ドラゴンテイマーになった僕は鶏を育てて暮らす。
2話 僕と演説
「お帰りなさいませ旦那様」
「ただいま、ヤルタさん話があるので全員を集めてください」
「かしこまりました」
僕達は一足先に食堂へ向かう。重要な皆を集めて話をするときはいつも食堂だ。全員が集まったところで話を始める
「先ずは昨日は連絡を入れず帰ってくるのが遅くなり心配かけすみませんでした。そこで昨日あったことを話したいと思います」
昨日テティーヌの街で反乱がありその後王都が心配になって王国にも行ったと言うことを話した
「そんなことが」
部屋に重たい空気が満ちる
「それで、反乱を終息させて終わり。そういうことでは無いのですよね」
何か確信をもってヤルタさんはそう訪ねる。いや、多分わかっているのだろう
「はい、ここからが本題です。コルビナス様によると僕の力は手に余るらしくこの国から籍を外されました」
「なんで旦那様が!?」
そうフラシェルさんが立ち上がって抗議するも、直ぐに周りの空気をみて座り込むと「失礼しました」と言って縮こまった
「で、籍を外され。コルビナス様からは建国するように言われました」
「やはりそうでしたか」
そう言うヤルタさんの目には納得の色がうかんでいたが、他の人はまだこの展開について行けてないようで、驚いたような顔をしていた
「そこで国名も既に決まっていて条約も結びました」
「早いですね、ところで国名はなんと言うのですか」
「サラーム民主主義王国。サラームは平和と言う意味で民主主義の王国です」
「民主主義とは?失礼ながらお伺いしても宜しいですか」
そっか、この世界はまだ王政、つまり君主主義しかないからもしかしたら民主主義や、共産主義、資本主義といったそういう考え方が無いのかもしれない
「民主主義と言うのは国民を中心、主体に政治を行うこと言います。今回僕がやろうとしているのは間接民主制といって国民の中から選挙で代表を出して政治を行うというものです。こうすることで沢山の意見を取り入れたより良い政治ができると僕は考えるのです」
「なるほど、素晴らしい考えだと思います。一から作る今だからこそ作れるシステムですね」
そう、今の貴族の特権社会が定着したこの国では行うのが限りなく難しい事だ。そこで建国するこのタイミングで導入するのがいいと考えたのだ。世界初の民主国家、最高にいい響きだ
「はい、そこでひとつ問題があって、城を建てるのですが今の使用人の数では明らかに足りないのです。かといって新規に雇って王帝国の者が入るのはまずいと思って。そこで皆さんには信用できる友人を勧誘してきて貰いたいのです」
今は特に客人がいるわけでもないのでこの人数でも足りているが、もしこの屋敷に客人が来たらこの人数でも大変だと思う
「かしこまりました。条件は今と同じで構いませんか?」
「はい、明日全員で王都に飛ぶのでその時にお願いします。一応期間としては10日を予定しています」
「ではそのようにさせて頂きます」
部屋に戻って憲法を考える
「どうですか」
突然声をかけられて飛び出そうになった心臓を元の位置に押し込める。後ろを振り替えるとココナがいた
「少し休憩したらどうですか」
そう言われて外に目をやると日が傾き始めていた。結構時間が経っていたようだ
「これ飲んで少し休みましょ」
「そうするよ、ありがと」
ココナが持ってきたハーブティーに口をつける。爽やかな香りが鼻を通り抜けて少し気が楽になったようだ
「これ、どうしたの?」
「これですか?これはこの前家に帰った時に摘んできたんですよ」
あのときか
「ありがとう、少し疲れがとれた気がするよ」
「よかったです。また後で来るのであまり根を詰め過ぎないように気を付けるんですよ」
「なるべく頑張るよ」
ココナが部屋を出ると机の上の紙と向き合う。ココナには悪いが次に来てくれるまで休むつもりはない
そうして次にココナが来たときにバレて怒られるのだがそんなことは知ったことではない
次の日、マヤに頼んで王都に送ってもらう
「じゃあよろしく頼むよ」
「はい」
そう言って皆がバラバラの方向に歩いていく。おそらくこれからは家族のところへ行くのだろう。短い時間だが楽しんできて欲しい、なんなら街を作ったら家族毎移住してくれても構わないのだが
そして、あっという間に1週間が経った
今日は昼にコルビナス様から重要な話があると街の人に伝えられているのでテラスに出ると皆が上を向いていた
「皆、先日は迷惑をかけて申し訳なかった。我ももう二度とあのような事がないように気を付けていくのでどうか許して欲しい」
反乱についてそう謝罪する
「さて、今回は重要な発表がある。北条様」
