異世界転生したらチートでした

有林 透

教室に入ると、しっかりと席に座った状態で生徒たちは待っていた。1番下のクラスだからといって素行は悪くなく、真面目だ。

「まずは初めましてかな?ほとんどの人は知っているとは思うが、一応自己紹介をさせてもらう。EX冒険者の礼二だ。ここの教師として働くことになった。よろしくな!」

こんな気さくな挨拶をしながら、生徒全員を鑑定していく。……確かに全員癖が強いな…。どうやって指導しようかと悩んでいると、1人の生徒が手を挙げて質問してきた。

「はい、先生!先生が強いのは分かっているんですけど、何か強い技を1つ見せて貰えませんか!」

「ん?おぉ、良いぞ?ただ、ここの校舎耐えられるかな……ちょっとみんな場所移動しようか。俺の1番威力の強い魔法を見せてやろう」

そう言いながら上位異界結界ハイ・барьерныйを展開して、的を用意した。

ほとんどの生徒たちは急に転移したため、混乱していたが、数人はしっかりと周りの状況を確認していた。

ふむ、何人かは状況把握はできるのか…。

「じゃ、撃つぞ?радуга・Eiszapfenラドゥガ・アイスラフェン

刹那、結界で覆われた世界は、凍てつく氷の世界に変わってしまった……。

「ひっ……」

声が聞こえたので、後ろを見てみると、何人かが腰を抜かしていた。

「んまぁ、ざっとこんなものだよ。これ以上の魔法だったら、この結界が耐えられないからすまんな」

そして、誰もがこう思った。

「この人には誰も勝てないだろう。それが、魔王であったとしても」

と。

「あ…あの…。なぜ、こんな魔法を使える先生が落ちこぼれクラスの指導をするんですか?」

その生徒は、パトリシア・デ・ロブソン。ロブソン公爵家の長男だが、使える魔法が無属性魔法と、ステータス上では文字化けしていて分からない魔法の2つだけ。魔力だけはあったため、何とか学園に入学できた。
今まで父親に罵倒され続けてきた為、自分に自信がなく、内気な性格の子だ。

「うーん……何故と言われたら……。国王に無理言ってここで働くことになったからかな?
実際、君たちを落ちこぼれから救おうなんて気持ちはなく、ただ単に暇つぶしにやろうと思っただけだ」


そこまで言うと、生徒たちは絶望したような顔をしたが、俺はそこにつけたした。

「だが、気が変わった。お前らを宮廷魔導師にまで育ててやろう」


「ほ、本当にそこまで実力を付けてくれるんですか?!」

殆どの生徒が食いつき、質問してきた。
それはそうだろう。今まで落ちこぼれと言われてきたのだからな……。

「あぁ。ただし、そこまで行くには死ぬ気で努力しないと、お前たちには到底たどり着くことは出来ない。それでも、なろうと思うか?」


生徒たちが気絶しないギリギリの魔力を放出し、どす黒く色付けして、いかにも悪役という感じをだしながら問う。


さて、生徒たちはどうするかな?









お久しぶりです。受験が終了しました。まぁ、終わったのは2月の半ばなんですけど、中々執筆する気が起きませんでしたw
なので、今回は1200字くらいで短いです。ご了承ください

コメント

  • ノベルバユーザー412699

    転生者、多いな

    1
  • れいし

    受験お疲れ様です!

    1
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