異世界に飛ばされた僕は≪槍術士≫として生きていく

天元神楽

第九話 宿


要件を済ませた嵩樹たちはギルドから外に出た

ギルドでのごたごたと後処理で日が暮れ始めていた

「あー 宿どうしよう」

「ミーナさんに聞いてみるのはどうでしょう?」

二人はそのまま回れ右をしてギルドの中に戻った



「あれ、タカキさんどうされました」

さっき帰ったはずの二人が戻ってきたことにミーナは疑問に思った

「ミーナさん この辺に良い宿ってありますか?」

嵩樹の言葉に合点のいったミーナはさっそく説明を始めるのであった

「この辺だと 金の卵亭と銀の鶏亭がおすすめですね 場所はこの・・・」

「分かりました ありがとうございます」

ミーナから宿の場所を聞いた嵩樹たちはさっそく向かうのであった



「ごめんなさいね 今日はもう一杯なのよ」

「すまんな 部屋は空いておらんのじゃ」

どちらの宿も満室であり、近くには貴族が止まるような高級宿か相部屋で雑魚寝の安宿しかなく安宿に女性を連れて行くのはやめたほうがいいとのことであった



「まいったな どうしよう」

「あれ、タカキさん」

どうしようかと路頭に迷っているとき、突然声をかけられた

「もしかして、部屋空いてませんでしたか?」

そこにいたのはミーナであった

「はい、今日はどちらも満室だそうです」

「うーん、そうですか」

嵩樹の話を聞いて何かを考え始めた

「もし、お二人がよろしければですが 家に来ますか?」

「え、いいんですか」

「はい 元はといえばこちらが迷惑をかけたのが原因ですし それに助けていただきましたから」

嵩樹は少し考えてフィーアに聞くことにした

「フィーアどうする?」

「ほかに泊まれそうな宿はないようですし、私はお邪魔させていただこうかと思います」

フィーアは問題ないとのことであったので泊めてもらうことにした

「ミーナさんお願いしてもいいですか」

「分かりました 家はこちらなのでついてきてください」

5分くらい移動したところにその家はあった

「ここが私の家です」

家の大きさは四人家族が住むには丁度よさそうな大きさであった

「ささ、入ってください」

「お邪魔します」

「お邪魔いたします」

中はきれいに整頓されていてとても清潔感のある部屋であった

「着替えてきますので ソファーで寛いでいてください」

そういってミーナは奥の部屋へと消えていった

「きれいな部屋だな」

「タカキさん女性の部屋を見回るのは失礼ですよ」

「そうだね 家族の人はいないのかな?」

「両親は4年前に死にました」

嵩樹のつぶやきに答えがあった

そこにはギルドの制服から空色のワンピースに着替えたミーナが立っていた

「えっと、それは」

「両親は先代の領主様に仕えていたのですが、王都への移動中魔物の襲撃に遭いましてその時に」

「大変でしたね」

「いえ でも両親がある程度財産を残してくれていましたし、現在の領主様からも見舞金をもらいましたので食うに困ることもありませんでした」

ミーナの話を聞いてこの世界はやはり元の世界とは違うことを実感していた



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次回、嵩樹君 独身美人ギルド受付嬢の家に泊まるの巻










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