悪役令嬢登場! ~伝説の召喚士は転生して最強を目指すそうです~
19 何が起きた
[前回のあらすじ]
戦いを終えた俺たちは、家に帰ろうとしたが...
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
「ちょ、お父様。大丈夫なんですか?」
「ん? あぁ、さっきの奴等か。軽くぶんなくったら逃げてったぞ。」
彼は、余裕な表情でそう言いながらエプロンを体に巻く。
「ご..ご主人様、料理なら私が」
門番さんは無理に立ち上がろうとしたが、足の傷が痛むのかそのまま倒れてしまった。
そんな彼に師匠は、フライパンを用意しながら
「いいよいいよ。お前は休め。そして、娘達にでもさっきの件について話してやれ。
で、あと見たこと無い顔が居るが..」
あ、気づいてたんだ。てっきりこのまま聞かずに終わると思ったよ。
「この人は俺とヴァーナを助けてくれた友人です。」
俺がそう言うと、ハヤトは頭を下げた。
「そうかそうか! よし、今日はもう暗いから泊まっていきなさい。
...え、助けた? 学校で何かあったのか。」
あ、師匠は今日ずっと家にいたから知らなかったのか。
俺はなるべく完結に、そして短くなるよう工夫して説明した。
「..ってことはあいつらもその仲間か。どうやら黒幕は結構厄介なようだな」
彼は重たい口調でそう言った。そして、
「まぁ、取り敢えずご飯作るから。あ、そうだ! 机直しといてくれ。」
そういって彼は扉を開けてキッチンへ行ってしまった。
じゃあ、その間にこの人の話を聞くか。
六人で、机を直しながら。
「...で、何があったんですか?」
俺はでっかい机を持ち上げながら言う。
「後片付けまで申し訳ない。実は..」
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
「今からちょっと前です。主人は、お久しぶりの一人での夜食にたいそう寂しがられ、
私に一緒に食べるようご命令されました」
あの人..何やってんだ
「そして、一緒に食べていたのですが..その時に」
○△▽○△▽○△▽○△▽○△▽
「いやぁ、あいつらどうしたんだろうな! ホント暇でしょうがない。なぁ、『士郎』よ。」
カブスは笑いながらナポリタンを口に加える
「まだ、お若いですから。これも青春ですよ」
士郎はそんな彼に微笑みながら言う。
「..だが、退屈しのぎは自然と用意されているようだな」
二人は突然、家に不法侵入した者の殺気を感じ取った。
士郎は水晶玉を取り出し、敵を映し出す。
「主様、戦闘の許可を」
「あぁ、もちろんだ。『あれ』を使っても構わんぞ? ただ者じゃないだろうからな」
彼は、ワクワクした顔をしている。
「感謝します」
次の瞬間、食堂の扉が破壊された。
灰やホコリが散る。その中から二人の人影がうっすらと写った。
「う..うが。殺す。貴様ら全員...!」
「夜間に突然失礼します。和也君はいらっしゃいますか?」
一人はろれつが回らないような声で細々と口を開け
もう一人はそれとは対照的に緑色の短髪で礼儀正しくお辞儀する。
「残念だが、許可なく家を破壊する奴等に我の家族はやれんのだ」
彼は赤い霧を手から出して、先と根本両方に角がある槍を装備する。
「士郎、お前はあの長髪根暗を相手してやれ。家を破壊しない程度にな」
「承知しました」
そう言いながら胸ポケットからまた、水晶玉を出して青く光らせた。
「さぁ、これでどちらも一対一だ。思う存分楽しまれてもらう!」
槍をもう一度強く握りしめ、そして...
