悪役令嬢登場! ~伝説の召喚士は転生して最強を目指すそうです~

ノベルバユーザー313607

16  その名は『フォンヌ』!!

[前回のあらすじ]
三人と一匹の活躍により、敵の大軍を大方片付けることに成功した。
しかし、彼らの上司らしき人物が登場。
そいつの登場によって戦況が大きく変わった。
そして、彼女は、『ターゲット』を探しているらしい


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たーげっと? 俺かヴァーナが?
まぁ、ただ者では無いのは確かだ。それにさっきの魔法、妙に顔がリアルだった。本物の人間が封じられているのか? そうだとしたら、恐ろしい奴だ。


「杖を出した瞬間に、反応するとはなかなかやるわね坊や。
もしかして、私の事知ってた?」


その問に、ハヤトは真顔で言う。


「あぁ、あんたはもう有名だよ。
一夜にして4つの里を滅ぼしたグループの一人
『フォンヌ·ブローネ』、だろ?」


それを聞いて、奴はまた、狂ったように笑う。笑う。10病後くらいになると元に戻ったようだった。また、杖を構える。あの技を使われ続けたら、例え彼でも防ぎきることは出来ない。


「二人とも、何か使える魔法はないか?」


「私、やれます」
ヴァーナが即答した。恐らく、ダンジョンの時のあの技を使うのだろう。


彼女は翼を生やして、両手から青紫色の魔力を溜め始める。
..だが、あのときとは違う。前よりずっと強く、そして禍々しい。
蛇が出てくる。前と違うのは数だ。3匹くらい増えている。これには彼女も驚きが隠せないようだ。


         [悪魔喰襲!]デーモン·ソウル


敵も黙ってはいない。彼女の必殺技を見た瞬間、慌てて呪文を2回言って繰り出した。 悪魔vs謎の幽霊 である。
だが、圧倒的に数に関してはヴァーナの方が有利だ。頼む。持ちこたえてくれ。


悪魔6体が、一斉に謎の顔に襲いかかる。だが、前のようにはいかず、相手側も必死に抵抗している。その間、俺たちはなるべくばれないように、魔法を唱えていく。といっても、俺はただ、スライムを準備させておくだけだが


ハヤトは、幽霊の動きを遅くさせた。恐らく、あの魔法は魔力を大きく使うから複数に使うのは無理があるのだろう。
前の野次馬から守ってもらった時も息を少し荒くしていたからな。でも、それだけで十分だ。これにより、相手はこの不利な状況を続けなければならない。
矛先をハヤトに向けた瞬間、ヴァーナの悪魔に喰いちらかされるからだ。


これなら勝てる。でも、一応


「おい、グロッグ。魔方陣って真上とかにも設置できるの?」


「あぁ、そこに物体があればな。
ちなみにいい忘れてたが、自分自身も召喚することができる」


おぉ、めっちゃ便利だな。よし、作戦は決まった。


圧倒的に有利だと思われるこの状況、敵は黙っていなかった。
突然、奴の詠唱歌詞が変わり始めた。魔方陣が、4か所に設置される。
また、大軍が..と思ったが、魔力温存のためかさっきほどの数ではなかった。
だがこの状況、形成逆転されたと言っても過言ではない。
何しろ、また現れるゾンビたちと戦える者が俺しか居ない。


「どうにかしてくれ、グロッグ。!」


「いや、そんな事言われ..いや、一つお前にしか出来ない事がある。
あの魔方陣をお前の魔方陣で上書きするんだ。
幸い、あいつはまだお前が[召喚魔方陣]を使えるとは知らないからな。」


「そうか、ナイスアイデアだ。ありがとう」


「おぉ、頑張れよ。」


早速、俺は上書きを試みる。4回唱えて、狙いを定める。
一つ失敗したが、もう一度唱えて、次は成功した。
よし、上書き完了。だが、こちらが不利なのは変わりがない。
俺が、完了するまでの間に70体が召喚されたのだ。


「フフフ、私をここまで追い詰めたのは誉めてやる。だが、もう終わりだ。」


フォンヌは完全に勝ったと思い油断している。チャンスだが、状況の打開策が見つからない。そんなときだった。


ハヤトが、堂々と自信をもって言い出す。


「それは、どうかな? 俺はまだ本気を出していない。お前の弱点もわかったしな」


何か、策があるのだろうか。と俺が思った瞬間、俺の目の前の敵が突然血しぶきをあげる。よく見ると、とてつもない早さでハヤトが敵を斬っている。というか、いつの間に剣を..


「言ったろ? これが俺の本気だ。まぁ、魔力の消費が半端ないがな。」


つ、強い。師匠と互角なんじゃないのだろうか。いや、まだあの声がうるさい人の方が勝つだろう。何せ、相手の視界を操れるのだから。


「く、クソガァァァァ」


師匠の2倍くらいの大声を出したはいいものの、後ろに迫ったハヤトに気づかず、彼が剣を振り下ろすまで反応出来なかった。ギリギリ交わしたので軽い傷しか出来な
かったが驚いて、前方の悪魔達のことを一瞬忘れてしまった。
よってさらにヴァーナの追撃が加わる。


勝った...のか?







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