あなたの選択が物語に反映される!? 新感覚小説‼ 異世界転移された男の魔王討伐への旅路‼

サクえもん

一話 プロローグ

 「よくぞ来られた異世界から来られし勇者様」
 「え……あ……ん? んんんんんんんんんんん?」
 「おや? どうかなされましたかな勇者様?」
 「いや、 どうもこうもない‼ ここは一体どこなんだ!? てかそもそも俺はさっきまで学校にいたはずじゃ……」
 「ふむ。 どうやら勇者様は混乱されているようだ。 大臣」
 「はい。 お呼びですか我が王」
 「勇者様に事の経緯を説明してやってくれ」
 「かしこまりました。 ではお話させていただきます。 まず初めに何故勇者様が私達の世界に召喚された経緯ですが……」
 
 は? 今コイツなんていった? 
 「ちょ、 ちょっと待て‼」
 「はい。 なんでございましょう?」
 「今カナン……なんって言ったんだ?」
 「カナンシアでございます」
 「あ、 うん。 ありがとう。 って‼ そうじゃなくて……」

 は? なんだその名前? 俺が生きてきた中でそんな名前今まで聞いたことないぞ‼
 てかそもそもあの白髪の老人さっき王様とか呼ばれてたよな?
 となるとここは……いや、 まさかだよな? うん。 だっては創作上の話で、 実際にありえるはずがないことだもんな。 うん。 だがこの状況何処からどう考えてもそうだよな……

 「あの~もしかしてこれって異世界召喚的なあれなのでしょうか?」
 「おや? その様子ですともしや勇者様の世界にもそのような文化がおありでしたか‼」
 
 ああ……やっぱり……てかなんでよりにもよって俺みたいなスーパー平凡人が選ばれるわけ? 
 俺より能力が優れた奴なんて俺のクラス内でもごまんといたぞ……特に照山の奴なんか顔も俺より何倍もカッコよくて、 それで頭もよくて、 運動もできるときたもんだ。
 普通そう言うやつが選ばれるべきだろうに……にもかかわらずなんで俺が選ばれたんだか……

「あ……うん。 まあ……あるよ……」
 
 フィクションの中でだけどな。
 でもああいうのって大体二パターンに分かれるよな。
 一つは、 神様からなんやかんやの加護を貰って人生ベリーイージーのヌルゲーと化す奴。
 もう一つは、 むしろその逆でなんの加護も与えられず、 人間の闇の部分に大いに触れ、 精神やんだり、 復讐誓ったりする人生超絶ハードモードになるやつ。
 果たして俺はどうなるのやら……
 てかそもそもなんで俺はこの世界に呼び出されたんだ?
 
 「それならば話が速いですな‼ 勇者様にはこの世界に現れたを倒して欲しいのです‼」
 「は? はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 無理無理無理絶対無理‼ 俺みたいなスーパー凡人がそんなの倒せるわけないじゃん‼ てか魔王ってあれだよな? ドラ〇エの竜〇的な奴だよな? そんなのにただの凡人が挑めとか無理ゲー過ぎるわ‼
 いや……待て。 こういう時は大抵お助け要素があるはず……具体的に言うと身体能力が上がってるとか、 伝説の剣を冒険開始早々もらえるとか……
 仮にだ。 仮にそう言うのがあるのならまだ何とかなるかもしれない。
 
 「ええと……」
 「大臣でございます」
 「大臣さん。 その一つ聞きたいことがあるんだが……」
 「はい。 一つと限らず何個でもお聞きください勇者様」
 
 あ、 よかった。 この人いい人そうだ。
  まあひと様勝手に拉致っといてる時点で、 いい人ではないのだが……そんなことは今はどうでもいい。

 「その……俺ってさ」
 「はい」
 「具体的に言うと今何ができるの?」
 「はい?」
 
 おや? おやおやおや? これは非常に雲行きが怪しくなってきたぞ……

 「いや、 俺達の世界ではさ。 異世界召喚されると大抵何らかの加護的な物貰ってたの。 具体的な事言うと力が強くなるとか、 伝説の武具がもらえるとか……」
 「…………」
 「一つ……聞いてもいいかな?」
 「……どうぞ」
 「もしかして……なんだけど……この世界の異世界召喚ではそう言ったものは……ないの?」

 頼む‼ あるって言ってくれ‼ じゃないと俺の人生完全に詰みなんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉ‼
 例えるならザ〇Ⅱでνガン〇ムに挑むぐらい絶望的な状況に陥ってしまう。
 
