくあるのだ。
そう思うと、僕らの都から王都まではとても近いと言えるだろう。

「わかりました。明日伺わしてもらいます。」

母さんがそう言い、僕達三人はは家に帰った。

家に帰ってくると兄さんが自分の部屋に向かう時こう言った。

「いや〜、今日は疲れたね〜!びっくりすることだらけだったよ!記憶喪失はしちゃうし、トーン家の次男坊を撤退させちゃうし、水晶玉はわるし…もしかしたらヒイロは伝説のことかなのかもね〜!はははっ!じゃあ僕疲れたから早めに寝るね。おやすみ〜!!」

そう言うと兄さんは自分の部屋に戻っていった。



ヤバそうなフラグを立てて…。









次の朝

チュンチュンチュン

小鳥のさえずりが聞こえる…
知らない天井…じゃなくて一度見たことのある天井だ。

「ん…。夢じゃなかったんだ…。朝かぁ…。」

そうだ…今日は王都の大聖堂へステータスを測りに行く日だ。

ぬっ…
僕の横から誰かが出てきた!?

「ヒイロ様、おはようございます。今日のお召し物はこちらでございます。」

ああ…フィルとエミルか…またメイドやらには慣れないなぁ。

それにしても…この服豪華すぎやしないか?あ、けど僕の家は公爵と言っていたしな。
これが普通なのかな?

「この服…豪華すぎじゃない?」

僕はフィルとエミルにこう聞いた。
すると、フィルが答えてくれた。

「はい、そうですね。
今日は王都の大聖堂へ向かうのですからそれ相応の衣装を着なければなりません。
大聖堂には王族たちもごくたまにおります。
王族ともし会ったときのことを考えると、このような衣装のほうが良いかと。」

なるほど…運が良ければ王様や王族に会えるってことか…!会えるといいなぁ!!



そして出発の時間になった。




「じゃあいきましょうか。」

母さんがそう言った。
ちなみに行くメンバーは、
母さん、エミル、僕の三人だ。
兄さんは学校なので行くことができない。
フィルは留守番を頼んだ。

「じゃあ、言ってきま〜す!」



この王都でのたった一日が僕の運命を狂わす日だなんて、僕は知らなかった。

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