魔王おばあちゃんのマメ知恵を駆使してまったりスローライフ

ノベルバユーザー313493

魔王、再び英雄へ

 「魔王様大変です」


 そう駆け込んできたのはベルゼバブだった。


 「どうした」
 「たった今マトラ火山の噴火予兆が起こりまして、これから20分後に噴火するとのことなのですが、あまりにも急だったため住民の避難が遅れておりこのままでは被害が出るとのことです」
 「わかった今すぐ向かおう」


 そう言うと魔王は服を着替えるとすぐにマトラ火山がある近くの町マルルにいるマトラ火山を監視している悪魔と人間の元へ飛んだ。


 「状況はどうなっている」
 「は!現在徐々にマグマが火口付近まで昇ってきており。予定より5分早いあと3分後に噴火の予定です」
 「よし、では悪魔全員で火口上空に雨雲を作り噴火と同じに雨を降らせて火山灰の飛散を防止、俺は噴火で飛んでくる噴石と流れ出るマグマを止める総員配置につけ!」


 それだけいうと悪魔達は一斉に飛び出し、火口より5キロほど離れたところで雨雲を喚んで待機した。
 そしてそれはついにやって来た。


 ズッドーッン!!ゴゴゴゴッ


 「総員降らせ!」


 魔王の命令により悪魔達がスコールのような雨を降らす。そのおかげで火山灰は山の周辺にのみ積もった。そして悪魔達が雨を降らす間魔王は噴石から悪魔達を守りそしてマグマをうまく上のほうから少しずつ流しながらせき止めた。そして2日が経過するとやがて噴火は一旦収まった。


 「よし気を抜くなよ、次の噴火に備えろ」


 そうして2時間が経過すると第2波がやって来た。それを先程と同じように防ぐ魔王と悪魔達、それから4日休むことなく守り続けようやく噴火は収まった。


 「ふぅ、お前達よくやった。お前達のおかげでここの住民は救われた、お前達のやったことは素晴らしいことだ。誇るがよい!」


 そう言うと全員で町へもどった。


 「魔王様この度はありがとうございました。なんとお礼をしたらいいのか、せめてここの名物を用意したので食べていってください」
 「そうかありがとう。いただくとするよ」


 そう言って悪魔達は村長に連れられて町の大通りをたくさんの歓声を浴びながら歩いた。


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 そして次の日


 「あぁぁなんでだよ~!!」


 執務室には泣きながらペンを走らせる魔王の姿があった。


 「仕方ありません。一週間も仕事をされなかったのですから、たまってますよ。どんどんお願いいたします」
 「せめて、せめてもう1日休ませてくれ~」


 この日から2日夜通しで執務室からは魔王の泣き声が聞こえたとか聞こえなかったとか・・・




 

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