ブラッド・トリガーライフ

ルルザムート

第2話 part3 狼の怒り

コンテナ置き場 搬入口


ガルシア「…」コツコツコツ…
ジェルフ「…」コツコツコツ…
ガルシア「…があっ!」
近くにあったトラックの荷台が大きくへこむ程強く殴りつけるボス

ガルシア「がぁぁっ…!クソが!」
ジェルフ「ボス、落ち着いーーー」
ガルシア「…っ!」キッ

俺が言い終わるよりも早くボスは俺の方へ向き、左手で胸ぐらを掴む
ガルシア「お前の…お前のせいで…!」カチャ
ジェルフ「ボ、ボス…」

銃を握ったボスの右腕がカチャカチャと震える
ガルシア「お前とエレナの…たった2人に!カスみたいな2人に俺の家族なかまは…っ!」
ジェルフ「話を…話を聞いて下さい、俺は確かにエレナを連れて来た…でもこんなことになるなんてーーー」

ガルシア「口を閉じろ…裏切り者のクソ野郎が…!お前があいつらを殺したくせに…!」
ジェルフ「…っ」
…俺は間違ってない、俺はただ助けを求めていた1人の少女を助けただけだ、なのにーーー

ガルシア「エレナを捕らえてからまとめて地獄を見せてやる…!」バッ
悔しそうに胸ぐらから手を離し歩き始めるボス、俺はそれにーーー
ジェルフ「ーーー証拠でもあるのかよ…」

無意識に、そう言っていた
ガルシア「ああ!?」
ジェルフ「…!」
しまった、つい…いや上等だ!こうなったら言いたいこと全部言ってやる!

ジェルフ「確かに俺がエレナを連れてきたからみんな死んだ…俺のせいだ、だが俺はただエレナあの子を助けたかっただけだ!ウルフルズみんなの死なんてこれっぽっちも望んじゃいなかった!」
ガルシア「だからどうしたっ!?故意でないから自分のせいでないとでも!?ふざけるなっ!」
怒鳴り散らすボス…いやガルシアに感じていた恐怖を俺の中の理不尽に対する怒りがこの一瞬だけ上回った

ジェルフ「アンタこそふざけるな!アンタは俺のせいにすれば気が晴れるんだろうが…そもそも俺がエレナを保護したのを知った時、アンタなんて言ったんだよ!」
ガルシア「…」
俺はあの時、こっそりエレナを逃がすことを考えていた…なのに

ジェルフ「自分のせいでもあるクセに俺を散々裏切り者扱いしやがって…そんなに罪悪感から逃げたいのかよ!」
ガルシア「黙れ…」
さっきよりもガルシアの手の震えが大きくなる

ジェルフ「黙ってたまるか!アンタは俺のせいにしてエレナに怒りをぶつけることしか考えてない!今のアンタをレニーさん達が見たらなんて言う!?」
ガルシア「黙れと言った!」カチャ
銃口を俺に向け怒鳴るガルシア、だが明らかに動揺し今にも銃口が俺から外れようとしている

ジェルフ「だいたいなんだよ…!裏切り者だなんだと散々言っておいて何故俺を殺さないんだ!?なんでそんなに動揺してるんだよ!」
ガルシア「っ…!黙れぇーーーっ!!!」グッ
引き金かかった指に力が入るーーーがその銃から弾が発射されることは無かった

ガルシア「…っ!ちくしょう!」
ジェルフ「ぐっ!」
行き場を失った感情を無理矢理追い出そうとする様に俺を殴るガルシア

ガルシア「ハァー…ハァー…俺はエレナを追う!」
ジェルフ「ガルシア!」
逃げるように立ち去ろうとするガルシアの肩を掴んで引き止める
今の状態のガルシアを1人で行かせる訳にはいかない…!

