聖戦第二幕/神将の復活

ヤマネコ

第5話 謁見

シラヌス一同は、国王の待つ王宮へ続く市街地を歩いていた。だが、何かのセールなのか、一部の商店に人が密集し混雑になって進めなくなっていた。

「おいおい、一体どうなってんだよこれっ!」

ラグベルトは我慢が出来なかったのか、いきなり苛立ち出した。

「まぁまぁ、そうイライラせずに。まだ謁見まで時間があるのですから。」

と、バーレスがラグベルトを説得した。

「ちっ、分かったよ。でもさー、人が多過ぎねえか?」

「あの店は毎回、あるセールスをしているんですよ。なので多分、あれはセールスをしているんでしょうね。まぁ、トローム王国ならではのいつもの感じです。」

「毎回あの感じなのか?!」

ラグベルトはびっくりした。

「はい。あっ、王宮が見えて来ましたよ。」

なんと、目紛しい程の金色の王宮がシラヌス達の前へ現れた。シラヌス一同は王宮の前へと行き、そこでグレイマンからある指示が出される。

「ここから王宮内は武具などの持ち込みは禁じられていますので、ここでお預かりを。」

ラグベルト、バーレスと他の衛兵達はトローム王国の衛兵に武具を渡した。

「あと、王宮内に入るのはシラヌス様とバーレス将軍の2名までですので、以下の人たちはここで待機をお願いします。」

グレイマンの指示通り、シラヌスとバーレスはラグベルト含む将兵達をそこへ残し、王宮へ入っていった。王宮内は全て金色でとても華やかさがあった。とそこで、シラヌス達の目の前に大男が一人現れた。姿は華やかな服装をしており、如何にも王様的な雰囲気が身体中から漂っていた。そしてその大男は玉座へキョトンと座り、シラヌス達をジーッと凝視した。その目はとても大きく、蛇のような目でとても独特な威圧を感じる。シラヌスは唾をぐっと飲み込み、話し始めた。

「我は、ラグズ王国三代国王シラヌスである。そして、後ろにいる者はラグズ王国将軍バーレスである。」

シラヌスは、小さな汗をかき始めた。すると大男は口を開き、

「ほう、ひょろひょろの国王とガキの将軍か。もっと我より大きな男が来るかと思っておったが、期待外れか。我は、トローム王国4代国王ロナルドだ。んで、この我に何用か?おお、そうか。今日は貴様との謁見をするのであったな。」

「実は、ラグズ王国とトローム王国との同盟を結びたく、ここへ赴いたのだ。」

「ほーう、我が国と同盟を結ぶ、か。その同盟とはどういうものなのだ?」

「現在、我が国とトローム王国は四ヵ国に取り込まれんとしておる。そして、このバーレス将軍はこのままだといずれは歴史史上初の大戦が始まると予言しておるのだ。だから、大戦が始まる前にこちらで準備をし、この二カ国で戦おうという決意表明なのだ。」

「バーレス将軍とやら、歴史史上初の大戦が起きるとはどういう事なのだ?」

「はい、私も予言者ではありませんのであまり深くは分かりませんが、我が国ラグズ王国はこの前の反乱があり、そこで反乱軍の首謀者であるトーレスは隣国バルコと手を組んでバルコ王国は軍を動かして来ました。」

すると、ロナルドはそれを聞いて何かを察したかのように眼を丸めた。

「そうか、そういうことか。ならば我が国とラグズ王国、同盟を結ぼうではないか!」

こうして、ラグズ王国のシラヌスとトローム王国のロナルドは握手をし、二国は同盟を結び、無事謁見を終えた。だが、ラグベルト達の所へ戻った時、驚くべき報告を受けることとなる。

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