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ドラゴンテイマーになった僕は鶏を育てて暮らす。

ノベルバユーザー313493

19話 僕とフレイヤ祭4

 アナウンスが終わるとココナは早速詠唱に入る。聞いたことがない詠唱だ。


 【理を秘めし我が友よ、我に力を貸し与え我が望みを叶えておくれ!精霊召喚サモンスピリチュアル風精ウィンディーネ


 あれは召喚魔法?突風がが巻き起こるとその後から緑色の体をした、精霊ウィンディーネが現れた。


 「お願いします」


 ふゅ~


 風の音しか聞こえないがなにか会話しているようだ。なんか顔が赤くなってる。
 暫くするとココナがふわりと浮き上がった。空中で一回転すると何かを辺りに撒く。するとそこを起点に風の渦が生まれた。


 【風蕾エアバッド


 風蕾エアバッドは深々と地面に突き刺さると頭部の膨らみが花のように開いた。そしてそこからシャボン玉がポコポコと生まれ飛んでいく。
 とても綺麗だ。
 シャボン玉が全てでると花が枯れていった。それと同じにウィンディーネも消えていく。


 【理を秘めし我が友よ、我に力を貸し与え我の望みを叶えてておくれ!精霊召喚サモンスピリチュアル木精ドアイアッド


 風蕾エアバッドのあった地面から樹々が生え初めた。一際大きな樹が割れると幼い女の子が現れる。恐らくあれがドライアッドなのだろう。
 またなにか話してるみたいだがざわざわとしか聞こえない。
 樹の高さが10メートルに達しようかというところで成長が止まる。さっきまで砂地だった場所が一瞬にして森に変わる。


 【開花ブルゥーミン


 樹々に一斉に蕾が生まれ花が咲く。赤や青、なかなか綺麗だ。暫くするとそれは全て萎んでゆく。


 【箱庭ミニチュアガーデン


 辺りが一気に暗くなる。樹が実を着けた。それが発光している。赤や青、黄色に緑、さっき咲いていた花と同じ色だ。まるでイルミネーションのようでいて、人工の光にはない優しさがあった。


 「綺麗・・・」


 どこからかそんな声が漏れる。さっきから綺麗なものばかりだ。時間がきてココナが光の中でお辞儀をしている。前回王者は伊達ではない。まだまだずっと観ていたいと思う。会場からは割れんばかりの拍手が起こった。そのなかを恥ずかしそうに進んでいる。


 「流石精霊王の名は伊達ではない!なんともいえない素晴らしい魔法だった!」


 暫くするとココナのが観客席に戻ってきた。


 「まさか出てるとは思いませんでした。凄かったです」


 「ありがとうございます。たまには師匠として良いところをみせないとですしね」


 「いつも凄いと思ってますよ」


 そう言って笑う。実際凄いと思うところは沢山ある。色んな意味でも。


 「あっ!絶対今バカにしましたね、わかってるんですよ私がドジ賢者って言われてるの」


 「そんな事思ってないですよ。精霊王様」


 「それはやめてください恥ずかしいんですから!」


 「かっこいいじゃないですか」


 そう笑いながら言うとポカポカと頭を叩いてきた。全く痛くはないが申し訳程度に腕でガードしておく。
 そうこうしているとティトステさんが中央にやって来た。


 「結果が出ました。今回の優勝者は―――――――エントリー番号69番。北條司!!」


 えっ僕?


 「見事前回王者の師匠を下し初出場初優勝達成!!」


 呼ばれるがままに即席で作られた舞台に行く。


 「おめでとうございます」


 ティトステさんから大きな花束と袋に入った沢山のお金を渡される。
 それから閉会の細々としたことをすると解放された。


 「おめでとうございます」


 「ありがとうございます」


 今はシュトロフ様の御屋敷に向かって歩いている。パーティーに出席するためだ。
 流石に領主の屋敷というだけあってなかなかの大きさがあった。さらには門の前に衛兵が二人立っていた。招待状をみせると通して貰う。
 中に入ると使用人にそれぞれ別の部屋に連れていかれる。着替えるためだ。一つの部屋に案内されると何着かあるなかから選ばされて貰う。僕はとりあえずタキシードっぽいのにした。
 お世辞にも似合ってるとはいえない。まだ時間はあるようで待合室に案内される。


 (まだココナは来ていないようだ)


 暫く今日の大会の、ココナの精霊召喚というのについて考えていた。あれは僕の考えている魔法とはかなりタイプが違うきがする。精霊がいるとして、全ての物事に意志が存在するのなら、魔法とはなんなのだろうか。


 「お待たせしました」


 思考の渦にはまりそうになっていたところをココナの声に引き上げられた。扉の方には黄色いドレスに身を包んだ妖精がいた。


 「そんなにみられると恥ずかしいですよ」


 そう言って歩き出すとドレスの裾を踏んで盛大に転んだ。


 「すいません、あんまりにも綺麗でまるで」


 頭ではわかっているが未だに体がココナを別人だと認識して目を離してくれない。ココナの顔が赤くなっていた。


 「ちょ、いつまでみてるんですか」


 ココナが顔を覗き込ませてきたことでなんとかやっと解放される。
  
 「ココナ様、北條様、旦那様がお会いになられるそうです。付いてきて頂けますでしょうか?」


 目で頷くと案内されるがままに付いていく。二つ隣の部屋に行くと座らされる。そして座ってまもなくするとシュトロフ様がやって来た。扉が開くと同じに立ち上がる。


 「よく来てくれた。座ってくれ」


 僕達が座ると紅茶が運ばれてきた。


 「まずは司くん魔法大会優勝おめでとう」


 「ありがとうございます」


 「さて、パーティーまで時間がないし話をするのは苦手なんだ。単刀直入に言うが君たちは付き合っているのか?」


 本当に何も挟まず言ってきたな。なぜそんな事を考えているのかは不思議だがここは確りと否定しておいた方がいいだろう。


 「いえ、僕達はただの師弟関係に過ぎません」


 「そうか、いや。それならいいんだ。時間を取らせてすまなかった。今日は存分に楽しんでいってくれ」


 それだけ告げると部屋から出ていった。ココナの方を向くと少し表情が固い気がした。


 「ココナ?」


 「どうしました?」


 今の問でさっきまで何もなかったかのように表情がいつものものに戻った。


 「会場に行きましょうか」


 ココナと二人会場に向かう。玄関の正面にある階段を下っていくととてつもなく広いホールが出てきた。
 会場には既に数組の招待客が来て、オーケストラが音楽を奏でていた。お伽噺にみたダンスパーティーよようだ。
 時間になるとパーティーが始まった。シュトロフ様とは挨拶交わした程度で他には何も話すことはなくパーティーは終わってしまった。ちなみにパーティーの料理はあまり口に入れる事ができなかったとだけ記しておく。何があったのかは聞かないで欲しい。

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