if中二病が異世界転移したら━改訂版━
23話 宮廷魔術師団入団9
馬車に乗ってから三時間が経とうとしていた。馬車はクッションが聞いており全く疲れを感じない。馬車には初めて乗るが相当いいものだと言うことがわかった。
「━━━━で逃げようとしましたので捕まえたのですよ」
俺は馬車に乗りながらザザンさんの強盗被害談等を聞いていた。今話していたのは以前冒険者が店で暴れそうになったのをザザンさんの固有スキルで捕まえたという話だった。
なんでもザザンさんのスキルは一瞬だけ一部を沼に変えると言うものでタイミング等の問題で使い勝手が悪いらしい。
しかしだ、固有スキルと言うのは誰もが持っているものではない。数百人に一人という確率なのだから持っているだけでも凄いと思う。
「話は変わりますが噂で付与魔法を練習していると聞いたのですが本当ですか」
「えぇ本当ですよ」
「では是非見せていただけませんか」
「見るとは付与をですか。まだ途中の工程までしか出来ないですけどそれでもよろしければ」
俺は手のひらサイズの銅の塊を出すと固有波を打ち消す工程まで行った。
「すみません、肝心の付与はまだ上手く行かなくて」
「いえ、結構ですよ。ありがとうございます。ですが短期間でそこまで出来るとは‥‥‥いやはや素晴らしい。付与魔法といえばこの国にも扱える者は二人といないと思ったのですが。これはいよいよ惜しい才能ですな」
そんなに少ないのか‥‥‥いや、確かに固有波を打ち消すのにも膨大な魔力を要するのだ。普通の人では技術云々ではなく魔力的な問題で出来ないのだろう。
「そう言って貰えると嬉しいのですがね」
「本格的に付与魔法を習得されるおつもりでしたら紹介致しますが、いかがなさいますか」
「そうですね、仕事にするつもりはありませんが是非とも一度会ってみたいですね」
と、丁度着いたようだ。
見た目は決して立派とは言えない佇まいだった。
おぉぉ‥‥‥ヤバイ俺帰りたいかも‥‥‥
家の中から現れたソレは体をくねくねさせながら此方に近づいてきた。
「ザザン~会いたかったわよ~」
「キララさんお久しぶりですな」
「久しぶり~。それでそちらのかわいい僕はだ~れ?」
「彼は間宮竜次さんと言いましてね、是非ヘヴェンさんに会ってみたいとことでしたのでご紹介させて頂きたくお連れしました」
へ?誰もこんな漢女に会いたいとは言ってないのだが!?なに言ってっんのザザンさん!!!
「竜次さん、彼女はキララさんこの国で唯一付与魔法が使える方です」
今なんと‥‥‥は?付与魔法が使える?あの化物が?
「またまた~ザザンさん嘘はよくないですよ」
「いえ、本当ですが、ね?」
「ええ、私が付与師のキララよ。‥‥‥それにしても竜次君‥‥‥君なかなか可愛い~じゃないの。お姉さん気に入っちゃったわ。うふっ」
おいぃぃぃ!!うふってなんだ、うふって、メディック!メディッッッッック!!早くあの化物をどうにかして!!!!
あぁぁぁ、近づいてくる。ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!
━━━━おもいっきり抱きつかれたうえに頬にキスされてしまった‥‥‥
お母さん‥‥‥お父さん‥‥‥俺‥‥‥汚されてしまったよ‥‥‥
「ホッホッホッ、竜次さん気に入っていただけたようでよかったですな」
やだよ!こんな化物!!な~にがよかっただよ!!不快でしかないわ!!!
「さ、こんなところで立ち話もあれだから中に入りなさいな」
「お邪魔します」
化物の、ヤツの住処にはいる。
「どうされましたかな竜次さん」
「もうっ遠慮しないくていいのよ~」
いや、遠慮とかないから、ホントに。
ヤツの住処はやはりまともじゃなかった。ピンク、ピンク、ピンク、壁から調度品まで部屋の物全てがピンク色だった。
しかも玄関にはくまさんのぬいぐるみがちょこんと置いてあり此方を見ている。
てかなんかあのくま目が可笑しくない、なんと言うかグルグルしていると言うか、その‥‥‥何か憑いてる気がするのは俺だけ?
