2.5D/リアル世界の異世界リアル

ハイゲツナオ

EXその2

EXその2
なにかやろう(著者の有給消化)


ト「どうも。婚約者がいるにもかかわらず、憑々谷君に恋されてしまった迂闊なトピアです」


大「くくっ、どうも、だ。憑々谷と結婚する気満々のヤンデレヒロイン、大和先生だぞ!」


ト「さて。今回はですね。このラノベの著者のヒトから『テキトーになにかやって! モチベが下がってて大変なの! 有給取らせて!』との泣き言を言付かってしまいましたので、わたし達2人でなにかやろうと思います」


大「読者からの評価が低いからな。モチベなんて下がる一方だろうよ。くくっ、ざまあみろだな。わたしと憑々谷のエロシーンをろくに描かないからこうなるのだ!」


ト「ま、まぁ、別作品も相当低いみたいですからね。……こんな自虐に走るのは、今に始まったことではないのかもしれません」


大「さっさと打ち切ればいいのにな。つまらんって思われてる証拠だろうが」


ト「えっと……打ち切る予定は全くないそうですよ。『いつか必ず日の目を見てやるからな!?』とのことで……」


大「それ、誰に向かって言ってるんだ?」


ト「さあ……読者さんですかね? よくわかりませんが」


大「まあいい。それで? わたし達がテキトーになにかやればいいのだな?」


ト「はい。なにをしましょう?」


大「……………………………………………………質問コーナー」


ト「お便りが1通も届いていないのにですかっ!?」


大「じゃあアレだ、わたし達で質問し合って答え合う。それならできるだろ」


ト「た、確かにそれならできますが……少し虚しくなりません?」


大「問題ない。このラノベ自体がすでに虚しさに包まれている」


ト「! な、なるほど。言い得て妙ですね。それでは張り切って……ではなく、開き直っていきましょうか」


大「ああ。早速だがわたしから質問、いいか?」


ト「はい、なんでしょう?」


大「これは読者も気になっていたと思うんだが……お前、本当に婚約してるのか?」


ト「してますよ。本編で何度も話題にしていたじゃないですか」


大「……、信じられん」


ト「別に信じてもらえなくても結構なんですけど……」


大「いや。30のわたしより先に婚約していることが、だ」


ト「そっちですかっ!?」


大「ああおかしいだろう! そもそもわたしの人物設定がエグすぎる! わたしが思う良い男の条件! お前も読者も知らんとは言わせんぞ!?」


ト「え、えっと……『己の人生を、極限に域にまで諦めてしまっていること』でしたっけ?」


大「そうだ! 結果わたしが好きになるのは凶悪な犯罪異能力者のみ! うがーッ! やはり著者は真性の大バカ野郎だなッ! あの厨二病すぎる条件が読者から伏線と思われるわけ、ないだろうが! まだ憑々谷のチン〇デカいほうがマシだッ!」


ト「お、落ち着いてください先生。発言が危ないですっ。つ、憑々谷君のソレに聞こえてしまいますからっ」


大「ふんッ! お前はいいよな、婚約者とラブラブで! 著者のお気に入りで!」


ト「ど、どうしてそんな責め苦をわたしが受けなければならないのですか……」


大「で? どんな男なんだ?」


ト「………………、秘密です」


大「! それはアレか!? ファンを減らしたくないからか!? ああそうだそうに違いない! 実は今も『婚約者はわたしのファン皆さんです♪ えへっ♪』なんて誤魔化したくてたまらないんだろう!?」


ト「やめてください……。わたしはそんなではありません……」


大「否定しても無駄だ! わたしは先生だぞ! ティーチャーだぞ! 先生と生徒の言葉、読者とファンはどちらを信じると思う!?」


ト「……、なぜでしょうか。妥当な指摘のはずなのに説得力がほとんどありません」


大「ほう!? 言ってくれるじゃないか、ならばお前もわたしに質問してみるがいい!」


ト「いえ、あの、これって質問コーナーですよね? 若干討論バトルっぽくなってきてません……?」


大「いいから質問だ。なにかあるだろ」


ト「すみません、少し考える時間をください……。……では、そうですね……。読者さんの立場に立ちまして……はい」


大「なんだ? 遠慮せず言ってみろ」


ト「男性経験は、一度もないんでしょうか?」


大「いやあるわッ! 失礼なヤツだなお前ッ! 読者の立場に立ったフリしてわたしを虐めたいだけだろう!?」


ト「で、ですが先生の良い男性の条件を踏まえれば、決してありえない話ではないですよね?」


大「いやいや!? あの条件は異能力者の墓場サイキック・セメタリーを発現できてからに決まっているだろう!? なぜ青春時代も超弩Sでなければならんのだッ!?」


ト「なぜって……著者のヒトならやりかねない気がしません?」


大「うごっ! 説得力ありまくりでわたしとしたことがあっさり敗北宣言だ! 全くもってその通りすぎる……!」


ト「では実際のところ男性経験はどうなんです?」


大「そ、そうだな……。わたしは異能力者の墓場サイキック・セメタリーを20の頃に発現したのだが、それ以前は結構モテていたし3人の男と付き合った経験があるぞ。ふふっ、どんな恋路だったか聞きたいか? 聞きたいよなぁ?」


ト「いえ特に。それより20から今日までの約10年間、一度も男性経験がないとは驚きです」


大「! ああっ!?」


ト「……その反応。もしや読者さんやわたしに隠しておきたかったのですか……?」


大「い、いや! そ、そんなことは、ないぞっ! 本編をちゃんと読んでる読者ならばお前のようにすぐに気づけるだろうからなっ! はは、ははははは……」


ト「……はい。この質問に関してはここまでにしておきましょう。先生が涙ぐんでいますし」


大「な、涙ぐんでなどないっ!」


ト「それではわたしからもうひとつ、読者さんの立場に立った質問、よろしいですか?」


大「い、いいだろう。……今度こそちゃんと読者の立場に立って考えたな……?」


ト「いえ、さっきの質問も充分そのつもりでしたよ。……まぁもっとも、こちらの質問に到底敵いませんが」


大「……敵わない、だと? 待て、それは本編を読んだ上での質問だよな?」


ト「もちろんです。なにか気がかりでもありましたか?」


大「ああ。正直に言うとだな、心当たりがないのだ。わたしの登場場面など限られているわけだ、それを点々と振り返ってみても、読者にこぞって質問されるようななにかがあったとは思えん。いや……悔しいが無いはずだ」


ト「あります。これに正直に答えられたら、読者さんからの人気大爆発。嫌でも真のヒロインに認定されるでしょうし、憑々谷君とのゴールはすぐそこでしょうね」


大「! な、なんと!? それほどまでの質問なのかっ! わ、わかった! この際だ、なんでも答えてやるぞっ!」


ト「では読者さん。この質疑応答を絶対見逃さないでくださいね。これで締めたいと思いますので」


大「ふふ、ふふふ! 30で未だ独身のわたしだ、恐いものなどそうそうあるはずがないッ!」


ト「はい。そんな無敵な先生に最後の質問ですよ―――」


大「いいだろう! どんとこいッ!!」






ト「完全に漏れる寸前でしたよね? 実はあの後、廊下で盛大に漏らしてたんじゃないですか?」







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