ドラゴンテイマーになった僕は鶏を育てて暮らす。

ノベルバユーザー313493

16話 僕と長

 「長!?」


 スカイ達が何か叫んでる。


 あれ?


 ココナは


 マヤは


 どこへ


 そうか、二人ともあいつに食べられて――――――――


 「アァァァァァァァァァァァァァ!!!」


 「主様何を!」


 「よくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくもよくも――――――――――――――――――よくも!
 殺してやる」


 心が、体が痛い。奥の方から黒くドロドロとしたものが沸き上がってくる


 「雑魚が何をほざくかと思えば」


 雑魚?俺がか、トカゲ風情がいきがるなよ!!


 【蔵】


 「這いつくばれ」


 体にとてつもないあつりょくがかかり起き上がることすらできなくなる


 「ふざけるな!」


 【身体強化】


 【身体強化】


 【身体強化】


 【身体強化】


 【身体強化】


 【身体強化】


 【身体強化】


 【身体強化】


 【身体強化】


 【身体強化】


 刀を脇に構えると地面を勢いよく蹴る


 「死ねぇぇぇぇ!!!」


 「ほぅ、それでも動くか。しかし所詮は人間」


 体に更に付加がかかった。身体強化を十重にしたのにもかかわらず体がびくともしない
 奴の手が伸びてくる


 「離せ!」


 「男は趣味ではない、焼き尽くしてくれるわ」


 口に炎が溜まりだす。まだ遠くだというのにものすごい熱量を感じる


 「こんなところでこんなところで―――――――死ねるか!!!」


 右手の甲が輝く。そこには新たに限界突破の文字か浮かび上がっていた。本当はこんな状態で新たなスキルを使うのは危険だ。それでもやるしかない


 【限界突破!!】


 体の奥底から力があふれでてくる。傷がみるみるうちに癒えていく


 【天招神雷】


 ヤツ諸とも極太の雷に撃たれ感電し地面に落とされる


 【氷針弾アイスニードルブリッド


 奴の顔が凍りつく


 「ガグゥァァァァァァァ」


 奴の麻痺が解けブレスを放とうとしている。それでも体が動かない。そして遂にブレスが放たれる


 「主様!」


 「スカイ避けろ」


 「いえ、よけません!私の忠誠は主様に」


 そう言うと翼蔽する


 「な!?」


 「きさま!同族だろなぜ殺した!」


 「ワシは殺してない、奴はお前をがばって死んだお前が殺したのだ、自分の無力を他者のせいにするな」


 ふざけるな、お前が撃った攻撃だ


 刀を胸の前で強く握るそして爆発を利用して竜の目元に飛ぶここを突いてぐるぐるかき回せばいくら奴でも死ぬだろう
 刀を突き刺しぐるとっと目をくり貫く


 「グガァァァァ」


 もう一突き、それでこの憎き竜は死ぬ


 「「司!」」


 「マヤ?ココナ?」


 周りをみるとガルラ達を始めとした他の竜達が無言でこちらを見ている


 「どうした殺さないのか、臆病者め仲間を殺されても止めをさせないのか」


 もう一度周りを見る。頭の熱が冷めていく


 「僕はお前を殺さない」


 「やはり臆病者か」


 「違う!僕は僕の仲間、共に僕と同じ悲しみをもう一度味わっては欲しくない。こんな思いをするのは一度で十分だ。だから殺さない」


 「ほぅ」


 「それにお前は死なずに罪を償って貰う」


 殺さない。簡単には殺させない。死ぬまでこきつかって償わせてやる


 「そうか、ふっ、はっはっはっは」


 「何がおかしい!」


 「おかしいさ!全てが、お前の存在がおかしい」


 そう言うと周りの景色全てが霧のように消えていく


 「な!?―――――――うっ!」 


 体から力が抜けていく。どうやら限界突破の反動が来たみたいだ


 「あっ!起きました」


 「よかった。もう私達の声が届かないし焦ったわよ。まぁおかげでいいものが見れたけど」


 目を開けるとココナと目があった。そしてすぐにマヤがやってくる


 「よかった・・・よかったぁー!!」


