腐女子観察日記

ノベルバユーザー313493

7月21日

 うちの高校は比較的夏休みに入るのが早い。そのせいか今日はいつもより教室のふいんきが浮いていた気がする。既に部活動に所属していない人は夏休みどこへいくかで盛り上がっていた。
 「今年も夏がやって来た、夏、夏といえばコミケ、コミケといえば同人誌!そう我らはこのイベントのために今を生きている。去年は大会で行けなかったが今年はない、つまり今年こそは行ける、そう我らの聖地エンディミオンへ!、さぁ一緒に行こうしゃくな!」
 「そうよ、今年こそは我らの手でつかみとるのだ」
 等と大声を出して盛り上がるのはいつもの腐女子達である。どうやら今年の夏のコミックマーケット略して夏コミに行くらしい。もともと俺もいく予定だったので二人が来るというのなら。監察ができると一人心のなかでガッツポーズをするのであった。 
 「いや~去年はブラックガーデンとかの買えなかったから今年こそは手にいれたいね」
 「あとは壁サークルを手分けして回って、そうそう最近力をつけてきているラグナラピスも必見だよね、」
 などとコミケのカタログをみながら話し合っていた。するとうとうとしはじめて俺は寝てしまった。昨日は遅くまで絵を描いていて寝ておらず気がつけば朝日が昇っていたのだ。そして気がつけば午前中の授業は終わっていた。
    (起こしてくれよ先生!)
 などと一人甘えたことをいったりしていた。そして俺がまた眠りに入ろうとしたそのとき。
 「ねぇ仲西、部活入ってなかったよね。8月15日と、16日私たちに付き合ってくれない、ちゃんとお礼はするからさ」
 と、ふいに大原と松原がそんな事を言ってきた。15と16はコミケの日である、つまり荷物もちをさせようと考えてるらしい。もちろん俺は二人の監察があるから無理などとは言えず普通に断った。近くで監察できるのになぜかって?
 (だって一緒に行ったら、自然な彼女達を見ることができないのだから)
 そして二人は席にもどって行った。この時本人は気がついていないが実はこれが彼女達との初めてのまともな会話だったのだ。

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