〜チートでハーレムなもふもふスローライフ〜

ひなた

3:聖堂にて

僕は水晶玉に手をおいた。
すると、水晶が光った…




ボウゥゥゥゥゥウ!!!!!!!




バリィィィィンッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!



そして、
水晶玉が割れた。
しかも、すごい破片を飛び散らして。


な、なんだよ…。これ…。

司祭さんから列に並んでいた人、すべての人が「何だ?」とでも言うようにこっちを見ている。

そして、母さんと、兄さんもだ。

30秒ほど静かな時間が聖堂に流れた。

そして、最初に口を開いたのは司祭さんだった。

「な…。なっ?これは、この聖堂で2000年前勇者様が作られてずっと使ってきたものなのだぞ?!割れるわけがなかろう!どういうことだ!」

司祭は驚きを隠せずにいる。
そして、少し怒っている。
高かったのだろうか…。
本当に申し訳がない。
母さんに迷惑をかけることになるな…。
財政的に…。
ごめんなさい。
ちゃんと心の中で謝りました!許してください!

そのようなことを考えていると、横にいた、シスターが司祭さんにこう言った。

「司祭様。2000年もの間使われたものであったので、今までの人たちの魔力が蓄積され、この彼で限界に達したとは考えられませんか?この愛らしい彼に水晶玉を破壊する力があるとは私は思えません。」

あぁ。なんだ。そういうことだったのか。
少し僕はがっかりした。
やはり、チートやら俺TUEEEEEEEEなどは憧れるものだ。

「あ、あぁ。たしかにその可能性が高いな…。こんな子供にこの量の魔力が蓄えられ出るはずがない もう一つサブの水晶玉をもってきてくれ。」

そう司祭さんが言うと、シスターは神殿の奥へ行き、さっきの水晶玉より小振りの水晶玉を持ってきた。

「さぁ少年よ。もう一度、手を触れてくれ。」

もう一度言われた。僕はもう一度触れた。

パキィャァァァァン!!!!

また割れた。
司祭さんの顔を一応確かめてみた…。
司祭さんは夢でも見ているかのように、ボーっとしていた。

「…………………。あ…あの。す、すいません…。また割ってしまったようで…。ごめんな…さい…。」

僕がこう言うと、司祭さんはハッと夢から覚めたかのように意識を戻した。

「き…君何者なんだ??!!水晶玉が割れるなんて前代未聞だ…。」

え…僕ですか?ただの貴族ですけど…。
そう言おうとしたとき…。

バンッッッッッッッ!!!!!!!

神殿の扉が勢い良く開かれた。
そして、デブで、いかにも悪役のクズっぽいな男がやってきた。

歩く姿は豚そのもの。
思わず口を開けて笑いそうになった。

(ドシドシドジ)

なぜかこっちに向かって歩いてきている。
なんだろう。僕に用があるのか?

バンッ

そいつは僕に近づき、僕を突き飛ばした。
僕はその場で尻をついた。

(は?こいつなんなの?意味分かんないんだけど…。)

突然やってきて、人を突き飛ばすなんて頭がおかしいと言えるだろう。
そのようなことを考えていると、そいつの付き人らしき人が僕にこういった。

「そこのお前。ブータ様の前に立つな!
平民が!」

…………。あははは!!!!!!
心の中で大爆笑した。
ブ…ブータ?
名は体を表すってホントだったんだな!

というか、僕の家系って貴族の中では一番上じゃなかったっけ…。
平民じゃないんだけどなぁ…。
まぁ、実は…他の人に貴族とバレないように平民の格好をしているからなんだろうけどな。
目立ちたくないから、好都合だったのに。。
何なんだ…。このデブたちは…。
貴族ってこんな奴らばっかしなのか?
少し、先が思いやられるなぁ…。

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