ガルシア「…なんだ」
ジェルフ「俺も行く、今のアンタは危険すぎる」
いくらガルシアが強くても本部待機精鋭団員を皆殺しにするような奴が相手じゃ例え冷静であったとしても危険だ

ガルシア「ちっ…好きにしろ!」
ジェルフ「そうさせてもらうよ」
前を歩いていくガルシアに続いて俺も歩き始める、その最中ガルシアから感じられる俺への憎しみはからはーーーほんの少し、後悔の感情が混じっていたような気がした


2012年 9月21日 14時00分
路地裏
(日本時刻 9月22日 3時00分)


ガルシア「…」
ジェルフ「…」
昼とは思えないほど暗い路地裏を静かに歩く俺とジェルフ

ガルシア「…」
頭の中でジェルフの言葉が繰り返される
回想ジェルフ「そんなに罪悪感から逃げたいのかよ!」


分かってる、今回ジェルフお前に過失は無い、だがこれは…いや、これらは報いなのだろうか?今まで散々殺し続けた俺への?
回想???「もうやめてよ!なんでこんなことを!」
回想???「おじさんは分からないよ、君が何故こんなことを始めたのか…本当に…」
友人や師までもを殺した俺への…

ガルシア「…いや」
そうだとしても進まなくてはならない、どれだけ殺そうと…どれだけ犠牲を払おうと…奴を殺すまでーーー
ガルシア「…クソ」
ジェルフ「…?」

だがその犠牲を払う覚悟が…俺には無かったんだ、ジェルフの方が覚悟があった…ああ、そうか
ジェルフ「ガルシア?」
1ヶ月前のあの日から…俺は失うことが怖かったんだ…

ガルシア「…着いたぞ」
ジェルフ「…」
俺は頭の中の考え事をひとまず追いやり、ひとまずの目的地である目の前の壁を見る
認証コードは…

ガルシア「KK、FN、FS、890106」
ガコン…
俺の声に反応し、目の前の壁ーーーウルフルズアジト地下へ通じる隠し扉が開く

ガルシア「装備を整えに戻る」
ジェルフ「ああ…」
中に入り通路を歩く

ジェルフ「…ガルシア」
ガルシア「目的はエレナの始末、変わることは無い、いいな?」
ジェルフ「…」
…それから2回ほど角を曲がり目的の部屋へと着いた

『武器庫No.23』
ガルシア「よし…」
中に入り弾丸や銃火器、義手手入れのの工具を回収する
ガルシア「…」
ジェルフの分も回収しておくか

そう思った時だった
ジェルフ「今声が…」
ガルシア「なに…?」
ジェルフが気になることを口にした
声?

ジェルフ「ああ」
ガルシア「…」
俺のハンドガンをジェルフに投げ渡し、調べるように手で指示を出す

ジェルフ「…!分かった」
ガルシア「…」
俺は武器回収を中断し、対物ライフルとハンドガンの軽い整備を済ませてジェルフを追う

ジェルフ「扉の下から…なんの光だ?」
ガルシア「ジェルフ、どうした」
なるべく小さな声でジェルフに声をかける
ジェルフ「ガルシア、扉の下から光が…あ」

ガルシア「なんだ?」
ジェルフ「…光が消えた」

ガルシア「…ジェルフ、下がれ」
ジェルフを押し退け、ジェルフが見ていたであろう扉のドアノブに触れる

ガルシア「…」
鍵はかかっているが…
ガルシア「っ!」ドンッ
対物ライフルで鍵を破壊し、中に入る

ジェルフ「お、俺も…」
ジェルフもそれに続く
ガルシア「…」
中には誰もおらず、ただの整備室で特におかしいところはないし俺の端末にも侵入者アリの通知来ていない…が

ガルシア「…」
部屋の中央…ほんの少しだけ埃が溜まった床に目が止まる
ジェルフ「…悪い、勘違いだったーーー」
ガルシア「さっきまで誰かここに居たな」
ジェルフ「え?」
疑問の表情を浮かべるジェルフを他所に天井を見上げる

ガルシア「…」
通気ダクト…床の埃はダクトから落ちた物だな、大人が通れるような大きさじゃないがーーー
ガルシア「ガキなら通れるな…」

ジェルフ「ガルシア…?」
ガルシア「この部屋は念のために爆破しておく、ホラお前の分の銃だ」
ジェルフに銃を渡してからリモコン爆弾を置き、部屋を出る
ジェルフ「はぁ…」

ガルシア「…」
アジトごと爆破するのが1番いいが…弔ってやらないといけない奴らがいる以上それはダメだ
とりあえずなるべく早く爆破しておこう…ん?

ポーチ内の端末が静かに鳴る
ガルシア「なんだ…?…っ!」
端末を取り出し、表示されている文字を見る、そこにはーーー
端末『エントランス入口より侵入者アリ』
ガルシア「…やれやれ」


第3話 part1に続く




「ブラッド・トリガーライフ」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「現代アクション」の人気作品

コメント

コメントを書く