「さっきのドアの修理費、どうしてくれるんだぁぁぁ!!!!!」
飛び上がり、振り上げ、叩き斬る。敵はそれを腰の刀を抜いて受け止めた。
とてつもない金属音が響く。その衝撃で、食堂の机がぶっ飛んだ。
「ほぉ、受け止めたか。少なくとも、ゴブリンよりは強いのだな」
彼は瞳孔を開き、さらに力を込める。
「...さすがはドラキュ族の生き残り。どうやら僕には、到底敵わない様ですね。」
カブスは最初の言葉に驚き、その後とうとう刀を叩き割った。直後に敵は後ろへ下がり、槍をかわす。
「でも、いいんですか? お連れの人、たぶん死んじゃいますよ。あまり彼女をなめない方が良い」
彼はニヤリと笑ってこう告げる。
「それは..こっちのセリフだよ」
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
「なんだ? それは。そんな魔力を封じ込めただけの玉で私を倒せるとでも?」
彼女は笑いながら杖を持つ。
「いえ、これで戦うのではありません。第一に私は魔法は得意じゃないので」
そう言った瞬間、彼の筋肉が風船のようにさらに膨れ上がった。
「ははは、じゃあ何の意味がある。お前みたいな奴に戦う資格は無い!」
そう怒鳴った後、即座に呪文を唱え始めようとしたが、士郎はそれを見逃さない。
口を開けた瞬間に目の前に移動し、杖を蹴り飛ばす。そして焦る隙も与えず、腹を殴る。
「うぐ。今、何を...」
顔が青くなり、うまく立てないようだ。
そんな奴に、士郎は笑顔で
「言ったはずですよ、私は魔法を使えないのです。その代わりに体術の心得がありましてね」
「リミッター..解除か。」
敵は倒れこみながら踏ん張って口をあける。
「えぇ、あの水晶に毎日魔力を溜めておいて、いざというときに放出し、魔力コントロールで
全身の筋肉に作用させて一時的に大幅にパワーアップするんです」
「くそ、クソクソクソクソ! ふざけやがって」
彼女は今度、黒い霧で体を包む。
そして...あの魔法
[怨呪の人魂]
「では、お互いこれで最後にしましょう。」
士郎は息を吐きながら、両手を合わせて魔力を溜める。風が吹く。それが彼の両手に吸い込まれる。
[大風圧縮波!]
彼の必殺技は風のような速さで相手に向かう。
....
△△△△△△△△△△
カブスは後ろへ逃げた相手に魔法を使わせないため、直ちに追いかけ槍を振る。
まずは、横攻撃。これは爆転でかわされた。次も一回転して横攻撃。
真後ろはもう壁だから、ジャンプしないとかわせない。予想通り、敵は飛んだ。
そこを槍で目にも止まらぬ速さで刺していく。
一撃目は左腕に当たり、ニ撃目は腹に当たる。三撃目は目に刺さった。
だが、予想外なことにこの状況下で立ち上がり、呪文を唱える。
「残念でした。僕って不死身なんです。」
血まみれで、左目が閉じていて、血が流れている。それでも笑顔で話す。
[妖樹成誕]
奴は地面から木を生やし、カブスの体を巻き付けた。
「その木は対象の魔力を吸い尽くす。さぁ、どうしますか?」
「なかなかだな。奥の手を温存してなかったら死んでたかもしれん」
...ドロン!!
風船が弾けるように消えてなくなる。
「何?..分身か!」
カブス本体はもう敵の真後ろにいた。
「お前は頭が良い。だが、少し油断したな」
そういって、殴り飛ばす。
ぶっ飛び、50メートルぐらい先の壁に当たった。
「い..いつ分身を」
例え不死身と言えども、直でくらったらただじゃすまない
「お前が倒れた瞬間だよ。どんな奴でも真下を向いた状態で前を見るのは不可能だからな
その後、我の能力で闇に紛れて後ろに移動しただけだ」
「闇...」
「まぁ、今さら遅いけどな!」
封印魔法を唱える。そのときに、士郎が相手していた敵も、同じくぶっ飛んだ。
「おぉ、これで二人まとめておさらばだ!」
唱え終わり、地面から鎖が出てくる。
しかし、
「『おさらば』はこっちのセリフですよ」
そういって、二人は捕まる直前に魔力を体にまとって屋根を壊し、逃げられた。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
「...と、いう感じです」
この人、俺たちが三人で相手してやっと互角だったやつに一人で勝ったのか。
あれ..?
「じゃあ何でそんな怪我を」
士郎さんの話なら、相手に一撃ももらわずに倒していたはずだ。
「私のあの力は、体に相当な負荷をかけます。よって、使用後は全身傷だらけになるのです」
おぉ、そりゃ痛そうだ。それなのによく料理を手伝おうとしたな。
師匠が気に入るわけだ。
「おーい! 皆、今日は余り物のシチューだぞ。たぶん美味しいから席についてくれ」
どでかい鍋で運んできた。あれ? フライパン持って行ったんじゃなかった?
「おぉ、ありがたきご馳走ですぞ。大師匠殿」
「え? 俺も食べていいの? やったー」
「なんか..久しぶりに感じるっす!」
「はぁ...ようやく食にありつけたわね」
こうして、いつもより賑やかな夜食を食べて
何とか平和に過ごせたのだった。
ちなみに、グロッグはまたまた、最後らへんでの出番がなかったのだった。
戦いを終えた俺たちは、家に帰ろうとしたが...
