第1話　西の大国、動く！

ある日の朝、街の皆が動き出す時間にラグズ王国は突如ある報告を受ける。

<玉座の間>

「シラヌス様、南西のバル門よりトローム王国の使者が来ているとの報告が入って参りました。」

「よし、通せ。」

「承知しました。」

シラヌスは、トローム王国の使者を快く通し、王城の玉座の間へ招き入れた。

「さて、何故お主らは此処へ訪れたのじゃ？」

シラヌスは聞いた。すると、

「はい、実は我々の国と同盟国であるこのラグズ王国の国王の貴方様に報告がありまして。」

「はて、その話とは？」

「ついに、あの西方の大国ルシガン聖王国が動き出しました。」

「何？！それは誠か！」

シラヌスは驚いた。

「はい、それもルシガンの他にグルーメル、キグロス、バルコの三ヶ国も同時にです。」

「四ヵ国も同時にだと？！」

「あいつらは一体何を考えているのだ！」

玉座の間が騒つく。

「情報によりますと、その四ヵ国はバルコ王国を中心に動いているようです。では、我々はこれで。」

トローム王国の使者が去っていった。

「うーむ、こうなる事になるのは大体予測していたが、まさかその時が今とは。」

とその時、男の声がした。

「シラヌス様、それならば心配は要りませんよ。」

「誰じゃ。」

「ラグズ王国将軍、バーレスでございます。」

声の主はラグズ王国将軍、バーレスだった。