異世界転生で超お嬢様になってました!?
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「あの、ここどこですか……」
捻り出して答えた答えだ。
「お嬢様のお部屋です。お嬢様もしかして私のことも分かりませんか?」
ここが自分の部屋なんてどんなお金持ちなのだろう。私の家がまるまる入るのではないか。そう思いながら私は目だけで部屋全体を見渡した。
「えぇ、すみません、わからないです。」
私はわからないという言葉に息を詰まらせながら申し訳なさそうに声を出した。
「そうですか、私はレイヤ・ファマスと申します。お嬢様のお世話係兼侍女長をさせていただいております。」
意外に冷静だった。もっと慌てるかと思っていたのだが違った。社会人数年目の人くらい若いのに見た目に反してこの人はそこそこ偉い人、なのだろうか。んで、その人にお嬢様と呼ばれるということはお金持ちの令嬢とかなのかな。それなら話と部屋の辻褄が合う。ということは、本当に異世界に転生してしまったのではないか!?とりあえずこの"リリス"だっけのことについて覚えなくては。
「あの、私について教えてくれますか?」
そう言いながら上半身を起こそうとした。
「お嬢様、分かりましたからどうか無理はされずにーー」
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