君に伝えたいこの気持ち

ノベルバユーザー313493

君に伝えたいこの気持ち

  「天あおぎ歩み眺める百合の花強く儚く背をはるあなた」
   いつの頃からだろうか彼女を見ると心が満たされるようになるのは。
   いつの頃からだろうか彼女が他の男と話していると心が締め付けられるのは    
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    気がつけば私は彼女を目で追うようになっていた
そして、友達からいくつかの恋愛体験談を聞いて、いくつかの恋愛本を読んでしばらくしてから気がついた
     《自分は彼女のことが好きだ》
  今思えば何故こんなにも、この気持ちに気が付くのが遅かったのか分からない
  しかし今まであのような気持ちになったことは無かったので仕方がないかもしれない
  そして私は"彼女に告白する"ことを決めた
彼女はあまり笑わない、クラスでも一人でいることの方が断然多かった。しかし自分は見てしまった彼女が心から笑っているであろう姿をそれは私にとっての革命であった
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    いつもの帰り道、
  「ねぇ君可愛いね~、俺らと遊ばない」
      「や、やめてください」
  「え~いいじゃんよちょっとだけだからさ~」
      あからさまに彼女が嫌そうにしていたので、可哀想に思い私は彼女を助けようとした。            
    いや、其だけではない可哀想に思えたのもあるが、おそらく一番はチャラ男達に撃退し少しでも話せたらという下心があったのだと思う。
    それに私は家の方針で、柔道と剣道を習っていた。柔道にいたっては県の大会でもいい成績を残したこともあるほどの実力があった。
  「おい!お前達やめないか、彼が嫌がっているじゃないか‼」
    「んぁ!?てめぇ誰だ、邪魔すんじゃねぇよ
      やっちまえ 」
    彼らは3人がかりで襲いかかってきた、一人を私が大外刈で倒すと、残りの2人が怯んだように見えた。
     そのまま彼らは仲間を残して走って逃げていってしまった
   「あ、あのありがとうございました」
"がばっとでも擬音のつきそうな勢いで彼女が頭を下げてきた
そしてこれが初めての2人の会話となった
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    次の日彼女と会話をすることはなかった
 しかしこの日から私はあるものを彼女に送るようになった
1日目、君が呼ぶその目の先の誰かの中に入る幸せ夢のよう
2日目、本を読む牡丹に見とれ時忘れ幸せ包む時や短じかし
3日目、姿かえ尾を降るあなた雫落ち香る蜜へのさそはれる虫
4日目、雨に濡れたたずむ私傘忘れ遠き記憶に思い馳せるや
5日目、力なき我はずかしむ月の世に思い新たに眺める朝日
6日目、月見れば国は同じと谷へなり思いしいもは遠きなるかな
7日目、星をよみ時満ちたるはこの頃にいざ呼び掛けん御霊の声を
  そして8日目、私は遂に告白することを決めた。その日は朝早くに学校へ行き彼女の下駄箱に手紙をそっといれてから教室へ行った。自分でも古いやり方だとは思ったがこれが一番いいと判断したためである。
    そしてこれが手紙の内容である
  "私は以前からあなたに思いを寄せていました。もしよろしければ放課後校舎裏まで来て下さい"
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   放課後、さてもう後戻りはできない私は決心をして校舎裏に行った。
   彼女はまだ来てはいなかった、しかしいつ来るのかわからないまま待つのはとても辛いものであるとこの時初めて学んだ。
     そして何時間経過しただろうか、ほんとはもっと短かったかも知れない、やっと彼女はきた
  「やっぱりあなただったんだ・・・
     毎日この手紙を送ってくれていたのあなたでしょ」
  私はドキッとしたどうやらバレていたらしい
     「その実はずっと前からあなたのことが好きでした。付き合ってください」
  「理由を聞いてもいい」
 そして私は彼女に今までの経緯を全て語った。
   「そう、
     ひとつ言うねあの手紙普通の人じゃ意味わからないよ。」
  そんなことを言われた私は遠回しにフラれたと思い悲しくなった。しかし次の言葉で変わった
「でもね、私は嬉しかった。
      言いたいこともわかったよ。
  だから答えは・・・
         こちらこそよろしくお願いします」










      こうして私たちは付き合うことになった





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