 二人をみて思わず感情が爆発する。両目から溢れる涙が止まらない


 「そんなに泣かないでください。私達はちゃんと生きてますから」


 二人を抱き寄せてしっかりとその温もりを感じる


 「あぁぁ、あぁぁ、ちゃんと、ちゃんと生きてる」


 「しょうがないですね」


 「しょうがないわね」


 そう言うと二人が司の頭を優しく撫でる 


 「私は司の気持ちを知れたから私として悪いとだけじゃなかったけどね」


 「そうですね!結構いいことづくめでしたし」


 「私はポセイドンさんに知らせてくるから」


 二人に撫でられて幾許か落ち着いた


 ポセイドン!?


 よくみると天井に今寝ているベッドまでがある。山の上にこんな場所があったのか


 「主様!」


 マヤと入れ替わりにスカイがやってきた


 「大事がなかったようでよかった。まさか長があんな事をするとは思わず」


 「いや、もういい。なんか思っていたよりも悪いヤツでは無いみたいだし」


 「それは良かったです。長は私達の父のような存在ですから。本当は嘘でもあんな事をする方じゃないんです。それに―――――」


 「ポセイドンさんがすぐに来るようにと」


 「わかった。すまない話はまた後ででいいか」


 「もちろんです」


 マヤについて外に出る


 「すごい綺麗だ」


 外、扉を開けると中は岩が剥き出しの洞窟になっていた。天井に穴が開きそこから太陽の日が差し込み泉に反射してキラキラと輝いている。そしてその泉の奥にそれはいた。


 「よく来たな司よ。まずは謝罪をしよう。すまなかったなワシの名はポセイドン。最も古き竜エンシェントドラゴンの1体だ」


 そう名乗ったポセイドンの大きさはスカイの3倍いや5倍程もあった。体長はゆうに50メートルを越えるだろう


 「最も古き竜エンシェントドラゴンの1体?ということは他にもいるのか?」


 「あぁワシ海竜のポセイドンの他に、地竜のヘカトンケイル、暗黒竜ハーディスがいる」


 ハーディス!?まさか、別だろう同じ名前の竜がいても不思議ではない


 「なるほどじゃあ、なぜわざわざ僕にあんな幻覚をみせた」


 「あれは幻覚ではない。お前達の情報から同一の生物を生み出したのだ。ワシも数段レベルを落として作ったのだ」


 作った?生物をか?そんなのいくらなんでもデタラメすぎる


 「確かにそうだな。だがそれが最も古き竜エンシェントドラゴンだ」


 今声に出ていたか?


 「いや、心の声を聞かせて貰った」


 「そんな」


 「不思議ではないだろ、そもそもワシはそれを使って会話をしていたのだ。それにお前だって使ってる言語理解も同じだ。あれはパスの繋がっている生物の心を読むと言うものだ。そうでなければ竜と会話など普通はできない。竜は言葉を理解しても人とは持っている発声器官が異なるのだから」


 そう言うことだったのか


 「さて、用件は聞いている。見せてみよ」


 蔵から刀を取り出し、差し出した


 「なるほど、これはヘカトンケイルの作品だな」


 「ヘカトンケイルとは最も古き竜エンシェントドラゴンの1体のか?」


 「あぁ、我々は既に大きくなりすぎて動けないがこれはヘカトンケイルがうった刀で間違いない。証拠に重力操作の魔法が付与されている。付与をするには付与を行うものがその魔法を使える必要がある。だから重力魔法を使える竜しかも天竜とワシを除くとヘカトンケイルしかいない」


 「なるほど、最も古き竜エンシェントドラゴンがうった、そんなに凄い刀だったのか」


 「あぁしかもこの刀は重力魔法という概念を付与してある。その気になればワシや天竜と同等に使えるようになるだろう」


 最初から凄い刀だとは思っていたがこれはいよいよ僕が持っていていいような物じゃなくなってきたきがする


 「いや、お前が持つしかない。強き刀は意思を持つ、既にその刀はお前以外には鞘から抜くこともできない」


 マジか


 「さて、用件はすんだな」


 「司殿、吾輩との一騎討ちを所望する!」


 は?
 

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