コルビナス様と場所を入れ替わりテラスの中央に立つと魔法で声を届けやすくする
「はじめまして、北条司だ、今回僕は新たにサラーム民主主義王国という国を建国した」
そう言うと街がざわつく
「この場を借りて我が国について説明したいと思う。我が国には貴族はいないしこれからも作らない。そして政治は皆で行う。最初は大変かもしれないが一緒に力を合わせていい国を作って行きたいと考えている。詳しいことは明日劇場で説明会を行うから興味のある人は来て欲しい」
そう言うと僕は下がった
「我が国はサラーム民主主義王国の建国を承認し既に条約も結んだ。さらにこの場を持ってサラーム王国国王とマヤ・クルシェンの婚約を承認する。これで我が国とサラーム民主主義王国にはより強い繋がりができた。さあ皆で新たな国の誕生を祝おうじゃないか!」
そう言うと二人で部屋の中に入る
「やってくれましたね」
「何がですか?」
「貴族を作らない。これは民衆の多くが興味を持ったでしょう。あぁどうしようこれで王都の民が一人もいなくなったら」
「そんなことにはならないと思いますよ、少なくとも貴族は残る筈ですから」
「なんですか、貴族だけじゃ国は動かせないんですかね!」
まぁ確かに、でもそんなことにはならない筈だから安心していいと思う
「さて、明日からはまた忙しくなる」
昨日のうちに無事憲法と法律も完成した。やはり前世の知識はかなり役に立った
「明日から大変ですね」
「はい、まぁなんとかやりますよ」
そう言って部屋に戻る
「お疲れ」
「お疲れ様でした」
部屋に入るなり二人から労いの言葉をもらった
「ありがと。流石に疲れた、今日は寝ることにするよ」
「ええ、その方がいいわね」
「賛成です。最近働きすぎでしたし、休んだ方がいいです!」
「じゃ、寝ましょ」
そう言ってマヤが僕を押し倒してくる
「そういう寝るって事じゃないんだけど」
「勿論よ、いつだって疲れを癒すには睡眠が一番、そしてより良い睡眠の質を得るには最愛の妻との添い寝、これに限るわよね」
「はい!いつだって疲れた男性を癒せるのは女性だけですから」
確かに間違ってはいないと思う。ただし、女性の中でも美しい女か可愛い女の子に限るけど。ちなみにマヤもココナも二人ともこの二つに入っている。
僕はここ数日の体力的、精神的疲労を回復させるためにも三人でベッドに横になった
「ただいま、ヤルタさん話があるので全員を集めてください」
「かしこまりました」
僕達は一足先に食堂へ向かう。重要な皆を集めて話をするときはいつも食堂だ。全員が集まったところで話を始める
「先ずは昨日は連絡を入れず帰ってくるのが遅くなり心配かけすみませんでした。そこで昨日あったことを話したいと思います」
昨日テティーヌの街で反乱がありその後王都が心配になって王国にも行ったと言うことを話した
「そんなことが」
部屋に重たい空気が満ちる
「それで、反乱を終息させて終わり。そういうことでは無いのですよね」
何か確信をもってヤルタさんはそう訪ねる。いや、多分わかっているのだろう
「はい、ここからが本題です。コルビナス様によると僕の力は手に余るらしくこの国から籍を外されました」
「なんで旦那様が!?」
そうフラシェルさんが立ち上がって抗議するも、直ぐに周りの空気をみて座り込むと「失礼しました」と言って縮こまった
「で、籍を外され。コルビナス様からは建国するように言われました」
「やはりそうでしたか」
そう言うヤルタさんの目には納得の色がうかんでいたが、他の人はまだこの展開について行けてないようで、驚いたような顔をしていた
「そこで国名も既に決まっていて条約も結びました」
「早いですね、ところで国名はなんと言うのですか」
「サラーム民主主義王国。サラームは平和と言う意味で民主主義の王国です」
「民主主義とは?失礼ながらお伺いしても宜しいですか」
そっか、この世界はまだ王政、つまり君主主義しかないからもしかしたら民主主義や、共産主義、資本主義といったそういう考え方が無いのかもしれない
「民主主義と言うのは国民を中心、主体に政治を行うこと言います。今回僕がやろうとしているのは間接民主制といって国民の中から選挙で代表を出して政治を行うというものです。こうすることで沢山の意見を取り入れたより良い政治ができると僕は考えるのです」
「なるほど、素晴らしい考えだと思います。一から作る今だからこそ作れるシステムですね」
そう、今の貴族の特権社会が定着したこの国では行うのが限りなく難しい事だ。そこで建国するこのタイミングで導入するのがいいと考えたのだ。世界初の民主国家、最高にいい響きだ
