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ドラゴンテイマーになった僕は鶏を育てて暮らす。

ノベルバユーザー313493

12話 僕と会議

 朝、暖かくて柔らかい感触に包まれて起きる。横をみると幸せそうなマヤの顔があったので指でつついてみる。


 「ん~」


 「おはよう」


 「おはよ」


 「大丈夫?」 


 昨日は我慢していたが痛そうだったから少し心配だ。


 「ええ、でも少しヒリヒリする。なんなら今日は1日おんぶしててくれてもいいんだけど」
 

 「いいけど」


 確かに若干歩くのがぎこちないから辛いのだろう。


 「嘘よ。今日は会議なんだから、私はおとなしく寝てることにするから」


 「わかった。何かあったら伝えてくれ」


 支度をして部屋を出る。朝食をとって会議室に向かった。
 中に入ると直ぐに人がよってくる。娘を妻にどうだとか言った話がおおい、中には自分の領地で仕官させてやるとか言う傲慢な事を言ってくる奴もいたがそこは営業スマイルでそれとなしにやり過ごした。


 「お疲れ様です」


 「あ、ワルドさんありがとうございます」


 席につくとワルドさんが声をかけてきた。座席は一番下に円形に席が5つ並べられている。そしてそこより一段高いところに12の席がありその一つにワルドさんが座っている。僕の席は一番豪華な席の左側だ。席は王帝陛下に近い所からが上座で遠いところが下座になる。一番したから段が上がる毎に爵位が低くなる。ぜんぶで六段あるわけだ。今日は初日なので伯爵までしかいない。
 王帝陛下が中央から上がってくる。中央がエレベーターのようになっているらしい。これは失われた技術ロストテクノロジーでありその中でも古代魔法道具アーティファクトと呼ばれる魔法道具だ。


 「よく集まってくれた。まずは皆に伝えることがある」


 会議室がすっかりと静まりかえる。


 「ワシは退位することにした。次の王帝はコルビナス・ナイ・クルシェンとする」


 会場が全体がざわめく。


 かの思ったがそうゆうことはなかった。おそらく皆どこかしらで情報を獲ていたのだと思う。


 「そこで本日から儀長をコルビナスと交代しようと思う。至らないところも多いだろうが支えてやってくれ」


 そういうと中央から若い優男が上ってきた。


 「コルビナス・ナイ・クルシェンです。至らないところが多々あると思いますがよろしくお願いいたします」


 席に着くとコルビナス王帝陛下の言葉で会議が始まる。


 「先ずは大奉際の役について決めたいと思う。既に決まってるのは大神役と先王帝役だけだ。それで―――――」


 どうやら大体どの家がどの役をするのか決まっていたらしく直ぐに役は決まり、進行の説明がされる。そのあと休憩を少し挟んで格家々、執政やその他の役職を持っている人達から議題が持ち出されていく。


 「ふぁ~疲れた」


 こんなのをまた明日もやらなければならないと思うとゆううつだ。


 「お疲れさま」


 「ありがとう、体は大丈夫?」


 「なんとかね」


 「それは良かった」


 正直昨日は僕だけ楽しんだ感じがしていたので心配だったのだ。


 「今夜もする?」


 そうイタズラっぽく笑いながら聞いてくる。マヤは余裕が無いときでもこうゆう風に強がってくるから結構心配だ。


 「いや、今回はいいや。考えなきゃいけないことがあるし」


 「そうね」


 「ごめん」


 「なに謝ってるの、別にいいんだから」


 夕食を手早く食べると風呂に行く。考え事をするにはお風呂が一番だ。


 「ふぁ~」


 「なんだ先約がいたか」


 振り向くと王帝陛下、いやサウラン様がいた。


 「入ってもいいか」


 「ええ」


 なんか不思議だ。サウラン様には専用の部屋時間が割り当てられているのだが。嫌ということはないが、これも一つの暗殺などを警戒したものだし、僕といて大丈夫かと思うだけだが。


 「初めてはどうだった。ワシの娘だ名器だろ」


 初っぱなから下ネタかよ!とも思わないわけではないがたまにはこうゆう話も悪くない。


 「そうですね、僕だけが楽しんだ感じがあって申し訳なかったです。次はもっと上手にできたら良いのですけど」


 「そうか、ならこれをやるから始める前にあいつの酒にでも入れてやるといい」


 そう言って小瓶を渡してくる。真っ黒の容器に入った物だ。


 「良かったらもっとやるから今度試してみるといい」


 「ありがとうございます」


 「さて、ワシは出るかな。あんまり考え事の邪魔をしても悪いしな」


 そういうと出ていってしまった。お風呂に入っていた時間なんてたかがしれているだろう。
 小瓶を片手で弄ぶ。瓶を縁に置いて肩まで深く浸かる。体が芯まで暖まっていく。
  
 「よしっ!」


 (決めた)


 部屋に戻ると既にマヤは寝ていた。寝顔が可愛い。少しつついてみる。すると指を掴まれてしまった。実に幸せそうな寝顔だ出来ることならこの笑顔をずっと守ってやりたい。


 2日目の会議は案の定昨日よりも大変な事になった。先ず役職の選定が行われ、役職を得られなかった下級貴族が抗議する。しかし全ての貴族に行き渡るほど役職があるわけでもい。こうゆう貴族は毎回一定数生まれてしまうそうだ。
 そして全てが決まると服を着替えて王帝陛下に付き添いテラスに行く。外には既に国民が集まっていた。


 「よく集まってくれた。今年もこうして無事年を明けることができとても嬉しく思う。さて今年で我も即位40年を迎える。こんなにも長い間即位することができて嬉しく思う一方我の力不足を日々実感しているのも事実でその事に対し悲しく思っている。


 そこで我は今日この場を持って退位することにした。次の王帝は我が息子、コルビナス・ナイ・クルシェン第9代王帝を指名する。コルビナスは武術に関しては誰よりも才能が無いだろう。学問に関しても普通だ、しかし優しさを持っている。それは皆も認識してくれていると思う。次代を築きより一層の発展にはこういったものが必要であると我は考えている。だからどうかこれからはコルビナスを助け支えてやってほしい。クルシェン王帝国の為に!」


 そういうと部屋に戻っていく。どこかやりきったといった表情だ。それとは反対に知らせを聞いた民衆の中には泣いている者もいた。それだけサウラン様が支持されていたと言うことだと思う。
 僕としてもサウラン様の考えを聞けて良かったと思う。確かに力や頭の良さだけが王の器を測る物差しではないのだろう。民衆と共に歩む王様もいいと思う。


 「お疲れ様でした」


 「あぁ。やりきったな」


 「はい」


 周りに控えている文官の中にもやりきったという表情の人が多くいる。長く共に戦ってきた人達だから感じられるものなのだろう。少し羨ましく思う。


 「さて、忙しくなるぞ!最後にもう一仕事待ってる。まだ休むなよ」


 「「「はい!」」」


 そう言って奥の部屋へと消えていった。僕ももう一仕事しに行く。おそらくもう来ている筈だ。





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