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「ちょ、お父様。大丈夫なんですか?」
「ん? あぁ、さっきの奴等か。軽くぶんなくったら逃げてったぞ。」
彼は、余裕な表情でそう言いながらエプロンを体に巻く。
「ご..ご主人様、料理なら私が」
門番さんは無理に立ち上がろうとしたが、足の傷が痛むのかそのまま倒れてしまった。
そんな彼に師匠は、フライパンを用意しながら
「いいよいいよ。お前は休め。そして、娘達にでもさっきの件について話してやれ。
で、あと見たこと無い顔が居るが..」
あ、気づいてたんだ。てっきりこのまま聞かずに終わると思ったよ。
「この人は俺とヴァーナを助けてくれた友人です。」
俺がそう言うと、ハヤトは頭を下げた。
「そうかそうか! よし、今日はもう暗いから泊まっていきなさい。
...え、助けた? 学校で何かあったのか。」
あ、師匠は今日ずっと家にいたから知らなかったのか。
俺はなるべく完結に、そして短くなるよう工夫して説明した。
「..ってことはあいつらもその仲間か。どうやら黒幕は結構厄介なようだな」
彼は重たい口調でそう言った。そして、
「まぁ、取り敢えずご飯作るから。あ、そうだ! 机直しといてくれ。」
そういって彼は扉を開けてキッチンへ行ってしまった。
じゃあ、その間にこの人の話を聞くか。
六人で、机を直しながら。
「...で、何があったんですか?」
俺はでっかい机を持ち上げながら言う。
「後片付けまで申し訳ない。実は..」
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「今からちょっと前です。主人は、お久しぶりの一人での夜食にたいそう寂しがられ、
私に一緒に食べるようご命令されました」
あの人..何やってんだ
「そして、一緒に食べていたのですが..その時に」
○△▽○△▽○△▽○△▽○△▽
「いやぁ、あいつらどうしたんだろうな! ホント暇でしょうがない。なぁ、『士郎』よ。」
カブスは笑いながらナポリタンを口に加える
「まだ、お若いですから。これも青春ですよ」
士郎はそんな彼に微笑みながら言う。
「..だが、退屈しのぎは自然と用意されているようだな」
二人は突然、家に不法侵入した者の殺気を感じ取った。
士郎は水晶玉を取り出し、敵を映し出す。
「主様、戦闘の許可を」
「あぁ、もちろんだ。『あれ』を使っても構わんぞ? ただ者じゃないだろうからな」
彼は、ワクワクした顔をしている。
「感謝します」
次の瞬間、食堂の扉が破壊された。
灰やホコリが散る。その中から二人の人影がうっすらと写った。
「う..うが。殺す。貴様ら全員...!」
「夜間に突然失礼します。和也君はいらっしゃいますか?」
一人はろれつが回らないような声で細々と口を開け
もう一人はそれとは対照的に緑色の短髪で礼儀正しくお辞儀する。
「残念だが、許可なく家を破壊する奴等に我の家族はやれんのだ」
彼は赤い霧を手から出して、先と根本両方に角がある槍を装備する。
「士郎、お前はあの長髪根暗を相手してやれ。家を破壊しない程度にな」
「承知しました」
そう言いながら胸ポケットからまた、水晶玉を出して青く光らせた。
「さぁ、これでどちらも一対一だ。思う存分楽しまれてもらう!」
槍をもう一度強く握りしめ、そして...