「はい、そこでひとつ問題があって、城を建てるのですが今の使用人の数では明らかに足りないのです。かといって新規に雇って王帝国の者が入るのはまずいと思って。そこで皆さんには信用できる友人を勧誘してきて貰いたいのです」
今は特に客人がいるわけでもないのでこの人数でも足りているが、もしこの屋敷に客人が来たらこの人数でも大変だと思う
「かしこまりました。条件は今と同じで構いませんか?」
「はい、明日全員で王都に飛ぶのでその時にお願いします。一応期間としては10日を予定しています」
「ではそのようにさせて頂きます」
部屋に戻って憲法を考える
「どうですか」
突然声をかけられて飛び出そうになった心臓を元の位置に押し込める。後ろを振り替えるとココナがいた
「少し休憩したらどうですか」
そう言われて外に目をやると日が傾き始めていた。結構時間が経っていたようだ
「これ飲んで少し休みましょ」
「そうするよ、ありがと」
ココナが持ってきたハーブティーに口をつける。爽やかな香りが鼻を通り抜けて少し気が楽になったようだ
「これ、どうしたの?」
「これですか?これはこの前家に帰った時に摘んできたんですよ」
あのときか
「ありがとう、少し疲れがとれた気がするよ」
「よかったです。また後で来るのであまり根を詰め過ぎないように気を付けるんですよ」
「なるべく頑張るよ」
ココナが部屋を出ると机の上の紙と向き合う。ココナには悪いが次に来てくれるまで休むつもりはない
そうして次にココナが来たときにバレて怒られるのだがそんなことは知ったことではない
次の日、マヤに頼んで王都に送ってもらう
「じゃあよろしく頼むよ」
「はい」
そう言って皆がバラバラの方向に歩いていく。おそらくこれからは家族のところへ行くのだろう。短い時間だが楽しんできて欲しい、なんなら街を作ったら家族毎移住してくれても構わないのだが
そして、あっという間に1週間が経った
今日は昼にコルビナス様から重要な話があると街の人に伝えられているのでテラスに出ると皆が上を向いていた
「皆、先日は迷惑をかけて申し訳なかった。我ももう二度とあのような事がないように気を付けていくのでどうか許して欲しい」
反乱についてそう謝罪する
「さて、今回は重要な発表がある。北条様」
コルビナス様と場所を入れ替わりテラスの中央に立つと魔法で声を届けやすくする
「はじめまして、北条司だ、今回僕は新たにサラーム民主主義王国という国を建国した」
そう言うと街がざわつく
「この場を借りて我が国について説明したいと思う。我が国には貴族はいないしこれからも作らない。そして政治は皆で行う。最初は大変かもしれないが一緒に力を合わせていい国を作って行きたいと考えている。詳しいことは明日劇場で説明会を行うから興味のある人は来て欲しい」
そう言うと僕は下がった
「我が国はサラーム民主主義王国の建国を承認し既に条約も結んだ。さらにこの場を持ってサラーム王国国王とマヤ・クルシェンの婚約を承認する。これで我が国とサラーム民主主義王国にはより強い繋がりができた。さあ皆で新たな国の誕生を祝おうじゃないか!」
そう言うと二人で部屋の中に入る
「やってくれましたね」
「何がですか?」
「貴族を作らない。これは民衆の多くが興味を持ったでしょう。あぁどうしようこれで王都の民が一人もいなくなったら」
「そんなことにはならないと思いますよ、少なくとも貴族は残る筈ですから」
「なんですか、貴族だけじゃ国は動かせないんですかね!」
まぁ確かに、でもそんなことにはならない筈だから安心していいと思う
「さて、明日からはまた忙しくなる」
昨日のうちに無事憲法と法律も完成した。やはり前世の知識はかなり役に立った
「明日から大変ですね」
「はい、まぁなんとかやりますよ」
そう言って部屋に戻る
「お疲れ」
「お疲れ様でした」
部屋に入るなり二人から労いの言葉をもらった
「ありがと。流石に疲れた、今日は寝ることにするよ」
「ええ、その方がいいわね」
「賛成です。最近働きすぎでしたし、休んだ方がいいです!」
「じゃ、寝ましょ」
そう言ってマヤが僕を押し倒してくる
「そういう寝るって事じゃないんだけど」
「勿論よ、いつだって疲れを癒すには睡眠が一番、そしてより良い睡眠の質を得るには最愛の妻との添い寝、これに限るわよね」
「はい!いつだって疲れた男性を癒せるのは女性だけですから」
確かに間違ってはいないと思う。ただし、女性の中でも美しい女か可愛い女の子に限るけど。ちなみにマヤもココナも二人ともこの二つに入っている。
僕はここ数日の体力的、精神的疲労を回復させるためにも三人でベッドに横になった
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