最後の日記

鯖缶

探そう

        第2話     私にみえるひと

   まーちゃんがいなくなった、まーちゃんの家族は寝る時までリビングにいたと言っていた。
    「ねぇ、ほんとに家出とかなんかじゃないの?」
    ヤッキは弁当を食べながら聞いてきた。
    「違うでしょ、まーちゃんは家出するような子じゃないでしょ?」
    「まぁ、そうだけどさぁ」
    「じゃあその線は無し」
    「じゃあ誘拐?」「まーちゃんが寝るまでに親がいたんでしょ?ならその線も無し」
    「なら今日の夜一緒に探しに行こうよゆちゃ」
    「そうだね、そうしようか」
    そしてその日の夜、最寄り駅で待ち合わせをして市内まで行った。タイムリミットは終電までだ。
    「まずは聞き込みからだね」
    私達は聞き込みをした、貼り紙とか貼ったし色々な店や人に聞いて回った。だけど、知らない、とか分からない、が多かった
    「今日は諦めようか」「そうだね諦めよう」
    そして私達は電車に乗っている途中次はここに探しに行こうとか、ここなら居そうとか話しながら揺られていた
    「そういえばあの人私たちが聞き込みしてた時にいたよねぇ」
    「そうだっけ?」
    「そうだよあの赤い服の女の人」
    「あぁ、あの人か、確かにいたな」
    「そうだ!話変わるけどさぁ……」
    この後も色々話して家まで着いた。

    「おかーさーん風呂入るよー」
    「わかったよー」
    相変わらずかあさんは子供っぽいなぁ
    


    「痛い!痛い痛い痛い!」暗闇の中でまーちゃんは叫んでいた。「ゆちゃ!助けてよゆちゃぁあ!」
    
    目を開けたら浴槽の中だった。お湯に浸かってるのに悪寒と激しい虚無感に襲われた。
    
    「ゆうりーいつまで入ってるの〜?のぼせるよぉ?」
    「はぁい」 
    やっぱかあさんは子供っぽ…………
    あれは誰だ?家の風呂はドアがモザイクみたいなのになっていて、ドアの前の人がシルエットになって見える。
   今そこに立っているのは身長170cmぐらいの人だ、かあさんは160もないのに。
    怖くなったが勢いよくドアを開けた。そこには誰もいない。
    「どうしたの?勢い良くドアを開けて」
    「今日誰か私達以外にいる?」
    「いるはずないじゃない、また風呂で夢でも見たの?」
    「そうかもね……」
    私は髪を乾かしたあと自分の部屋に戻りこのことを日記に書こうと決めた

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