「さっきのドアの修理費、どうしてくれるんだぁぁぁ!!!!!」
飛び上がり、振り上げ、叩き斬る。敵はそれを腰の刀を抜いて受け止めた。
とてつもない金属音が響く。その衝撃で、食堂の机がぶっ飛んだ。
「ほぉ、受け止めたか。少なくとも、ゴブリンよりは強いのだな」
彼は瞳孔を開き、さらに力を込める。
「...さすがはドラキュ族の生き残り。どうやら僕には、到底敵わない様ですね。」
カブスは最初の言葉に驚き、その後とうとう刀を叩き割った。直後に敵は後ろへ下がり、槍をかわす。
「でも、いいんですか? お連れの人、たぶん死んじゃいますよ。あまり彼女をなめない方が良い」
彼はニヤリと笑ってこう告げる。
「それは..こっちのセリフだよ」
▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽▽
「なんだ? それは。そんな魔力を封じ込めただけの玉で私を倒せるとでも?」
彼女は笑いながら杖を持つ。
「いえ、これで戦うのではありません。第一に私は魔法は得意じゃないので」
そう言った瞬間、彼の筋肉が風船のようにさらに膨れ上がった。
「ははは、じゃあ何の意味がある。お前みたいな奴に戦う資格は無い!」
そう怒鳴った後、即座に呪文を唱え始めようとしたが、士郎はそれを見逃さない。
口を開けた瞬間に目の前に移動し、杖を蹴り飛ばす。そして焦る隙も与えず、腹を殴る。
「うぐ。今、何を...」
顔が青くなり、うまく立てないようだ。
そんな奴に、士郎は笑顔で
「言ったはずですよ、私は魔法を使えないのです。その代わりに体術の心得がありましてね」
「リミッター..解除か。」
敵は倒れこみながら踏ん張って口をあける。
「えぇ、あの水晶に毎日魔力を溜めておいて、いざというときに放出し、魔力コントロールで
全身の筋肉に作用させて一時的に大幅にパワーアップするんです」
「くそ、クソクソクソクソ! ふざけやがって」
彼女は今度、黒い霧で体を包む。
そして...あの魔法
[怨呪の人魂]
「では、お互いこれで最後にしましょう。」
士郎は息を吐きながら、両手を合わせて魔力を溜める。風が吹く。それが彼の両手に吸い込まれる。
[大風圧縮波!]
彼の必殺技は風のような速さで相手に向かう。
....
△△△△△△△△△△
カブスは後ろへ逃げた相手に魔法を使わせないため、直ちに追いかけ槍を振る。
まずは、横攻撃。これは爆転でかわされた。次も一回転して横攻撃。
真後ろはもう壁だから、ジャンプしないとかわせない。予想通り、敵は飛んだ。
そこを槍で目にも止まらぬ速さで刺していく。
一撃目は左腕に当たり、ニ撃目は腹に当たる。三撃目は目に刺さった。
だが、予想外なことにこの状況下で立ち上がり、呪文を唱える。
「残念でした。僕って不死身なんです。」
血まみれで、左目が閉じていて、血が流れている。それでも笑顔で話す。
[妖樹成誕]
奴は地面から木を生やし、カブスの体を巻き付けた。
「その木は対象の魔力を吸い尽くす。さぁ、どうしますか?」
「なかなかだな。奥の手を温存してなかったら死んでたかもしれん」
...ドロン!!
風船が弾けるように消えてなくなる。
「何?..分身か!」
カブス本体はもう敵の真後ろにいた。
「お前は頭が良い。だが、少し油断したな」
そういって、殴り飛ばす。
ぶっ飛び、50メートルぐらい先の壁に当たった。
「い..いつ分身を」
例え不死身と言えども、直でくらったらただじゃすまない
「お前が倒れた瞬間だよ。どんな奴でも真下を向いた状態で前を見るのは不可能だからな
その後、我の能力で闇に紛れて後ろに移動しただけだ」
「闇...」
「まぁ、今さら遅いけどな!」
封印魔法を唱える。そのときに、士郎が相手していた敵も、同じくぶっ飛んだ。
「おぉ、これで二人まとめておさらばだ!」
唱え終わり、地面から鎖が出てくる。
しかし、
「『おさらば』はこっちのセリフですよ」
そういって、二人は捕まる直前に魔力を体にまとって屋根を壊し、逃げられた。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
「...と、いう感じです」
この人、俺たちが三人で相手してやっと互角だったやつに一人で勝ったのか。
あれ..?
「じゃあ何でそんな怪我を」
士郎さんの話なら、相手に一撃ももらわずに倒していたはずだ。
「私のあの力は、体に相当な負荷をかけます。よって、使用後は全身傷だらけになるのです」
おぉ、そりゃ痛そうだ。それなのによく料理を手伝おうとしたな。
師匠が気に入るわけだ。
「おーい! 皆、今日は余り物のシチューだぞ。たぶん美味しいから席についてくれ」
どでかい鍋で運んできた。あれ? フライパン持って行ったんじゃなかった?
「おぉ、ありがたきご馳走ですぞ。大師匠殿」
「え? 俺も食べていいの? やったー」
「なんか..久しぶりに感じるっす!」
「はぁ...ようやく食にありつけたわね」
こうして、いつもより賑やかな夜食を食べて
何とか平和に過ごせたのだった。
ちなみに、グロッグはまたまた、最後らへんでの出番がなかったのだった。
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