うちのメイドが強すぎる件について

一ノ瀬騎凛

プロローグ1

 春。出会いの季節。その反対、別れの季節とも言う。ライラはハッシュブルグ家の屋敷から旅立ち、首都ノルンへ訪れていた。
「それじゃぁ、今までありがとう。たまに帰ってくるからその時はいろんな話をするよ」
そう言ってライラは家を出た。一人暮らし・・・
では勿論ない。両親は1人はとても心配だから向こうでも1人でいいからメイドか使用人を雇いなさいと言われたのでやむなく雇うことに。
心配性な親だと思いつつも、ライラは早速使用人雇用所に向かう。
・・・・・・
「嘘だろ・・・・」 
契約金の額を見てライラは唖然とした。
「使用人ってこんなに高かったの?」
低いものでも30万ウッズ。(※1ウッズ=1円)
1番高いやつで80万ウッズである。
「あの、雇用所ってここ以外無いんですか?」
「はい。ノルンの雇用所はここのみとなっております」
どうやら今すぐに使用人を雇うのは難しそうだ。
取り敢えず今必要なのは衣食住のうちの住だ。
宿屋かでの寝泊まりか、自分で家を買うぐらいをしなければ。(因みに衣食はほとんど揃っている)
親から家だけの代金は貰っているのでそこはなんとかなる。(合計1200万ウッズ)
だが、どこで買うか.....。
考えながら街をブラブラと散策していると、路地の近くから。
「うぅ・・・・・」
声が聞こえた。とても小さいが声が聞こえた。
とても苦しそうで今にも消えてしまいそうな。
ライラは声のした方へと歩を進める。薄暗く、かび臭い路地裏に小さな人影を見た。
着ている服はボロボロで。目を凝らして見てみると、そこには力なく座り込んでいる女性、いや、少女がそこにいた。
「だ、大丈夫てわすか?!」
ライラは少女に駆け寄り意識があるか確認する。
「だ、誰・・・・・?」
そう言うと少女はガックリと項垂れてしまった。
慌てて息があるかを確認する。
「よかった。少しだけ気を失ってるだけだ・・・」
とにかくここから運び出さなければ。
ライラは近場の宿屋へ少女を抱き抱えて走った。

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