ブラッド・トリガーライフ

ルルザムート

第1話 part2 銀髪の少女

アジト 所長室前の廊下


ウルフルズ団員1「ゼイロさん、今日も圧勝でしたね!」
ガルシア「おう」
団員2「お疲れ様です!ゼイロさん、やっぱりゼイロさんは頼りになりますよ!」
ガル「お前らもな」

すれ違った団員に労いの言葉をかけつつ、すぐに休むよう命令する
先の戦闘…殆ど損害がなかったとはいえ少なからず疲労は溜まるはずだ、疲労を残させる訳にはいかない

自室に入り、幹部の誰かが置いたであろう机の上の報告書を手に取る
ガル「負傷者8名…死者0名…っと、くく」

死者ゼロの報告書を見て少しだけ笑みがこぼれる
…いける、このまま行けば叶えられる…!そう遠くない未来に…

?「ボス、いるかー?」
ガル「ん?」
ドア越しに俺を呼ぶよく知る男の声が聞こえてきた
やれやれ、所長室ここじゃボスと呼ぶなと言ってんのに…

ガル「ボスと呼ぶなと言ってるだろう…」
ジゼル「カタイこと言うなよ、結成当初からの仲だろ?」
わりいわりい、と半ばふざけながら謝る3幹部の1人のジゼル

…やれやれ
こいつには言っても無駄だということを再度確認し、要件を聞く

ガル「まあいい、どうしたジゼル?」
ジゼル「あーそうだそうだ、レニーを見なかったか?」
ガル「レニー?」

ジゼルと同じ結成当初からの仲間、女幹部のレニー…まあそれは置いといて…
ガル「見てないな、作戦終了直後の通信で少し話しただけだ」
ジゼル「そうか…ったく、作戦終わったらマリモカートwllやる約束だったのに…どこ行ったんだよ…」
やれやれ、こいつらは…

邪魔したな、と言って部屋の前から去ろうとするジゼルの腕を掴んで引き止めた
ジゼル「ボス?」
ガル「…?」

自分でも何故掴んだか分からない
なんだ…?この感覚…それに…

ガル「…」
ジゼル「聞いてるか?」
ジゼルの腕を掴んだまま、自室から出て廊下を見回す

ガル「…」
ジゼル「おおーい?」
…わからん、何かわからんが…
ガル「何かおかしい」
ジゼル「え?なんだって?」

言い表せないが、あたりの雰囲気がおかしい…気がする
ガル「…寝るのは少し後だ、2人でレニーを探しに行くぞ」
ジゼル「へ?いいよ別に俺1人で、あいつどうせ野良猫でも撫でてるんだろ」
ガル「うるさい、2人だ」
ジゼル「わかったわかったって、寂しがりやだな〜はっはっは」

笑うジゼルを掴んでいる腕を離し、さっき尋問室から戻る時に使ったエレベーターに乗る
ジゼル「んな!ちょっ、待てよ!」
ガル「地下2階」
機械音声「かしこまりました、下へまいります」

ジゼルが慌てて乗ったのを確認してから音声認識に目的の階を言う

ジゼル「いつも通りせっかちだな…あ、そーいやボス、ジェルフに何か言ったか?」
ガル「は?なんでだ?」
エレベーターが目的の階に到達する少しの間、ジゼルがおかしな質問をしてきた

ジゼル「いや、レニーを探してる途中で顔色最悪のジェルフを1階の休憩室で見かけてさ、新参とはいえ仮にも3幹部の1人のあいつがあんな顔するのなんてボスにボロクソ言われた時だけだし…」
ガル「ああ…確かに言った、あの野郎…また一般人のクソガキを拾ってーーー」

そこまでジゼルに言って気付いた
ガル「…!待て、ジェルフの奴を1階で見たのか?」
ジゼル「へ?あ、ああ…そうだが」
っ!
だとするとーーー

ガル「変更だ!地下1階!」
機械「かしこまりました、上へまいります」
ジェルフが拾ってきたあのガキを…今誰が見張ってるんだ!?

