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ドラゴンテイマーになった僕は鶏を育てて暮らす。

ノベルバユーザー313493

6話 僕と街

 1ヶ月がたった。予定していた工事は全て終わりあとは少しずつ足りないところを補うようにしていけばいいだけになった。ただひとつ問題があり、移住希望者が予定よりも多く街が飽和状態にあるのだ。予定では4分の1程度は空きが出る筈だったのだが、そこで兼ねてから計画していた学園都市の工事を現在急ピッチで行っているのだ


 「いよいよですね」


 「やっとって感じだわ」


 「確かに、ただこれって着る必要ある?」


 今日は初めて住人がやって来る日という事でいつの間にか用意されていた服に身を包んでいる。イメージで言えば明治天皇が椅子に腰かけている写真のような服だ。肩周りがヒラヒラしていて鬱陶しいうえに、窮屈で重いのだ


 「当たり前でしょ、王様が庶民と同じ服とかあり得ないわよ」


 「そうかもしれないけどさ」


 「諦めてください」


 誰からの助けもない


 「じゃあ行ってくるわね」


 「ああ、行ってらっしゃい」


 諦めてマヤを見送る。僕も移民を受け入れるための準備を進めるため街へ下りた。先ず見えてくるのは国会会議場だ。ゆくゆくはこの土地のなかに総理官邸を建てるつもりだ。さらに進むとサラーム中央駅がある。この街で一番大きな駅だ


 「みんな今日からよろしく頼むよ」


 「「「はい!」」」


 地竜車に乗って街の入り口へ向かう。とは言ってもこの街には外壁がない、つまり明確に街の入り口というのが決まっているわけではないのだが、一応家がある場所とない場所の境目を入り口と出口ということにしている
 入り口へ行くと既にマヤが移民を連れて待っていた


 「初めまして、いや二度目ですかね。僕がこの国の国王、北條司です。先ずはこの地竜車に乗って頂きこの街を見てもらおうと思いますので、順番にお乗りください。最後に全員が集まり次第広場にて改めて挨拶をさせて頂きます」


 そう言うと一人づつ、時には僕に握手を求めてくる人もいたが全員が乗り込むと出るように伝えた


 「マヤ次お願い」


 「ええ、わかったわ」


 続々と来る移民に同じ説明を繰り返していく


 「やっと終わった」


 同じ案内をすることを39回、途中から自分がロボットになったのでは?と錯覚してしまうほどだ。しかしだ、僕がそれだけ案内をしたということは、マヤはその分だけ転移したという事で、こんど今度何かお礼をしなければならない


 「疲れている所悪いけど直ぐに移動するよ」


 「ええ、地竜車の中で休むことにするからいいわ」


 「そうしてくれ」


 地竜車に乗ると広場まで行く。マヤは地竜車の心地よい揺れに負けて直ぐに寝息をたて始めた
 これからお店になる場所や民家になる場所を見送り広場にたどり着いた。既に沢山の人が集まり最後に来る僕達を待つだけとなっていた車掌が先に降りるとドアを開ける。騎士が両サイドに並び高くなっている段まで道を開けた。彼らは人化した竜達だ。剣は全くで完全にお飾りだがそもそもの身体能力が高く並の人間ではなにもできず捕らえられることになる
 騎士によって開かれた道を歩くき段に昇り、一度見回すと口を開いた


 「皆には街を視てきてもらったがどうだっただろう。気に入ってもらえたら嬉しい。この街には新しいものが沢山詰まっている。今までとは暮らしとは大きく、良く変わるだろう。


 隣を見て欲しい。ここには今約100万人もの人が集まっている。これはクルシェント王帝国の王都の倍以上の数だ。そう、この街は今や世界一の人口をほこり最も進んだ都市なのだ。皆はこの世界一の街に住むものとしての誇りをもって、暮らして欲しい。


 まだ、わからないことも多くあるだろう。しかしここはサラーム民主主義王国だ!
 平和を愛し求め、王である私も皆と同じ場所に立ち同じ目線で考える。私は皆を蔑ろにしない、わからないことがあれば是非聞いて欲しい。そのときはいつでも答えよう。


 サラーム民主主義王国万歳!」


 「「「サラーム民主主義王国万歳!!」」」


 皆いい表情だ、期待と興奮に包まれている。これなら街は必ず良く発展していくだろう


 「お疲れ様でした」


 「ありがとう」


 「無事終わりましたね」


 「そうだね、でもこれからもっと大変になる筈だから気を引き締めて行かないと」


 「そうですね、明日からはいよいよ学校ですしね」


 そう、明日からは学校だ。この国では普通教育、5歳から11歳まで学校に通う義務があるのだ


 「ああ、ここで手を抜いたら将来この国がダメになってしまう」


 「そう考えると大忙しですね」


 ほんと、明日からは学校が始まり、明後日は警察組織の入隊試験、明々後日は騎士団入団試験がある。それにまだ裁判所の裁判官は僕がやらなければだし。あぁ、すこし詰めすぎたかもしれない
 

 「失礼します旦那様謁見の申し出が幾つかありまして、どうなさいますか」


 早速か


 「何人ですか?」


 「商会の会頭が3人、街民が400人ほどです」


 「直ぐに用意します、大きな商会は一対一で相手をするので街民は5人くらいまとめていれてください」


 「かしこまりました」 


 謁見の間に向かう。この城には謁見の間が3つあり1つはこの城の一番最上階、マヤの魔法がないと入れない場所でそこは主に国王を相手にするときに使う予定だ。2つ目は商会の会頭などお金持ちを相手にする為の場所で3つ目は街民などを相手にする為の必要最低限の小さな場所だ。
 最初は商会からだ


 「通してくれ」


 やって来たのは小太りな叔父さんだ、確かサルスベリ商会の会頭だった筈だ


 「お久しぶりです、シュヴァイン・サルスベリです。この度は水道についてお伺いしたく。宜しいでしょうか」


 「もちろんです。なんでも聞いてください」


 「ありがとうございます。では2つ、あの水はどこから来ているのですか」


 「城の裏に見えます滝から流れる川の水を使っています。また各家々へ流す前にフィルターを通していますのですゴミが混ざる心配はありません」


 「なるほど、では最後、水道を我が商会うって頂けませんか」


 「それはできません」


 「なぜ?我が商会なら確実に売り上げをあげることができます」


 「確かに、商売のプロであるサルスベリさんに任せた方が儲かるかもしれません」


 「では!」


 「ですが、できません。水は生きていく上で無くてはならないものです。僕は水道を商売の為に使っているのではないのです。水道を使って街の人々の生活を豊かにするために必要最低限のお金を頂いているだけです」


 「しかし、それでも月500クルシェンは安すぎる。これでは赤字でしょう!」


 「確かにこれでは一生払っても100分の金額も回収できません。ですが、この国では何をするにも少しづつ税がかかっているので十分回収できるのですよ」


 「そうですか、ですがもしやりくりできなくなれば是非お売りください。これだけのものですそれなりの金額は払わせていただきますから」


 「はい、そのときが来ないように努力させて頂きます」


 やっと一人終わった
 

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