異世界転生で超お嬢様になってました!?

常磐ゆうり


「あら、このままいなくなってくれれば良いのにーー」




と言い残して去ったとか。

転生前の茉莉花のお母さんは私が14のときに交通事故で私を庇って居なくなったから、通り魔に刺されたときは正直お母さんに会えると思ってた。だから、死ぬのもあまり怖くなかった。転生するとは思ってもみなかったけど。

「もったいないな…」

そう静かに呟いた。幸いその声は誰にも聞かれていなかったようだ。聞かれていたら記憶喪失だろうが、確実に疑われていたことだろう。

「ここだけの話、私は御主人様からお嬢様に仕える契約故、死ぬまでお嬢様の名に背くことは許されません。」

それがどうしたんだろう。いや、前世っていうか2019年の日本の庶民からしたらおかしいんだけど、けど、どういうことなんだろう。

「御主人様からは自分よりもお嬢様を優先してくれ、とのことなのです。つまりお嬢様と奥様で対立するような事があれば、今の侍女は全員お嬢様側に付きます。」

難しいけど、対立したら侍女は私側に全員つくことが出来るってことだよね。

「そのことをお母様は御存知なの?」

私は静まった部屋で他の誰にも聞かれない様にレイヤに尋ねた。

「いえ、御存知無い筈です。御存知ならばこんなことはしないでしょう。ただ、私たちも一緒に追い出すつもりならば話は別になるでしょう。」

レイヤは静かな声色で小声で答えた。





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