「あ、あの━━━キララさん、あのくまは」
「あ~ハピバちゃんのこと?あの子はね可愛そうに木に打ち付けられてたのだから━━━━━」
「おぃぃぃぃ!!!」
「どうされました!?」
「どうされましたじゃねぇよ!!!なにやってんの!?それダメなヤツだから!今すぐ返してきなさい!!」
あ、今、少し目が動いたよ!ねえ、こっち見てる。お願いだから早く返してきて━━━
「こらこらそのような事を仰ってはいけませんよ」
「だから、その━━━」
「もぅ!酷いじゃないの。これはしっかり責任をとってもらわないとね」
「そうですな。それがいいですな」
俺の話は無視された上にいつの間にか責任をとることになっている。
なぜ、俺はただ危険だと教えようとしただけなのに‥‥‥
「じゃあどうしましょうかね~ザザン何かいいアイデアはない?」
「そうですね、でしたら物を作って頂いてはどうでしょうか。竜次さんの造る武器は一級品でございますがゆえ」
「あらそうなのならそうしてもらいましょうかね」
マジですか‥‥‥結婚しろとかじゃなくてよかった
「何の責任かはわからないですけど、それくらいでしたら何を造りますか」
「そうね~強くて‥‥‥太くて‥‥‥黒い‥‥‥長いやつをお願い」
いやいやいや、なにソレ?俺そんな武器知らないけど。流石に知らない武器作れないよ。
「キララさんの主に使用する武器は棒ですので棒を作ればよいかと」
「そうですか、なら」
俺はタカスギから鉄と銅を少量だす。小麦からケイ素を、ショウガもどきからマンガンを、昔取った腕の長い猿の肉から硫黄とリンと炭素を取り出す。
「面白そうな事を。何をされているのですかな」
「武器の材料を取り出しているんですよ」
「このような物からですか」
俺は取り出した元素を組み合わせて一つの物を造り出す。そしてそれを六角形の棒に造形する。
「これはな~に?見たことない金属だわね」
「これは炭素鋼という金属です」
「ほう、初めて見ますな」
「おそらく私にしか造れませんからね」
炭素鋼の特徴は炭素の保有量によってその硬さが変わると言うところだろう。炭素の量が多ければ柔らかく、少なければ硬く、簡単に言えばそうなる。厳密にはもと分量などによって変化があるのだが‥‥‥まあそれはいいだろう。
 
「キララさん形はどうしますか」
「あら、これから更に変化させられるの?始めてみる造り方ね。凄いわ~。それじゃあ先を少し太くしてくれるかしら」
俺は先を先程より二周りほど太くしてみる。
「うん、素晴らしいわ!それにこれ‥‥‥固有波がほとんどない、ミスリルよりも付与に適している。これなら直ぐに付与できるわ」
「喜んでいただけたようでよかったです」
「竜次さん、もしよければその素材を売っていただけませんでしょうか」
「すみません。これはまだ売る気はなくて」
目に見えてがっかりしていたザザンさんを置いて俺はヤツにされるがままに付いていった。
「━━━━で逃げようとしましたので捕まえたのですよ」
俺は馬車に乗りながらザザンさんの強盗被害談等を聞いていた。今話していたのは以前冒険者が店で暴れそうになったのをザザンさんの固有スキルで捕まえたという話だった。
なんでもザザンさんのスキルは一瞬だけ一部を沼に変えると言うものでタイミング等の問題で使い勝手が悪いらしい。
しかしだ、固有スキルと言うのは誰もが持っているものではない。数百人に一人という確率なのだから持っているだけでも凄いと思う。
「話は変わりますが噂で付与魔法を練習していると聞いたのですが本当ですか」
「えぇ本当ですよ」
「では是非見せていただけませんか」
「見るとは付与をですか。まだ途中の工程までしか出来ないですけどそれでもよろしければ」
俺は手のひらサイズの銅の塊を出すと固有波を打ち消す工程まで行った。
「すみません、肝心の付与はまだ上手く行かなくて」
「いえ、結構ですよ。ありがとうございます。ですが短期間でそこまで出来るとは‥‥‥いやはや素晴らしい。付与魔法といえばこの国にも扱える者は二人といないと思ったのですが。これはいよいよ惜しい才能ですな」
そんなに少ないのか‥‥‥いや、確かに固有波を打ち消すのにも膨大な魔力を要するのだ。普通の人では技術云々ではなく魔力的な問題で出来ないのだろう。
「そう言って貰えると嬉しいのですがね」
「本格的に付与魔法を習得されるおつもりでしたら紹介致しますが、いかがなさいますか」
「そうですね、仕事にするつもりはありませんが是非とも一度会ってみたいですね」
と、丁度着いたようだ。
見た目は決して立派とは言えない佇まいだった。
おぉぉ‥‥‥ヤバイ俺帰りたいかも‥‥‥
家の中から現れたソレは体をくねくねさせながら此方に近づいてきた。
「ザザン~会いたかったわよ~」
「キララさんお久しぶりですな」
「久しぶり~。それでそちらのかわいい僕はだ~れ?」
「彼は間宮竜次さんと言いましてね、是非ヘヴェンさんに会ってみたいとことでしたのでご紹介させて頂きたくお連れしました」
へ?誰もこんな漢女に会いたいとは言ってないのだが!?なに言ってっんのザザンさん!!!
