聖戦

ヤマネコ

第23話 終戦

「この部隊がいるということは、"あいつ"がいるということだ。」

「ひぃーっ!」

トーレスの部下がルーク黒騎兵を見て、悲鳴を上げながら引き返そうとした。だが...

「おっと、逃がさねぇぜ!」

と、フィレント紫騎兵が行く手を遮った。

ルーク黒騎兵の後ろ側から声が聞こえる。

「どうやらこれで詰んだ様だな、逆賊トーレス。」

「そっ、その声はっ!」

ルーク黒騎兵の中からバーレス将軍が出てきた。

「でも、お前はリガーンズ軍の掃討に向かっていたはずではないのか?」

トーレスは訪ねると、

「敵の掃討をしながら、お前らの逃げそうな場所に自軍を設置していたのだ。」

それを聞いてトーレスは、ニヤリと笑った。

「ふん、流石は将軍だな。何もかもお見通しという訳か。」

「国家存亡の危機に陥らせた逆賊のお前らを我らがそう容易く逃がすとでも?」

「きっ、貴様ーっ!我らをなめやがって、許さんぞーっ!」

トーレスの部下は我慢の限界だったのか、バーレスに攻撃を仕掛けた。だが、

バシュッ!

ルークによる矛の薙ぎ払いによって、トーレスの部下の首が一瞬で飛ばされた。

「殿に手は出させん。」

と言い、ルークは引き下がった。

「あ、あんな一太刀で首を撥ねるなんて、化け物めが。」

そうトーレスは言うと、

「我らに降伏するか、それともここで死ぬかどっちだ?」

と、バーレスは言うが、

「屈せぬぞ、我らは、屈せぬぞーっ!」

トーレスのもう一人の部下がバーレスに攻撃を仕掛けた。

「こしゃくな!」

ルークが迎え討とうとしたが、

「ここは我がやる、下がっておれ。」

バーレス将軍直々に迎え討った。

「その首を貰うぞっ、敵将バーレス!」

「取れるもんなら取ってみろ、ハッ!」

バーレス将軍が大きな矛で薙ぎ払い、敵の首をあっさりと撥ね、一瞬で勝負はついた。

「これでもまだ我らに反抗するか?」

と、バーレスは聞いたら

「分かった、お主らに降伏いたそう。」

トーレスはさっきの威勢が嘘だったかの様に、利口に聞いた。その後、王城ではラグベルト達の捜索により、地下牢に囚われていた国王、そして旧ラグズ王国四天王の四人を助け出し、反乱軍による国家存亡の危機及び王国争奪戦はこれにて平定した。

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