ジゼル「お、おい!どうしたんだよ!」
ガル「…」
普通に考えればありえない、10歳ちょっとのガキが何かをしでかすなんて…だがそれはあくまで普通に考えればの話ーーー

かつて出会った1人の少女の顔が脳裏によぎる
回想少女「あなたも私と同じだね…くふふふ…」
ガル「クソっ!」
ありえない!そんなことは…

機械「地下1階です」
エレベーターが目的の階に到着し、ドアが開くと同時にエレベーターの外へ飛び出す

ガル「っ!!!」
ジゼル「なんだってんだよ、さっきか…ら…」
地下1階のトラック1台余裕を持って通れる程太く、下手な屋敷より長い廊下を『埋め尽くしていたもの』を見て…俺たちは絶句した

ガル「な…な…?」
ジゼル「…は?」
死体、どこを見ても見知った人間…ウルフルズ団員の死体が…廊下に散乱している

ジゼル「なんだよこれ…どうなってんだよ!?」
廊下のタイルは本来の色が微塵も見えず、死体と…血の海で埋まっていた

ガル「…ッ!」ギッ
立ち尽くすジゼルのホルスターからハンドガンを抜き取り、戦闘態勢に入る

ジゼル「あっ、ガルシア!」
ジゼルの声を聞くこともなく、俺は尋問室へ向かった
あのクソガキ!やはりすぐに殺すべきだった!

ガル「らあっ!」
尋問室へのドアを蹴り開け、中へ入る
ガル「やっぱり居ねえ!どこに…」
先程来た時には居たはずの少女は尋問室にいなかった、だが先程来た時と違う点がもう1つあった

ガル「…?」
少女がいた場所に異様な血だまりができていた、しかし血の量にしては死体どころか肉片もない

ガル「!!!」
ーーーが、俺はすぐに気付くこととなった、その血が天井から垂れていることに、そして…

ガル「」
ジゼル「おい、ガルーーー」
その垂れている場所に…結成当初からの仲間、レニーが両手両足をちぎられ、物言わぬ死体となって張り付けられていることに

ガル「…」
ジゼル「ま、待てよ…これ…なんの冗談だよ…?」
…!

ガル「〜ッ!」
ハンドガンを握りしめ、尋問室の出入り口で突っ立っていたジゼルを押し退けて廊下に飛び出す

ガル「…!」
殺す!どんな手を使っても…必ず殺す!

どこに行こうとしているか自分でもわからないまま、デタラメに目につく部屋からドアを開けていく

ジゼル「ガルシア!」
ガル「なんだっ!」
不意の呼びかけに思わず銃の引き金トリガーに指がかかりそうになる

ジゼル「気持ちは分かる、だがこの装備のままはヤバいぜ!」
ガル「…」
手に持っているジゼルのハンドガンとジゼルを交互に見る…現時点で持っている武器はこのハンドガンだけ…

ジゼル「一度装備を整えに戻るべきだ!ハンドガン一丁いっちょうだけでなんとかなるとは思えないぜ!」


確かにジゼルの言う通りだ
団員の死体の中に銃を持っている奴もいるにはいるが殆どが破損していたり弾切れだったりしている、集めればそれなりに使えるだろうがそんな時間はない

ガル「…地下2階の武器庫に行くぞ、そこで装備を整える!」
ジゼル「ああ!わかったぜ!」

ハンドガンを握り直し、乗ってきたエレベーターへ走って入る
ガル「急げ!」
ジゼル「わかってるーーーのわっ!?」

エレベーターの外から聞こえていたジゼルの声が遮られたのはドシャッと何かを押さえつけるような音が聞こえたのとほぼ同時だった
まさか…!
エレベーターから飛び出しジゼルが走ってくるであろう方向を見ると…

銀髪の少女「くすくす…こんばんは」
うつ伏せに倒れているジゼルの背中に馬乗りになるような形でのしかかっている血塗れの少女がいた、明らかに常軌を逸している!

しまった…!ジゼルの銃は今俺がーーー
ジゼル「う、うわっ!?なんだこのガキーーー」
ドチャッ…
少女の右腕がジゼルの後頭部を殴り潰す

ガル「…ジゼル」
俺が銃を構える暇もなくジゼルは死体へと変わった
エレナ「あらら、脆いなぁ…あ、こんばんは!三つ編みのお兄さん!私の名前はエレナ・アルコット、お兄さんは…?」


第1話 part3へ続く



↓プロフィール

ジェルフ・シュナイダー

性別 男
年齢 20歳
身長 170㎝
体重 65㎏
血液型 B
髪の色 黒
目の色 黒
武器 銃火器
好きなもの ウルフルズ、弟
嫌いなもの 銃

ギャラクシー・ウルフルズ新参幹部
冷酷無慈悲なガルシアとは正反対の性格で、巻き込まれた一般人を救助したり、戦意のない敵に情けをかけたりと、本当にギャング幹部か疑わしいほど正義感が強い
5年前ガルシアに才能を見抜かれスカウトされるも、犯罪組織の仲間になんてなりたくないと1度目は拒否したがガルシアとの戦闘の末、病に伏している10歳離れた弟の病気を治すことを条件に2回目のスカウトに応じる
ウルフルズに入って以降弟とは会っていないが手紙は欠かしていないらしい
自分が付いている幹部の前任者、ジェイク・ニッカーを師と呼び、慕っていた

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