「竜次さん、彼女はキララさんこの国で唯一付与魔法が使える方です」
今なんと‥‥‥は?付与魔法が使える?あの化物が?
「またまた~ザザンさん嘘はよくないですよ」
「いえ、本当ですが、ね?」
「ええ、私が付与師のキララよ。‥‥‥それにしても竜次君‥‥‥君なかなか可愛い~じゃないの。お姉さん気に入っちゃったわ。うふっ」
おいぃぃぃ!!うふってなんだ、うふって、メディック!メディッッッッック!!早くあの化物をどうにかして!!!!
あぁぁぁ、近づいてくる。ア゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛ァ゛!!!!
━━━━おもいっきり抱きつかれたうえに頬にキスされてしまった‥‥‥
お母さん‥‥‥お父さん‥‥‥俺‥‥‥汚されてしまったよ‥‥‥
「ホッホッホッ、竜次さん気に入っていただけたようでよかったですな」
やだよ!こんな化物!!な~にがよかっただよ!!不快でしかないわ!!!
「さ、こんなところで立ち話もあれだから中に入りなさいな」
「お邪魔します」
化物の、ヤツの住処にはいる。
「どうされましたかな竜次さん」
「もうっ遠慮しないくていいのよ~」
いや、遠慮とかないから、ホントに。
ヤツの住処はやはりまともじゃなかった。ピンク、ピンク、ピンク、壁から調度品まで部屋の物全てがピンク色だった。
しかも玄関にはくまさんのぬいぐるみがちょこんと置いてあり此方を見ている。
てかなんかあのくま目が可笑しくない、なんと言うかグルグルしていると言うか、その‥‥‥何か憑いてる気がするのは俺だけ?
「あ、あの━━━キララさん、あのくまは」
「あ~ハピバちゃんのこと?あの子はね可愛そうに木に打ち付けられてたのだから━━━━━」
「おぃぃぃぃ!!!」
「どうされました!?」
「どうされましたじゃねぇよ!!!なにやってんの!?それダメなヤツだから!今すぐ返してきなさい!!」
あ、今、少し目が動いたよ!ねえ、こっち見てる。お願いだから早く返してきて━━━
「こらこらそのような事を仰ってはいけませんよ」
「だから、その━━━」
「もぅ!酷いじゃないの。これはしっかり責任をとってもらわないとね」
「そうですな。それがいいですな」
俺の話は無視された上にいつの間にか責任をとることになっている。
なぜ、俺はただ危険だと教えようとしただけなのに‥‥‥
「じゃあどうしましょうかね~ザザン何かいいアイデアはない?」
「そうですね、でしたら物を作って頂いてはどうでしょうか。竜次さんの造る武器は一級品でございますがゆえ」
「あらそうなのならそうしてもらいましょうかね」
マジですか‥‥‥結婚しろとかじゃなくてよかった
「何の責任かはわからないですけど、それくらいでしたら何を造りますか」
「そうね~強くて‥‥‥太くて‥‥‥黒い‥‥‥長いやつをお願い」
いやいやいや、なにソレ?俺そんな武器知らないけど。流石に知らない武器作れないよ。
「キララさんの主に使用する武器は棒ですので棒を作ればよいかと」
「そうですか、なら」
俺はタカスギから鉄と銅を少量だす。小麦からケイ素を、ショウガもどきからマンガンを、昔取った腕の長い猿の肉から硫黄とリンと炭素を取り出す。
「面白そうな事を。何をされているのですかな」
「武器の材料を取り出しているんですよ」
「このような物からですか」
俺は取り出した元素を組み合わせて一つの物を造り出す。そしてそれを六角形の棒に造形する。
「これはな~に?見たことない金属だわね」
「これは炭素鋼という金属です」
「ほう、初めて見ますな」
「おそらく私にしか造れませんからね」
炭素鋼の特徴は炭素の保有量によってその硬さが変わると言うところだろう。炭素の量が多ければ柔らかく、少なければ硬く、簡単に言えばそうなる。厳密にはもと分量などによって変化があるのだが‥‥‥まあそれはいいだろう。
 
「キララさん形はどうしますか」
「あら、これから更に変化させられるの?始めてみる造り方ね。凄いわ~。それじゃあ先を少し太くしてくれるかしら」
俺は先を先程より二周りほど太くしてみる。
「うん、素晴らしいわ!それにこれ‥‥‥固有波がほとんどない、ミスリルよりも付与に適している。これなら直ぐに付与できるわ」
「喜んでいただけたようでよかったです」
「竜次さん、もしよければその素材を売っていただけませんでしょうか」
「すみません。これはまだ売る気はなくて」
目に見えてがっかりしていたザザンさんを置いて俺はヤツにされるがままに付いていった。
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