 「大変申し上げにくいのですが……その……そういったものはございません」
 「デ、 デスヨネー……」

 ハイ。 終わった‼ 俺の人生終わったぁぁぁぁ‼ 
 
 「で、 ですが‼ 勇者様には我々がついております‼ 何かお困りごとがあれば遠慮なく仰ってください。 そうすれば必ず……必ず手助けいたしましょう‼」
 「あ、 うん。 そういう問題じゃないの……」
 「と言いますと?」
 「俺……剣とか今まで使ったことない……」
 「え?」
 「それどころか運動神経もあまりよくないし……頭もそんなに良くない……」
 「……」
 「こ、 こんな俺でも……魔王……倒せると思う?」
 「…………………………勇者様」
 「……なんだ」
 「……これから一緒に頑張っていきましょう」
 「…………………………うん」
 「では私は一度失礼いたします。 勇者様また後でお会いしましょう」
 「ああ……」
 
 俺がこの会話から得た教訓は、 大臣さんまじいい人。
 ただそれだけだ。 それ以外は、 ただ俺に絶望を与える要素に過ぎなかった。

 「話は終わりましたか勇者様」
 「あ、 はい……」
 「おや元気がないご様子……どうかなされましたか?」
 「まあ……うん。 軽く人生に絶望してただけだ」
 「そうですか。 それはよか……え?」
 「いや。 気にしないでくれ。 もう……終わった話だ……」
 「そ、 そうか……」

 ああ、 王様。 すごく罰の悪そうな顔してる……多分この人今気に病んでるんだろうな……
 てかこの国の人みんないい人過ぎない?
 俺感動のあまり目からしょっぱい汁が出てきたよ……まあ……別の意味合いも入っているんだろうけどな……

 「勇者様」
 「なんですか?」
 「実は勇者様に一つ私から贈り物があるのです」
 「贈り物? 剣か?」
 「いいえ違います。 それと厳密にいえば物ではなく、 人です」
 「人? それって奴隷か何かか?」
 「違います。 そもそも我が国に限らず他の国々でも奴隷制は既に廃しています」
 「あ、 うん。 その方がいいね。 それで奴隷じゃないなら何をくれるんだ?」
 「それは勇者様に選んでいただきたいのです。 大臣」
 「はい。 連れてまいりました我が王」
 「うむ。 では三人とも勇者様に自己紹介せい」
 「ではまず私からご紹介させていただきます」
 
 おや? これは驚いた。
 なんせその場にいたのはとびきりの美少女。
 年はおおよそ俺と同じくらいか……プラチナブロンドの髪に、 赤と紫のオットアイ。
 うむ。 俺が見てきた女性の中でた一、 二を争う美少女だった。

 「名をシスティーナ・フォン・レディアンと言います。 年は十六。 剣は全く扱えませんが、 その代わり魔法の扱いに関しては自身があります。 ですから是非私を選んでください‼ 絶対に後悔はさせません‼」
 「ちなみにシスティは私の娘で、 第二王女だな」
 「えええええええええ‼」

 なぁに自分の娘……しかもとびきりの美少女くれるとか言ってるのこの王様‼ 馬鹿なの? いや、 馬鹿だよね‼ 

 「次は私の番だな」

 あら。 これはなんとまた凛々しい女性だこと……白銀の髪に、 碧の瞳……可愛いというよりは、 美人さんと言った感じの女性だな。 年齢はおそらくだが俺より少し上の二十くらいと見た。

 「私の名は、 カタリナ・マクシミリアン。 年は十九。 先の紹介のシスティ様とは、 違って私は魔法は全くと言っていいほど使えん。 ただし剣の腕だけは誰にも負けない自信がある。 だからその……私を選んでくれると……その……嬉しいな」
 「ちなみに彼女はこの国の大貴族マクシミリアン家の一人娘だ」
 
 それってあれか? 彼女を選べばその貴族の一員になれると……そういいたいのか? 
 ふむ。 悪くない。 てかむしろこちらからお願いしたいレベルだ。

 「さて最後は俺だな」
 
 ん? なんか急に流れ変わったぞ。

 「俺の名はダミアン。 ただのおっさんだ」
 「ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇ‼」
 「どうかなされましたか勇者様?」
 「どうもこうも無いわ‼」

 なんでさっきまでとびきりの美少女、 美女と出てきたのになんで最後がただのおっさんなんだよ‼
 しかもこのおっさんの体‼ 筋肉ヤバすぎだろう‼ まるで鋼の様にカチカチじゃないか‼ あんなの刃〇の中でしか見た事ないぞ‼

 「はっはは。 勇者様は元気いいな。 俺は好きだぜ。 元気のいい奴は」
 「ひ、 ひぃ……‼」

 い、 いかん‼ コイツだけは選んではいけない気がする‼
 具体的に言うとコイツを選んだらまず間違いなくホモルートに突入するそんな予感……いや、 確信が俺にはある‼

 「さぁ勇者様誰になされますかな?」
 「そんなの決まってるだろう‼ 俺が選ぶのは……」

  A. やっぱり僕は王道を征く……システィーナ・フォン・レディアン
  B.硬派な美女の照れた顔が見たい‼ カタリナ・マクシミリアン
  C.何を血迷ったのか筋肉ムキムキマッチョマンの変態のダミアン

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